けちんぼう

 たいそうけちな爺さんがいた。
 ある時、病気になると長男を呼んで「わしが死んだら、お前はどんな葬式をするかね」と聞いた。 「どんな葬式をするかですか。わたしは三日の間、四人の楽隊の喇叭と太鼓でおとっつあんを悲しみ、それから葬式をだします」 「馬鹿野郎、出ていけ、わしはお前なぞいらん」と言って次男坊を呼んだ。

 「次男のお前はわしが死んだらどんな葬式をするかね」 「どんな葬式をするかですか。わたしは三日の間、六人の楽隊の喇叭と太鼓でおとっつあんを悲しみ、それから葬式を出します」 「なに!出ていけ、馬鹿野郎」と言って三男坊を呼んだ。

 三男が来た。「三男や、わしが死んだらお前はどんな葬式をするかね」 「死んだら葬式をするんですか。わたしは、おとっつあんを煮て、うちの大きな黒犬を殺し、犬の肉に混ぜて売ってしまいます」 「う−ん、だが東村のお前の嫁の親爺には売るな、あいつは食べても金を払わんからな」と言って、けちな爺さんは三男の考えに喜んで同意した。  

       四老人故事集                                        1994・10・19

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