三人の近目

 道で三人の近目が遇い、明日、廟の門の上にかかっている扁額を読んで誰の目が一番いいか比べることにした。三人はその場で別れると、それぞれそっと額屋に廟にどんな額がかけてあるのかと聞きに行った。

 一人目の近目は書いてある字を聞いた、二人目の近目は書いてある字と字の色を聞いた、三人目の近目は書いてある字と字の色と額の地の色を聞いた。

 翌日、三人の近目はわざと遠い所から廟の門の上の扁額を眺めた。一人目の近目が「額には『有求必応』と四字大きく書いてある」と言った。すると二人目の近目は「お前は字の色が黒いのが見えてない」と言った。三人目の近目は「お前も額の地が白いのがわかっていない」と言った。

 三人の近目が口論していると、一人の老人が来て「みなさんの目はわたしよりいい、額はまだかかっていなにのに見えるなんて」と言った。
 それを聞いた三人の近目はその老人に何も言わず、みんなコソコソと人混みの中に消えてしまった。     

      李占春故事選                                1992・10・20   2001・05・31校正

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