猫が鼠を捉える由来

 昔、猫と鼠はたいそう仲がよかった。だが鼠は猫が名だたる怠け者であることを知っていたし、猫は猫で鼠の手足が汚いことを知っていた。そして夜になると食べ物を盗んでは一緒に食べたり飲んだりしていたが、互いにその悪いところを口に出して言うことはなかった。

 ある日、猫は暖かい陽射しの草の上でスウスウ寝ていたが、喧しい話し声に目を覚ました。猫が眠い目をこすりながら頭を上げると牛と馬がそばで何やら話している。牛と馬の話というのは“人間が十二の動物を選んで人間の生まれ年の名にするから、十二の動物を選んで人間の生まれ年の十二支の名にする、人間は真面目で働き者を好み、欲張りで怠け者を嫌うから、あさって河辺の草地に早く来た十二の動物をその十二支に選ぶと百獣の王の虎が森の動物たちに言った”ということだった。

 猫は牛が馬に「だから俺たち、あさっては朝早く起きよう、寝坊はできないぞ」と言っているのを聞くと二尺も高く跳び上がって喜び、すぐ鼠のところへ行ってこのいい知らせを教えてやった。それを聞くと鼠は「それはいい、俺たちも選ばれれば威張れる」と言った、猫は鼠と別れる時に「鼠さん、あんたは前の晩から気をつけて、あさっての朝、もし俺が寝ていたら、きっと俺を起こしてくれ」と言った、鼠は小さな目をパチパチさせて「こんな大事なことに俺は良き友をほっておくことはしない、安心して寝ていろよ、その時はきっとあんたを起こしてあげる」と言った。猫はやっぱり鼠は長年のいい友達だと心の中で感激して家へ帰りゆっくり寝た。

 あと少しで三日目という晩、鼠は一晩中二つの小さな青豆のような目を開けて空の北斗星を見ていて真夜中になったことが分かると、先に行って先頭に立とう、怠け猫のために遅れては大変だと思い、一人で行くことにした。鼠が夜明け前に集会場に着くと、しばらくして牛、虎、兎、龍、蛇、馬などが続々とやって来た。鼠は一番早かったので十二支の一番になった。
 猫はずっと寝ていて日が高くなってやっと起き、鼠を探したが何処にもいない、それより早く河辺に行った方がいいと、集合場へ行ってみると、もう集会は解散したあとだった、猫が兎に聞いてみると、鼠が一番早くて第一等だったいう。とたんに猫は全身の毛をそば立て、二つの目を丸くし“泥棒鼠め、こんな大事な時に俺を呼ばずに一人で行くなんて、三日前、なんと言ったんだ、安心しろと言ったではないか、何がいい友達だ、この仇はきっととってやる、待っていろよ”と心の中で罵った。

 それから、猫は鼠を見ると必ず噛みつき、鼠は自分が悪かったと思い、猫を見ると遠くの方に身を隠す。こうして鼠は夜になってから穴蔵を出て食べ物を探し、猫は眠り癖を改め、夜になると目玉を光らせるようになったのである。

             中国幼児故事精選                                1997.5.23

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