515 ロバが水を飲む
貧乏な老母が息子に嫁を貰った。嫁は毎晩、水瓶に水を一杯にしてから寝る。ところが朝になると水瓶の水が半分になっている。それを見た老母は「お前が夜中に水瓶の水を盗んで誰かにやるんだろう」と責めた。嫁は身に覚えない事で姑に怒鳴られ一日泣きながら、“どうして一杯にした筈の水瓶の水が真夜中に半分になってしまうのだろう”と考えたがわからない。毎晩一杯にした水瓶の水はやはり翌朝になると半分になっている、そして姑は一日中「お前が夜中に水瓶の水を盗んで誰かにやるんだ」と嫁を罵った。
ある晩、嫁は“夜中に誰が水を盗むのか、一晩中寝ないで見ていよう”と天井に隠れていた。すると真夜中、外からロバが入って来て水瓶の水を飲みだした。「あッ、お前があたしの担いで来た水を飲むんだ」と縄をだして「お前が水を飲むから、あたしは毎日姑に怒鳴られているんだ、今夜はお前を縄で繋いでおくからね」とロバの首に縄をつけ、庭の木に繋ぎ「今夜はここにいな」とロバに言った。
翌朝になってみると、このロバは金のロバになっていた。そして嫁は幸運を掴んだ。
(四老人故事集)