土人形
小美は粘土で小さな土人形を作った、それはとても可愛らしく出来て小美は気に入り、太陽に当たってヒビが入ったり、雨に降られて壊れるのを心配して土人形を外へ遊びに行かせなかった。
それで土人形は退屈してとうとうある日、野原へ出かけた、初めて外に出た土人形は嬉しくてウキウキしていた。小川に行くと小さな板が流れて来たので土人形はそれに飛び乗った、すると木の板は“小舟”になって小川を流れて行った。しばらくたって土人形はもう岸に上がりたいと思ったが“小舟”は小川の真ん中を流れていて岸に戻れない、どうしょうと思っていると、蛙が泳いで来て“小舟”を頭でスイスイと押して岸に着けてくれた。
こうして土人形と蛙は友達になった。夜になると蛙は土人形を大きな木の洞に連れて行き、そこでしばらく一緒に暮らすことにした。
ところがある日、蛙が病気になって寝ていると、雷が鳴り出しこの大きな木に落ち火がついて燃え、周りの草も燃えはじめた。
蛙は病気で動けないので、土人形に「早く逃げて、わたしはもう駄目だ」と言った。でも土人形は勇気を出し蛙を抱いて燃える木の洞から逃げると、燃えはじめた草の中を走り抜け、小川まで行ってエイッと蛙を川の中に投げ込んだ。だが土人形は力尽きてアッというまに火に包まれて倒れ気を失ってしまった。
やがて火が消え、土人形は目を覚ますと自分の体の色が赤くなって強く固くなっているのに気がついた。それから土人形は太陽も雨も恐れなくなってもとの小美の家へ帰った。小美は土人形を見て「アレ!土人形はどうしてこんなに固く綺麗になったのだろう」と言った。土人形は粘土で作られているから火に焼かれて固くなったのだ。
中国幼児故事精選 1992・10・25 2001・06・11校正