16  昔話と日本語の拍      

 中国の学生に促音を教えていると、促音を前の音の拍にとり込んでしまうことがわかる。

 日本語の拍は仮名一字が一拍で、促音、撥音、長音は音が出ていなくても一拍とるのである。仮名一字一拍は、拍の長さが同じになり単調ではあるが穏やかである。また拍の切れ目は常に母音で安定している。

 昔話の語りの穏やかさは、この日本語の特色からくるのではないか。中国の学生に日本語で昔話を語ると、学生は言葉が魅力的で思わずひきつけられるという。       

 当然のことだが、日本の昔話を語るには日本語がいちばんいいのである。(1991年5月)    

はじめに戻る