食いしん坊

 昔、ある村にとても食いしん坊な人がいた。ある日、村人がその食いしん坊に「明日ご馳走するからお出でよ」と誘った、食いしん坊は大喜び、“明日は旨い物を食べるのだから、今日は何も食べないことにしょう、そうすれば明日は腹一杯食べられる”と考えた。

 ところが翌日、村人は「ちょっと都合が悪いから一日延ばしてくれ」と言ってきた。食いしん坊は仕方がないのでその日も何も食べないことにした。ところがまた翌日になると、村人が「もう一日延ばしてくれ」と言うので、食いしん坊もまたその日、何も食べないで我慢することにした。

  翌日になると、村人はまたまた「一日延ばしてくれ」と言ってきた。腹の空いた食いしん坊はもう我慢できず、大急ぎで卵を二つ茹でてそれを一気に飲み込んだ。ところがあんまり急いで飲み込んだので卵が喉に詰まって食いしん坊は死んでしまった。

 村人は大騒ぎ、すぐ葬式を出すことになって棺桶を作り、食いしん坊を納め蓋をして釘をトントンと打ち始めた。するとその拍子に喉に詰まっていた卵が喉を通り食いしん坊は息を吹き返し、トントンいう釘の音を聞いて、「そんなに門を叩かなくてもいい、今すぐ食べに行くよ」と言ったとさ。     

          四老人故事集                       2001/1/17訂正

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