蜜蜂の仲人

ある村に母と娘が暮らしていた。娘はもう十七になり多くの人が仲人に来た。娘は東村の若者と結婚したかったが、母親は娘を西村の金持ちの家に嫁がせたかった。娘は「あんなアヘン吸いの人でなしと、わたしは結婚したくない」と言い、母親は「わたしゃお前を東村のあんな田舎者と結婚させたくない」と言っていた。
すると、窓の外で綺麗な花の蜜を吸っていた蜜蜂がこれを聞いて「ブンブンブン、西の金持ちはやめた方がいい、飲む、打つ、買うの悪者だよ、それより東村の若者が似合いだよ、饅頭も担いで来るよ、どうする?」と言うと、母親は「ダメ、ダメ」と言って、箒を振り回したので蜜蜂は飛んで逃げてしまった。
母親は娘の気持ちなぞ構わず、八つの長持ちの結納を貰い、娘を西村の劉百万に嫁がせた、娘が嫁いでからも劉百万は畑も耕さず、種も蒔かず、ただ家でいい加減なその日暮らしをして、何年もしないうちに家の財産を使い果たし、娘を騙して都に売りに行った。
母親はそんな娘を心配して一日中泣いてばかりいた。ある日、蜜蜂が飛んで来て綺麗な花の上で「ブンブンブン、知ってるよ、娘さんが何処にいるか、知ってるよ、娘さんが何処にいるか、知ってるよ」と言った。母親はそれを聞くと、急いで蜜蜂にそこへ連れて行ってくれと頼むと、蜜蜂は母親を墓場に連れて行った。
娘は父親の墓の上で泣いていた、それを見た母親も泣きながら娘にどうしてここにいるのかと聞いた、娘は「劉百万がわたしを下女に売ろうとしたので、逃げてきたの」と言った。母と娘が家に帰って見ると、蜜蜂がまた綺麗な花の上で「ブンブンブン、東村の若者の方に嫁にいくかい?」と言っていた、母親は「いく、いく」と言った、すると蜜蜂はまた「ブンブンブン、もう饅頭はないよそれでもいいかい?」と言った、母親は「いいよ、いいよ」と言った。そこで娘は東村の若者に嫁ぎ、夫婦は仲よく暮らしとても幸せになった。
こうして、この辺の若い娘たちはみんな蜜蜂の仲人がよい話を持って飛んで来るように、自分の部屋の窓の前に綺麗な花を植えるようになったのである。
聊斉 * 叉子 1994・5・23