飲み屋と茶店の鼠

 飲み屋の鼠と茶店の鼠が義兄弟の縁を結んだ。
 茶店の鼠が「俺たちは縁を結んでますます親しくなった、兄貴、俺の所には誰もいないから酒を飲みに来てくれ」と言った、「それはいい」と飲み屋の鼠が言った。

 夜になって、飲み屋の鼠が茶店に行ってみると、壺が深くて酒まで口が届かない、こいつはどうしょう。「そうだ、俺たち互いにしっぽをくわえて飲めばいい、お前が飲んだら、俺のしっぽをお前がくわえて俺が飲む、そうすれば俺たち二人とも飲めるわけだ」 「よし、お前にまかせた」  茶店の鼠が「兄貴はお客だから、先に飲んでくれ」と言って飲み屋の鼠のしっぽをくわえた、飲み屋の鼠は頭をのばして酒壺の酒を飲んだ、一気に飲んでから頭をあげて「うまかった、こんどはお前だ、だが、お前少しにしておけよ、お茶とは違うからな、飲みすぎると面倒だ」

 飲み屋の鼠が茶店の鼠のしっぽをくわえた、茶店の鼠が頭を下げて壺の酒をなん口か飲み「いやあ、兄貴、この酒はうまい、俺が飲んだら兄貴はまた飲んだらいい」と言うと飲み屋の鼠が「お前飲め、俺はもう十分だ」と言おうとして口を開いたとたん“ドボン”と茶店の鼠は酒壺の中へおっこちた。「アップ、アップ」と茶店の鼠がはい上がろうとすると、飲み屋の鼠が「俺が少しにしろ、少しにしろと言ったのに沢山飲むからよっぱらたんだ、酒壺の中で酔い潰れろ」と言ったとさ。   

           中国民間文学集成遼寧巻撫順市巻下                        1995・4・3

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