宴会から帰ったばかり
飲む食べるとなれば、もう目がないという口ぎたない男がいた。
もし誰かの家で祝いごとがあると聞けば、なんとか縁故に頼ってすぐ出かける、しかもその家でたっぷり食べられるように二三日前から何も食べないでいる、そして沢山食べることだけを考え、宴席では喉もとにつまるほど食べた。
この日もある家で祝いごとがあり、男は二日前から何も食べず腹を空かして行った。男は席に着くや、ほほを大きくひろげ、腹のへそをつっぱる恰好で、すさまじい勢いで食べ始め、腹の皮がパンパンと太鼓のようになるまで食べ、やっと席を立ち、家へ帰ることにした。
男はこんなにまで食べてもなお、体裁をつけて、ステッキを持ち、礼式の帽子をかぶり、長い礼服を着ている。 帰る途中、冷たい風が吹き、男の帽子が飛ばされてしまった、男は腰を曲げて拾おうとしたが、腹がふくらんでいて腰が曲がらない、その時ちょうど前から女の人が来た、この婦人は身籠って大きなお腹をしている。男は「あなた、わたしの帽子を拾ってくれませんか、わたしは腰が曲がらないのです」と言った、女の人は男を見て「あんた、あたしが見えないの、あんたが腰が曲げられないのに、どうしてあたしが曲げられるのよ」と言った、男は女の人を見て「アレ、あなたも宴会から帰るところですか」と言った。
撫順市巻下 1995・10・29