18 昔話 ・ 隣人愛
私は昔話の語り手と聞き手とは互いに好きにならなければ、昔話の世界は広がらないと思う。そもそも、語り手、聞き手の心の交流がなくては昔話は生まれなかったであろう。
だから、もともと昔話は語り易く、聞き易いという優しさを持っていたのである。その優しさをそのまま語り手、聞き手がわかちあうから昔話は人の心を開くのである。
聞き易いように語る、語り易いように聞く、そういう優しさは語り手、聞き手が互いに好きにならなければ育たない。
語り手、聞き手のこの相互の優しさを私は隣人愛とよびたいと思うがどうであろう。(1991年5月)