蜂蜜のとっりこ

 狐とハリネズミと蛙の三人は友だちでした。ある日、三人は一緒に出かけました。半日も歩いて三人は疲れ、お腹が空き、喉が渇きました。するとうまい具合に道端にひと固まりの蜂蜜が落ちていました。

 ずるい狐は“三人で食べれば一人の分け前は少ない、俺一人で食べるのが一番だ”と考え、「みんなであの井戸までかけっこして、先に着いた者がこの蜂蜜を食べることのしよう」と言いました。
 それを聞いたハリネズミは“俺の足は早くないから、みんなより早く行ってしまおう”と考え、素早く「じゃあ、俺が先に行くよ」と言って走り出しました。
 狐は“俺にかかれば二人とも問題じゃあない”と考え、蛙に「お前も先に行けよ、お前たちが同じくらいになったら、俺が走りだすから」と言いました。
 蛙は「ウン、先に行くよ」と言って、ピョンピョン跳ねて行きました、狐は少し心配になって、まだハリネズミと蛙が遠くへ行かないうちに走り出しました。

 蛙はこれを見てこれはまずいと、狐が蛙のわきを走り抜ける時、狐のしっぽに食いつきました。そして狐が井戸に着くやいなや、蛙は狐のしっぽから飛び下りると、井戸の上へピョンと飛び上がり、息をきって目を見はる狐を井戸の上から笑顔で見ていました。
 やっとハリネズミが来ると、狐はまたこう言いました、「このやりかたはよくなかった、俺にまだいい考えがある……」 「どんな考えだ」と蛙が聞くと、狐は「酒の飲み比べはどうだ、一番少ない酒で早く酔える者がこの蜂蜜を食べることにするのだ」と言いました。
 するとハリネズミはまた最初に、狐と蛙をからかうように「それは俺だな、俺なんぞ一口で酔っぱらってしまう」と言いました、つぎに狐は「お前は俺より強い、俺は酒にちょっと舌をつけただけで酔う」と言いました。

 すると蛙は二人が言い終わらないうちに、体を丸めて地面に寝てしまいました。それを見た狐とハリネズミは蛙に「お前、体を丸めてどうしたんだ」と聞きました、蛙は「俺はお前たちの酒を飲む話を聞いて酔っぱらってしまたんだ」と答えました。それで蜂蜜は蛙のものとなりました。

           撫順市巻上                                       1996・3・6 はじめに戻る