とらいあすろん奮闘記(大入島編)

7月21日出発。どこを出発したかは、少し整理しなければならない。少なくともこの日の午前中は、私の実家(香川県・三木町)で田んぼの草抜きをしていた。昼前に高速に乗って重信町に帰り、コンビニ弁当を食べてから妻娘達を実家(三津浜)に送り込み、夕方東予市の勤務先へ折り返す。どうしてもはずせない飲み会をノンアルコールで乗り越え午後7時に再び高速へ。行き先は来週きなはいや祭りが行われる伊方町。ここで合同練習と打ち合わせをした後メンバーのうちへひとまず泊めてもらう。久々の再会で午前4時まで飲み明かす。すでにトライアスロンに初参加するというプレッシャーは無い。

7月22日午前8時伊方町出発。(眠い)10時半宿毛市着。(眠い)車を港に置き去りにして、ゾウ君の形見(もとい、預かり)の自転車とともにフェリーに乗り込む。(熟睡)午後2時佐伯市着。受付と開会式を済ませ、港近くの健康ランドに直行。約4時間居座ってから、さらに近所の公園のベンチで朝を待つ。今回の野宿は涼しくて快適に思えたが、虫除けスプレーは効き目が悪く、深夜早朝にいたるまでけたたましいセミの鳴き声のおかげで長い夜だった。すでにトライアスロンに初参加するという資格は無いのかもしれない。

7月23日午前8時大入島へ。5時から起きている私には、待ち遠しい時間だった。トライアスロン経験者の同僚二人のおかげで、手続きや競技要領がつかめたので助かった。借り物の自転車と借り物のヘルメットをバイクラックにセットし、その場で借りたサンオイルとワセリンを塗り、借り物のウェットスーツを着てスタートの時を待つ。

(競技スタート・スイム)「それでは、選手の皆さんは海に飛び込んで下さい。」フローティングスタートのため、海に浮かんだ状態でのスタートとなる。午前10時の号令を、約150名の選手と無数のクラゲが待つ。・・・一瞬、トコロテンの中にいるのかと思った。やる気が失せてきたところを「スタート!!」先頭集団がクラゲ集団を叩きつけてくれたおかげで、後は快適ゾーンに。元来気の弱い私は、揉みくちゃになるのを避けて後からゆっくり追いかける戦法をとった。クロールで泳ぎ続けることが出来ず、途中平泳ぎだったが、わりと平泳ぎより遅いクロールの人もいて、なかなかの順位だった。が、残り100メートルくらいのところで、両足のふくらはぎがつりかけて、以後腕力だけで死にもの狂いでたどり着いた時の恐怖は忘れられない。

(続いて、バイク)体力的な余裕は無いが、思ったより好スタートで気を良くして望んだバイク。桜三里を越えて通勤したあのいやな疲労感がよみがえる。「アレより、きつい・・・」ところがその横をスイスイ競技用バイクに乗った選手が追い越して行く。こんなにも自転車の種類で、差が出るのか・・・。いや、実力差かも知れないが、それにしてもあまりに差がありすぎる。後のランのことも考えずに、やみくもにペダルをこぐ。島を2周するのだが、2周目は「臀部の筋肉離れ」の恐怖にさらされながら、そうっと進まなければならない結果となった。スイムの貯金を、使い果たし、さらにランに残すべき体力を前借りして使いきった感じ。

(最後に、ラン)満身創痍の状態で望んだ最後のラン。当然走りきるつもりなど毛頭無く、「のんびり歩いていこう、良くやったよ、自分としては」などと考えたが、実はそうもいかない事情がある。帰りのフェリーの便の都合で、午後1時42分のマリンバスに乗らなければ帰れない。後片付けを考えれば、1時過ぎにゴールしないと・・・。さんざん借りれるものは借りて望んだレースだが、腕時計は借りてない。沿道の見物人に「すみません、今何時ですか」と聞きながら、ひたすら前に進む。白昼夢を見たり、突然笑いが込み上げてくるような末期症状に苦しみながら今度は膝上部の筋肉に激痛が走り、何度もリタイヤするチャンスに恵まれたが、その度にエイドステーションの氷水と、沿道の島民の声援が邪魔をした。TVで見るマラソン中継のように、頭から水をかぶり、家の庭から引っ張り出したホースで放水を受けながら、氷で膝を冷やしつつやけくそで前へ進む。もうろうとしている脳裏に、妻と娘達の顔が浮かんだ(気もする)。トンネルを抜けるとゴールというところで、1時の時報を聞く。ぎりぎりセーフ!!

(戦い終えて・・・)おかげで現地で用意されたお食事券も使うことができた。といっても30秒でカレーをかきこみ、15秒で缶ビールを一気のみしただけだが。同僚の一人はレース後嘔吐して何も口に出来なかったが、胃腸の丈夫なのが私のチャームポイントだと思う。ともあれ無事フェリーに乗り込み宿毛市から三津浜の妻の里まで約170km・4時間、筋肉組織はガタガタだが神経系統は意外に冴えていて、楽に帰還することができた。野宿と粗食に耐え、この3日間の経費はフェリー代含めて1万円少々。本来かかるレース用の道具を快く貸してくれた鼓太朗メンバーひぐっちはじめ、ご協力・ご声援いただいた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

中島大会も、頑張るぞ!!

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