宝の山

 わしらの村の星星山には昔から宝があると伝えられていた。この星星山の麓に一人の農夫がいて何種類かの瓜を植えていた、畑には緑のつやつやした甘瓜や西瓜がゴロゴロなっていた。
 ある日、外国の宣教師が瓜畑のわきを歩いていて、一本の蔓にみずみずしい緑色をした手の大きさほどの小さな瓜を見つけるとじっくりとながめ、農夫に「お前さん、この瓜を私にとっておいてくれ、熟れたらとりにくるから、金はいくらでもいい、お前さんの欲しいだけ出す」と言った。

 外国人宣教師が帰ったあと、農夫はこの瓜を何に使うのだろうと思って、瓜をそのままにしておくことした。やがて秋も終わり10月になると、いろいろな瓜は熟れて実や葉は黄ばみ、蔓も枯れてきたのにこの瓜だけは蔓も葉も青青としたまま熟していた。
 ある日、外国人宣教師が来て、これを見ると大喜びして「実は本当のことを言うと、この瓜は星星山を開ける鍵なのだ、山が開いたらこの鍵を持っていてくれ、とれた宝物は山分けだ、だが決して瓜を落とさないでくれよ」と言った、農夫は「わかった」と答えた。

 外国人宣教師はこの瓜を根っこごと引き抜いて持つと、農夫と一緒に山に向かって歩き出し、山の麓で瓜を振ると、星星山はもの凄い音を立てて開いた。なかは金の臼、金の牛、金の塊の山であった。外国人宣教師は瓜を農夫に渡すと、なかに跳び込んだ。しかしこの農夫は気骨のある男で「外国人に中国の宝物を渡すわけにはいかない、俺は分け前なぞいらない、あいつを出られようにしてやろう」と考え、瓜を地面に叩きつけた。するとたちまち山は閉まり、外国人宣教師は山に閉じこめられた。それから星星山はもう開くことはなかった。    

         聊斎 * 子                                          1994・6・7

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