12  昔話と個の変革      

 私は変革を求めて独り済南に来た。しかし、それは如何に困難であるかがわかってきた。個は人との葛藤から生まれる。だから個の変革も人との葛藤のなかにしかない。      

 変革の最たるものは死である。常に私には死の恐怖がある。寂しい、人恋しいのである。個の変革は人との葛藤のなかにあるとすれば私の変革は私の周辺の人をも巻き込むのであろうか。恐ろしいことである。変革を求めながら、私は変革を恐れているのである。      

 昔話は人の葛藤である。私は自分の変革を昔話のなかに見ることができるであろうか。そして、もしそれが私の語りに具体化すれば私は変革したのである。      

 昔話は人を変革させるに違いない。(1991年3月)                         

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