歌  謡                   

                              児歌(童謡)

                           先生早くおわってよ                    

                      先生、先生、早く勉強おわりにしてよ                       
                      うちじゃあ、今日は白いうどん
                      ひとり、お椀に一杯だから
                      帰りがおそいとなくなちゃうよ

                             怖いのは  

                     天にも地にも怖いものない
                     ただ、先生がうちに来るのが怖いんだ
                     だって、とうちゃん、つねるんだ
                     だから俺、うちに帰りたくない

                       お前の親に言ってやる

                   やーい、やーい、よーく聞け
                     喧嘩をしたと、お前の親爺に言ってやる
                     先にお前が俺のお尻を蹴っ飛ばし
                     そのあと、俺をぶったとな

                            菜っぱの歌

                     今日は日曜、勉強しないで畑の仕事
                     家に帰って豚の世話、豚は大きく育ち
                     年の暮れには三百斤、一斤も売らないよ
                     脂肉から油をとって、赤身の肉は野菜炒め
                     勉強だって忘れない、手伝いだって怠けない
                     父さん母さん、あたいを褒めて
                     先生も“いい子”というよ

                            じゃがいも

                     じゃがいもの白い花咲いて
                     お嫁さん来たら母さんなんか知らないよ
                     母さんが文句を言えば
                     お嫁さん連れて、家出ちゃう

                           お嫁さんが欲しい

                   小さな小さな男の子、門の敷居に腰掛けて
                   お嫁さん欲しいと、泣いている
                   
お嫁さん貰ってどうするの
                     服や上着を作って貰う
                     靴や靴下作って貰う
                     灯りをつけてお話するよ
                     灯りが消えても怖くない

                       お天道さん、雨降らさないでおくれ

                     お天道さん、雨降らさないでおくれ
                     肉饅頭、甘い饅頭みんな上げる
                     大雨が、ザアザア降って
                     胡瓜畑の支えが倒れりゃ
                     一日お粥二杯だけ
                     それじゃあ体が、フラフラなんだ

                         かあちゃん、眠い

                   柳の葉っぱが、さわさわさわ
                     かあちゃん眠いよ、抱っこして
                     よしよし抱っこ、ねん寝しな
                     お化けが来たら、ぶってやる

                         高粱の葉っぱ

                     高粱の葉っぱが、ザワザワザワ
                     夜中に坊やが、「おかあちゃん」
                     「おっかなくないよ」と、お母さん
                     狼来ても、虎来ても、やっつけてやる

                           生活歌 

                            父を悼む

                     父悼む娘の涙は、誠心誠意
                     父悼む息子の涙は、震天動地
                     父悼む嫁の涙は、嘘ぱち
                     父悼む婿の涙は、ロバのおなら

                        この世の二つの難しさ 

                   この世に二つの難しさ
                     天に昇る難しさ、それより難しい人頼み
                     この世に二つの薄いもの                     
                     春の氷にそれより薄い人の情
                     この世の二つの苦しみは
                     生きる苦しみ、それより苦しい貧乏暮らし
                     この世の二つの怖いもの
                     重い病にご臨終

                           小さな夫       

                     娘十七花盛り、四年たったら二十一
                     嫁いだ夫はまだ六つ、
                     比べりゃ十一年がうえ
                     二人で井戸へ水汲みに
                     一人が高く、一人が低い
                     わたしを大事としないなら
                     小さい夫を井戸に突き落とす

                           時政歌

                         千人針

                     千針の糸、万針の糸
                     死んでも、父母には会えないぞ

                            日本語

                     日本語なんて、習うことない
                     二年もすれば、いらなくさるさ
                                 

      中国民間文学集成遼寧巻沈陽市巻下                        1996.12.24.

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