20 昔話と内なる愛
語り手が子供たちに童話を声も表情も豊かに語るのは、語り手が意識的に子供に童話を語り聞かせているからであろう。
語り手、聞き手が昔話を声も表情も淡々として語り聞くのは、昔話が無意識を根源としているからである。
昔話は語り手が意識的に聞き手に語り聞かせるのではない。語り手と聞き手は、心の奥底の自らのアニマ(男性の内なる女性像)アニムス(女性の内なる男性像)に出会いながら、昔話を語り聞くのである。
人は昔話を語り聞く世界で、自らの内なるアニマ、アニムスに出会う。それを意識にのせるかどうかは人それぞれである。
昔話は人の内なるアニマ、アニムスの愛を呼びおこす。(1991年10月)