雀の強がり

 昔、鷹と雀が義兄弟の契りを結ぶことになったが、どっちが兄貴分になるかでもめた。鷹が雀に、「お前その大きさで、兄貴分になるつもりか」と言うと、雀は「体が小さければ兄貴分になれないのか、長幼の序ということもある」と返答した。

 鷹は「じゃあ、こうしよう。力比べして、勝った方が兄貴分だ」と言うと、雀は「よし、何で試そう」と応じた。鷹と雀は空から、お婆さんが孫と遊び、そのわきで母鶏が雛鳥と餌を食べている一軒の家を見つけ、まず鷹が言った、「おい、見えるか、下の家に鶏の親子の群れがいるだろう、俺はあのなかの一羽を捕まえて来る、うそだと思うなら見ていろ」と言うと、鷹は羽ばたきして下降し、家の上で、旋回したかとみると鶏の親子に飛びかかり、素早く雛鳥を抱えて舞い戻った。

 鷹が「どうだ、お前にこんなことできるか」と言うと、雀は「お前こそ、ひよこなぞ捕まえて、俺なら親鶏を捕まえて来る」と言った。鷹は「でたらめ言うなよ、小さな体で力もないのに、大丈夫か」と心配すると、雀は「まあ、見ていろ」と言うので鷹はとめずにいると、雀は飛んで行ってしまった、そこで鷹は雀が戻るの待つことにした。

 雀は地面におりると、餌を探すふりをしながらピョンピョン跳ねて母鶏に近づき様子を探った。母鶏はさっき、鷹に雛鳥をさらわれたばかりなので用心深い、雛鳥たちも驚いて母鶏の羽の下にもぐりこんでしまった。雀はまず母鶏の羽の下からでている雛鳥の足をつっついた、母鶏は雀のするままにもしておけず、羽のなかに雛を抱えこんだが、雀にはかまわない。

 すると雀はそれをいいことにして、つっつくが、母鶏は雀を相手にしない。だが、お婆さんはこれを見て「鷹にひよこがさらわれたばかりなのに、こんどはお前が鶏をいじめに来たのかい、小雀、お前死にたいのかい」と言って棒で雀を打つと、前にいた孫が雀を押さえ、雀を食べたいと言った。お婆さんは「いいよ、おばあちゃんが羽をむしってあげよう」とお婆さんが雀の羽を強くむしろうとした時、鷹は雀がおそいのでどうしたのかと、羽をひろげて飛んで来た。

 すると、雀はお婆さんの手にしっかり押さえられて、まさに羽をむしられるところだった。鷹は慌てて母鶏に飛びかかると、母鶏は激しく鷹に跳びかかり、雛鳥は逃げた。
 そして、お婆さんが手をあげて鷹を追い払った時、やっと雀はお婆さんの手から逃げた。
 鷹は雀が逃げたのを見ると、急いで雀ともとの場所に戻り、「俺が行くなと言ったのに行くからいけないんだ、俺がもう少しおそかったら、お前命がなかったぞ」と言った。

 さて、その時、雀は何と言ったと思う?こう言ったんだ。
 「言うな、お前が来たから俺は失敗したんだ。俺があの婆さんに母鶏をよこせと言ったら、ひよこをやると言うから俺はいらんと言うと、婆さんは『母鶏と闘って勝ったらやる』と言うから俺はよし、それなら俺は羽をとって裸で闘うから、俺の羽をむしってくれと、婆さんに言ったんだ、それで婆さんが俺の羽をむしろうとした時、お前が来たんだ、ちぇ、大きな母鶏を捕まえそこなった」と言ったんだとさ。

           李占春故事選                                      1995・9・5

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