放蕩者

 昔、平度城の西南にある財産家の夫婦がいた。子供の家宝は一人子で、寒さにつけ暑さにつけ全くちやほやされて育てられた。十八歳の時に父母が亡くなり自分が主になったのに、仕事もせず、ただ食べ、飲み、妾を持ち、アヘンを吸い、これを習っても駄目、あれを習っても駄目で人々は家宝を“放蕩者”と言っていた。

 家宝は何を食べても旨いと言ったことがなく、雇っていた料理人の作った物が気にいらず、平度城の東の町で一番旨いというマントウとギョウザの店へ毎日行ってギョウザを食べた、彼はギョウザの腹のところを一口食べると残りは放り出すので、店の者はもったいないとそれを拾い日に干しておいた。それが何日もすると大きな瓶に一杯になった。
 放蕩者の家宝は今日も明日もと遊び呆けて財産を使い、家も抵当にいれ、売れる物は売り払ってそれでもまだ足りなかった。そしてとうとう何もなくなって乞食になった。

 ある日、家宝はあのギョウザの店に物貰いに行くと、店の者は家宝が食べ残したあのギョウザの皮を煮てだしてやった、家宝はそれを食べるとあまりに美味しいので、思わず「これは何だ、とても美味しい」と言うと、店の者が「あんたって人は……これは昔、あんたが食べ残したギョウザの皮だ」と言うと、家宝は昔を思い出して恥じたという。  

       聊斉 * 子                                            1994・5・7

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