化学実験4
次々と姿を変える硫黄―同素体の観察
2000.5.8.
硫黄と言えば、黄色い粉末だと理解している人も多いでしょう。硫黄の元素記号は( )ですが、実験次第でいろいろに姿を変えることができるのです。同じ元素記号の単体で別の性質を持つ物質どうしを同素体といいます。硫黄では、その成因のちがいにより、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄の3種類の同素体が観察できます。
準備物 (器具)ビーカー、試験管、試験管ばさみ、時計皿、ガスバーナー、ろうと、ろうと台、ろ紙、上皿てんびん、ルーペ
(試薬)硫黄粉末、二硫化炭素 CS
2やり方 CHECK
(1)斜方硫黄の観察 ↓
@硫黄粉末を上皿てんびんで約0.5gはかりとる。それを試験管にいれる。□
Aこの試験管に二硫化炭素を3ml加え、よく振って溶かす。
□*注意 二硫化炭素の蒸気は有毒で非常に燃えやすいので、特に注意する。
B試験管のなかみを時計皿にうつし、窓ぎわにおいて自然蒸発させる。
□C完全に蒸発したら、結晶が残るので、ルーペで観察し、スケッチする。 □
(2)単斜硫黄の観察
@ろ紙を4つに折ってろうとに広げていれ、ろうと台にセットする。
□A硫黄粉末を上皿てんびんで約5gはかりとる。それを試験管にいれる。 □
Bバーナーに火をつける。火は弱めにする。
□C硫黄の入った試験管を回しながらおだやかに加熱する。全部が溶け終わったら すぐに火から離し、ろ紙の中に流し込む。
□注意:色が変わらないうちに流し込むこと。茶色になったら失敗!
D表面が固まり始めたら、ろ紙を広げる。
□Eルーペで観察し、スケッチする。
□(3)ゴム状硫黄の観察
@ビーカーに冷水をいれ、ろうとをさかさまにして入れておく。
□A硫黄粉末を上皿てんびんで約5gはかりとる。それを試験管にいれる。 □
B硫黄の入った試験管を回しながらおだやかに加熱する。温度が上がるにしたがって、どんな状態になるかを注意深く観察する
(→質問2)。 □注意:沸騰させすぎると、燃えやすいガスが発生するので注意する。
C沸騰したら、ビーカーに糸を引くように流し込む。ゴム状硫黄ができる。 □
D取り出して引きのばしたりしてみる。特徴をメモしたり、スケッチをする。□
スケッチ ※特徴をとらえてきれいにスケッチしなさい。
|
斜方硫黄 |
単斜硫黄 |
ゴム状硫黄 |
質問1 それぞれの同素体は、どのような温度条件で生成しましたか。
斜方硫黄:
単斜硫黄:
ゴム状硫黄:
質問2 ゴム状硫黄形成の過程で、硫黄の様子はどのように変化しますか。
質問3 同素体には、他にどんな物質がありますか。
(解説)物質は自然界の外的条件(温度・圧力など)により、同じ成分でありながらその姿を変える場合があり、同素体もその一つです。これを用いて、どのような自然条件下でできた物質なのかを判定することが地球科学などでよく行われています。
室温で安定なのは斜方硫黄ですが、その結晶形(ひし形)はこの実験でしか観察できません。斜方硫黄は95.5℃で単斜硫黄になります。また、液体硫黄は200℃まで流れにくくなる(粘性が大きくなる)性質がありますが、これは他の物質とは逆です。これも興味深いところです。
2年 組 番 氏名 。