ひと言多い
昔、何にでもひと言多い男がいました。同じ事、同じ話でも、この男に言わせるときまって人を怒らせました。
ある人が家を建てるので、みんなが手伝いに行って、かいがいしく立ち働き、家ができました。人々はお祝いに行き、この男も出かけました。誰もがみんな新しい家をいいと褒めましたが、この男は何と言ったか、あなた聞いてくださいな。こう言ったんです。「この家は広くて明るくて本当にいい、だけど、一度天災が来れば、それでおしまいだ」あなた、これで人が怒らないと思いますか。
ある家でお嫁さんを貰いました。みんながワイワイやって来て、くちぐちに夫婦を褒め、「やあ、この家の新郎新婦は実にお似合いだ、新郎はできているし、新婦は美しくて、幸せいつぱいだな」と言うと、この男はそのあとに続けて「でもなんとも言えないね、若旦那が急死すれば、ほうりだされて若後家だ、そうすりゃあ災難だな」と言いました。
ある家で赤ん坊が生まれました、訪ねて来た人はみんな大きくて太った赤ちゃんだと褒め、可愛いがられました。それなのにこの男はなんと「この子は本当に大きいね、死んだら、犬でも一度には食べきれまい」と言ったんです。 ある日、近所の家で子供が死んで、この男は死んだ子を葬り埋めるように頼まれました、この男はその家に行くとすぐ、大きな声で騒がしく「死んだ子はどこだね、一人かね、二人かね、二人だといいんだがな、天秤棒で担いでいけるから」と言いました。
長い月日が過ぎるうちに、人々はみんなこの男を嫌うようになりました。ある人のいい主婦がこの男の家を訪ね、男の女房に「あんたの旦那さんは、李さんの家の子が死んだ時に、死んだのは一人か二人か、二人だといいな、天秤棒で担いで行げるからと言ったんだよ。いつか暇をみつけて、話しをする時は気をつけないとみんなに嫌がれると、旦那によく言ってやるといいよ」と教えてやりました。するとこの男の女房は「あの人はどうしても、言わないでもいい変なことをすぐ言って、人を怒らせるんですよ、何度注意しても、直さないから、しょうがないんですよ。奥さん、これからあと、もしあなたの家の子が死んでも、うちの人には頼まないで下さいな」と言いましたとさ。
中国民間文学集成遼寧巻撫順市巻下 1993・12・25