雉と鶉
雉と鶉は隣あって住んでいました。ある冬の大雪の日に雉と鶉の家には食べ物がすっかりなくなってしまいました。
ある日、鶉はとうとう我慢できなくなって鼠の家へ食べ物を借りに行きました。鼠の家には親鼠がいなくて子鼠が留守番をしていましたが、鶉は「子鼠さん、子鼠さん、お父さん鼠がお帰りになったら、『来年の春に返しますから食べ物を貸して下さい』と鶉がお願いに来ましたと話しておいて下さい」と頼みました。子鼠は鶉の話し方に感心して、すぐ二石の穀物を量って貸してやりました。
雉は鶉の家に食べ物があるのを見ると不思議に思い、どうしたのだと聞きました。鶉はそのわけをよく話しました。そこで雉も鼠の家へ行きました、するとまた子鼠が留守番をしていました。雉は自分が大きい体をしているものだから横柄で、鼠のことなど眼中にないという態度で、鼠の家に入るといきなり「子鼠、子鼠、親爺が帰って来たら、『来年春に返すからあまった食料を貸せ』と雉が来たと伝えろ」と言いました。
子鼠は雉の偉そうな言い方を聞いて“雉は借りても返さないつもりだな”と考えると、雉にかまわず引っ込んでしまいました。
子鼠は親鼠が帰って来ると、このことをすっかり親鼠に話しました。すると親鼠は「傲慢で口のきき方さえ知らない雉に貸してやるものか」と怒りました。 そして、雉は食べ物がなくなり大雪の日に飢え死にしてしまいました。
撫順市巻下 1997.12.7