豚はなぜ水に溺れないか

 昔、豚の鼻の穴は小さかった、だから豚は水に入るとすぐ溺れてしまう。ある日、豚が河辺で鼻を突き出してゴンチーゴンチーと遊び回っていた。その時、竜宮の三太子は竜宮で遊びあきたので小さな竜になって河辺で日向ぼっこをしていた。

 豚は小さな竜になった三太子に気がつかずなおもゴンチーゴンチー走り回り、三太子の足を噛んでしまった。噛みつかれた三太子は怒って元の姿に戻り、二つの角で豚の鼻を猛然と突いた、すると竜の二つの角が豚の二つの鼻の穴に突きささり、豚の鼻の穴が大きくなり血が流れ出した、豚は痛くて大急ぎで逃げた。

 三太子はそれでも気が済まず「お前が駄目になるように水に溺れさせてやる」としっぽを一振りして空を曇らして大雨を降らし、忽ち河を大水にして豚を溺れさせ“これで豚はきっと溺死するだろう”と竜宮へ帰ってしまった。 ところが豚は鼻の穴が竜の角で大きくなっていたから水を吹き出す事が出来て溺れなかったとさ。    

        四老人故事集                       01・1・29校正

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