恐妻(一)
ある処に女房の尻に敷かれている男がいた。それで何時もみんなに「あいつは女房の尻に敷かれている」と笑われるので、もうみんなにそんな事言わせないようにしようと女房と相談して仲間のみんなを客に招き、男はわざと亭主らしく振るまい、女房は夫を立てるいい女房振りを見せて仲間のみんなを驚かした。
帰り道、みんなはどうも合点がいかないので、また男の家にそっと戻り、紙の障子を舐めて穴を開け覗いてみると男は女房の足を洗っているところだった。男は女房の足を揉んだりさすったりしたあと舐めたりしている。
みんなはそれを見て思わず笑い出してしまった。見られたと思った男は亭主の面目を取り返そうと、また無理に仲間のみんなを家に入れ、「今日はみんなが来てくれたのに、女房の奴、気が利かなくてみんなに悪いことをしたと文句を言ったら返答を返したので殴ってやろうとちょっと体の骨の具合い見ていたらあんたたちがまた戻って来たので女房はわしに殴られずに済んだよ」と言った。
みんなはこれを聞き、あきれてもう何も言わなくなったとさ。
李占春故事選 1992・10・20 2001・06・08校正