婿を取り替える
何代も昔、あるところに張田という人がいた。やがて妻に女の子が生まれると宝英と名づけ隣り村の農民劉和の子と結婚の約束をした。
それから間もなく妻は病気になり日ましに重くなると、ある日、意識を失った。ばらくして意識を取り戻し、宝英が遊びに行ったのを見ると、張田に「あたしの病気はもう治りそうもない。あたしは宝英が嫁入りする前に死ぬかもしれない、どうかお前さんあたしが死んでも娘を可愛がっておくれ、そしてこの子が嫁入りする時は、あたしの嫁入り道具とあたしがためたお金を娘に持たせてやっておくれ」と涙を流し、一刻たたぬうちに死んでしまった。
一年たって張田は後妻を貰い、また女の子が生まれると、紅珠と名づけ西村の農家の李の息子李成の許嫁にした。張田は前の妻が死ぬ時言い残した嫁入り道具とお金に手を触れないように後妻に話しておいた。
やがて二人の娘は大きくなり両家の婿の仲人が来年、式ををあげたい言って来た。ところが張田は急病で二人の娘の結婚式の前に亡くなってしまい、二人の婿が弔問に来た。
宝英の許婚の劉和の息子は父がぼろ儲けして羽振りがよかったので、立派な着物を着て馬に乗り召使を連れてやって来た。だが紅珠の許婚の李成は真面目な農民ではあったが、話しも下手で着ているものもよくなかった。
張田の後妻は紅珠の母親として、自分の子の婿の李成があんなでは娘が嫁に行っても食べていけるのかと思っい、宝英の婿はあんなに金持ちだから宝英は楽に暮らせると考え、悪いことを思いついた。
やがて劉和の息子が宝英を嫁に迎えに来た、何組もの楽手がラッパを吹き太鼓やドラを叩いて来た、宝英の継母は自分が生んだ娘紅珠を宝英の代わりに花輿に乗せそのうえ宝英の嫁入り道具と前妻が残していたお金も持たせてやった。
しばらくして、こんどは李成が紅珠を嫁に迎えに来た、一人の楽手もいないただ汚い二人乗りの輿で来た、継母は紅珠の代わりに宝英を乗せ、古い箱と古い箪笥しか持たせなかった。
しかし、宝英と結婚した李成は働き者で朝から晩まで畑で水をまき草をむしり、ほかの人よりよく働き僅かのうちに暮らし向きがよくなった。
紅珠が嫁入りした劉家はぼろ儲けをしてから堕落し、紅珠が結婚した息子も酒、女、賭博に溺れ仕事をしないで家の財産をすっかり使い果たし、妻の紅珠さえ売ってしまった。
その時になって紅珠の母はやっと自分の間違いに気づき後悔した。
聊斉 * 子 1994・4・20