11 温室効果・ウィーンの変位則

 前回求めた地球放射温度が実際より低いのは、温室効果が入っていないためであるということで、今回は温室効果についての説明です。

 大気中には二酸化炭素CO2、水H2Oなどの分子が含まれており、これらの分子は太陽放射の可視光線を吸収せず、素通りさせてしまいます(1)。ところが地球放射の赤外線に対しては、これを吸収してしまい(2)、そのエネルギーを再放射します(3)が、このうち下向きの放射が大気を加熱するのに使われます。これが温室効果となります。

          (1)   (2)(3)

         太陽放射
           ○        
          ↓↓    吸収 ↑
CO2・H2O////↓↓///////・////////
          ↓↓    ↑↑ ↓
          ↓↓    ↑↑ 大気を加熱=温室効果
      ____↓↓____↑↑__________
               地球放射
 最近はCO2の増加で、温室効果がクローズアップされてなんだか悪いイメージが持たれていますが、もともとは適度の温室効果のおかげで寒くなりすぎずに快適な地球環境が形成されていることを強調しました。

 ところで、「太陽放射は可視光線」「地球放射は赤外線」になるのはどうしてか?実は放射の最強波長λm[μm]と放射温度T[K]の間には、

   λm・T=2900

  の関係があり、これをウィーンの変位則といいます。この式は、以前出した放射強度と波長との関係のグラフから(dE/dλ=0の微分で)導かれたものです。太陽の場合 T=5800K とすると、λm=0.5μmで、可視光線に相当することがわかります。地球の場合はT=255Kをいれれば約11.4μmで、赤外線に相当するわけです。
#今回は、難しい計算もなく、生徒はほっとしていたようでした(^_^;)


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