八大将軍
これは秦の始皇帝時代の話である。
平度城の東のある村のある家に八人の兄弟がいた。この八兄弟は武芸に優れていた。長男は錘、二男は剣、三男は大刀、四男は長槍、五男は鎖、六男は棒、七男は騎馬射とそれぞれの使い手であった、八男は体が小さく力はないが櫓に登り壁を走ることができた。
人々はこの八兄弟を八大将軍と呼んだ。この八大将軍は武芸に優れていたが人には優しく、老人を助け、貧乏人を救い、不公平を憎んでいた。秦の始皇帝は何度も八兄弟を招いたが、八兄弟は官に就こうとはせず、農民として老母と暮らしていた。
この地方の人々はこうした八兄弟を敬していたが、始皇帝は八兄弟を恐れ、いつも八兄弟を討とうと考え、一つの方法を思いついた。
「天下の武器はすべて没収する」と告げ、八兄弟の武器をみんな取りあげ、八兄弟を徒手空拳にしてしまった。しかしそれでも、ある晩、始皇帝は八兄弟が自分を殺害しに皇宮に進入した夢を見た、驚いて目を覚ました始皇帝は冷や汗をかいていた。始皇帝は起きると「これは大変だ」と刺客を遣わして八兄弟を殺した。
平度城の人々は密かに八兄弟の像を刻んで奉り、八大将軍はまだ毎日人と一緒にいると伝えていた。これを知った始皇帝は「像を刻んだ者を捜して殺す」と告げた。人々は驚き恐れたが、像を刻んだ指導者は始皇帝の皇宮に行き「皇帝、八兄弟の像は人民が刻んだものではありません、ある晩、土のなかから自ら出てきたのです」と言った。これを聞いた始皇帝は驚いて玉座の後に転げ落ちたという。
聊斉 * 子 1994・5・5