本当に早い
昔、農村に一人の老人が住んでいました。息子は兵士として軍隊にいました。
ある日、息子から手紙が来ました。「お父さん、靴が壊れましたからできるだけ早く靴を一足送って下さい」老人はこんな息子の手紙を見て「アイヤ−、息子が靴がないと言ってきた、これはいけない、早く靴を買って送ってやらなければ」老人は町で新しい靴を買って、しっかり荷づくりして郵便局へやってきました。
郵便局の入り口の電信柱を見て「そうだ、電線で送ればいい、この上の電線で送れば早いだろう」とスルスルッと電信柱によじ登って、靴の小包を電信柱にかけ、「急いでくれ、息子がこの靴を待っているからな」と言うと、電信柱から下りて安心して帰りました。
しばらくして、前から足の指、後ろから踵の出た破れた靴を穿いた乞食が来ました。乞食は電信柱の上にかけてある小包を見て「オヤ、何だろう、見てみよう」とばかり電信柱に登り、開けてみると、なんと真新しい一足の靴、「こりゃあいい、わしが穿こう」と新しい靴を穿いて、破れた靴を包んでまたもとの所にかけ行ってしまいました。
2日たって、老人は小包が送られたかどうか見に出かけました。すると、アレ、まだあの小包は電信柱にかかったままです。老人は電信柱に上がって小包を開けて見てみました、「ホ−、これは早い、新しい靴が電線で送られ、もう古い靴が戻って来た」
撫順市巻下 1194・1・20