亡き夫を悲しむ

 30を過ぎたお内儀さんが二人の子を抱えたまま夫を亡くした。すぐ家に棺桶が運びこまれ、お内儀さんは泣きながら「あんた、死んでしまって、あたしはどうして生きていけばいいの、あんた、わたしを連れて行って、あたしは生きて行かれない」などとくどくど言って、棺桶に寄り添って泣きさけび、誰が慰めても駄目であった。

 ある老人が「お内儀さんがこんなに頭を振って悲しんでいるんなら、ちょうど棺桶の上に刀がおいてあるから、お内儀さんの髪の毛をこの刀で挾んで棺桶につなげてやろう」と言った。身をよじって泣いていたお内儀さんは、これを聞いて、心の中でびっくり、これはいけないと「あんたは本当にあたしを連れて行きたいでしょう」と言い、すぐ改めてまた泣きだし「でも、あんたわたしを連れて行かないで、あんたがわたしを連れて行ったら、子供たちは誰がみるの」と言った。  

       中国民間文学集成遼寧巻撫順市巻下            1993・12・26

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