<2001年北九州紀行>
7月20日(金)〜7月22日(土)
旅のメインは、大分の大入島で行われるトライアスロン大会に参加することであるが、今回は家族サービスも兼ねて、連休を利用し、盛り沢山の内容での小旅行となった。
・子供たちのために・・・・アフリカンサファリでジャングルバスに乗ろう!
・お義母さんのために・・・湯布院温泉と九重連山の景色でリフレッシュ!
・奥さんのために・・・・・小倉の祇園太鼓とTAOのライブを楽しもう!
本当は、そのすべてを自分自身が楽しむために計画したということは言うまでもない。
○アフリカンサファリへ
い〜い天気。期待どおり、ジャングルバスの登場だけで、子供たちは盛り上がる。「ライオンのバスがいい!」という初音の願いもむなしく、ゾウのバスに乗り込むことになった。次々といろんな動物エリアを通過し、ところどころで停車して動物にエサを与えていく。自家用車で行くよりも、バスならエサをくれることを動物たちが知っているので、すぐに集まってくる。ついでにトンビが舞い降りて、横からえさをかっさらっていく。
鼻息がかかる程真近でヒヒ・クマ・ゾウ・キリン・ライオン・トラなどと対面し、初音(3才)は大興奮、珠伎(1才)は大パニック、大人たちも充分楽しめる1時間だった。
もしかしたら一番喜んだのは、お義母さんかも知れない。「弦ちゃん達(他の孫達)連れて、また来よう。」と、張り切っていた。
○湯布院温泉〜九重連山(やまなみハイウェイ)
古い温泉街なのに、不思議に横文字のお店や建物(ヨーロッパ風?)が目立つ町並み。なのにそれがこの山里にぴったりとマッチしていて、落ち着いた雰囲気がある。
住んでいる人たちのセンスがいいのか、気品さえ漂うたたずまいの中、最も伝統のあるホテルの露天風呂に入る。何もかも取りそろえてくれている、これも感じの良い空間。個人的には、九州地ビールの元祖的存在の湯布院ビールを、風呂上がりに飲めたのが最高の思い出か。
さっぱりした後は、やまなみハイウェイを通って、本日の宿泊予定地、久住のTAOの里へ。ここへ向かうまでの風景は、これはまた見事なもので、明美ちゃんもお義母さんも、「きれいねえ〜」「ほんと、きれいね〜」「うわー、きれいねえ〜」「きれいやわ〜」・・・察するに、芭蕉の「松島や ああ松島や 松島や」の心境だろうか。
四国ではあまり見られない、若葉色の草原が一面に広がった山肌に、澄みきった青空と入道雲。目に映る人工物と言えば、舗装した道路と点在するサイロや山小屋のみ。牛がのんびりと草を食み、日常生活を忘れ去りそうな、九州の大自然を満喫した時間だった。
○TAOの里
ここがまたすごい。牧草地の真ん中を突き進むとやがて見えてくるのが3つのログハウス風の建物。大自然のど真ん中にポツポツポツッと、1つが本館、1つが別館、1つがライブハウスだ。夕食を町中で食べてから、まずは8時半からのライブ。小さな小学校の体育館くらいのライブハウスで、観客はそのまま床に座る。最後部にカウンターがあり、ジュースやビールを飲みながら見ることができる。
やがて開演。壁の一面にあるミラーが真ん中から開き、その奥からひとり、ひとりとプレイヤーが登場。あれ、待てよ・・・あの人は、さっきの宿泊棟のフロントの人?こっちの人はレストランでお盆もって働いていた・・・気がつくと後ろのカウンターでバーテンやってた人まで太鼓もって出てきている。ハタラキモノダ。
さて、ライブの内容と言えば・・・明美ちゃんの言葉で言えば、「今まで見た中で一番すごいチーム」というぐらい、すごかった。
圧倒的な躍動感・スピード感。表情も豊かで、動きもしなやか。メンバーすべての力量が抜群で、それぞれが個性のある表現力を発揮しながら、ここぞというところで統制がとれていて、美しい。手に汗握るようなスリルのあるリズムアンサンブルと、鳥肌の立つような演出。若いと言うのもあろうが、メンバー全員がありったけのパワーを爆発させているような、心地のよいステージで、私も初めてというくらい、大声援を繰り返す。笛だけ、とか力技だけ、という役どころは存在せず、身長140cmそこそこの女の子も、大きな太鼓をパワフルにこなすし、無骨そうな男の子も、大太鼓を叩いた後すぐに桶胴を持って飛び出してくる。なぜか大音響の太鼓の響きの中、不思議と生音の笛一管が透き通って聞こえてくる。圧倒的な躍動感・スピード感。表情も豊かで・・・(繰り返し)
80分程度のライブが、あっという間に過ぎていく。妻との間に、「TAOの里再来訪ツアー」の固い約束が取り交わされる。興奮冷めやまぬ中、会館内のドリンクバーへ。何と何と、たった今ステージで演奏していた主力メンバーが、今度はカウンターでカクテルをつくり、テーブルで客の接待をしている。底無しの体力と、観客との交流を大切にしたいと言っていた(単に酒飲むのも好きらしい)奢らぬ姿勢に、再感動する。
○究極の日の出ライブ
今回の旅でもっとも圧巻だったのが、この「日の出ライブ」。プレイヤー達にしてみれば、夜のバーの片付けと、ライブ準備を考えると、2時間程しか寝る時間はない。朝の5時半頃、おごそかな大太鼓の「ドーン・・・ドーン・・・」という音で目覚め、テラスに出てみると、まだ肌寒いくらいの、空が白みかけた時間帯。宿泊棟の裏庭の芝生の上で、広大な草原と、遠くに見える山並みをバックに、日の出ライブが始まる。やがて太鼓の音に誘われるように、朝焼けの東の空からオレンジ色の朝日がのぼってくる。なんという光景だろう。地球上にたったひとつしか存在しないようなシチュエーションに、4尺はあろう大太鼓がそびえ立つ。笛と太鼓の音しか聞こえない空間。約30分程、至福感と恍惚感に満たされた時間だった。
さりげなくコーヒーがサービスされる。記念写真を、というと主力メンバーがみんな集まってくる。帰るときは車が見えなくなるまでメンバーみんな手を振ってお見送りしてくれる。こんな心使いが、丸ごと良かった。最高の思い出となった。「冬のTAOの里ツアープラン」「TAOの四国公演計画案」が、近く発動する。プランナーは、私。
○日田祇園祭へ、寄り道
おかげで早起きした一行は、日田街道を通って日田市に出る。ここでも祇園祭が開催されているので、寄り道して見学。小京都と呼ばれるだけあって落ち着いた町並み。内子と倉敷を足したような雰囲気だが、逆に表通り(大通り)の方は閑散としてうらびれた感じだったのが印象的だった。笛太鼓の音に誘われて街角を曲がると、目の前に現れたのが豪華絢爛な曳山。水口祭のものよりやや細長く、コンパクトな感じだ。ただ、背は高く、飾りつけや色彩はどちらかと言えば古代の中国文化を思い起こす。お囃子は、篠笛とひちりきらしき音が聞こえ、これに大太鼓・小太鼓が大間でリズムを刻む。雅なイメージだが、本家の京都祇園囃子よりはあか抜けしていない、親しみのあるメロディーだった。
車をとめた近くの、ちいさな公園で大人は一休み。子供たちはうれしそうに遊び回る。この子たちにとっては、すべり台やブランコがあれば、充分なのかも知れない。
○一路、小倉へ
後は九州自動車道を北へと進む。小倉の街は5年ぶりか。着いて見覚えのある紺屋町の詰所で、すぐに岡村さんを発見。鼓太朗で預かってきた差し入れの地酒を渡せて、ホッと一息。お城近くの図書館に車を止めて、競演会場へ。
と・に・か・く。暑い!いったん日影に入ると、そこから動くのに躊躇する感じ。じりじりと照りつける日差しと祭りの熱気で、子供たちの髪の毛も、水を浴びたようにビショビショ。とてもじゃないが、長居は出来ず。
それでも一人ビデオを片手に(もう片方の手はもちろん缶ビール)、どっかかっこいいところはないかな、と居並ぶ山車の間をウロウロ。子供たちの演奏が多く、大人の生きのいい打ち手を余り発見出来なかった。それでも市内をじっくり回ればチャンスはあったのだろうが、混雑により駐車場所を見つけるのが困難なことと、幼児が歩き回るには過酷な気温と人手。2時間程度が限界で、車に乗り込み車内で昼寝をさせながらまた高速にのって、今回の旅の最終目的地、佐伯市に向う。
○トライアスロンin大入島(おおにゅうじま)
昨年この大会に初参加した時は、港近くの公園で野宿だった。それが今回はちゃんとクーラーも効くビジネスホテル。充分な睡眠で体調よく臨むことができた。
奮闘記ものとしては、昨年の挑戦と、さほど変わりはない。ひぐっちに借りたウエットスーツは、ややきつかったので安心した(ひぐっちが)くらいのものだが、ワセリンを忘れたために、スイムスタート後500mも行かない内に腕の付け根がやられて、血のにじむ皮膚を海水に浸しながらのさらにこすりながらので進むハメに。タイムは昨年とほぼ変わらずだが、バイクに乗る時にはドベ2という状況になった。
さらに今回自転車は仕事の同僚の重松氏のものを借りた。私より巨漢の人の為サドルを下げたまでは良いが、ギアチェンジの方法が半分しかわからない。(練習不足を暴露。)5km通過時点で、走りながらようやく自転車の操作方法を身につけた。このロスも痛かった。いったん最下位の地位を築いたが、バイクを置く時には、ようやく後ろに何人か残す事が出来た。助かったのは、私のランがスタートしてから、トップの人がランを終えてゴールインしたことだ。これが逆なら、ランのスタートは、つらいものなのである。
さて、今回もっとも準備が順調だったのが、ランである。4月から配置替えとなり、松山市内のジョギングコースを定期的に走り込んだため、昨年苦しめられた「ヒザの痛み」は、ほとんどなかった。と言ってもぼちぼち歩きながらという点では変わらないが、レース終了後の疲労度からしても、昨年より身体が慣れてきたことが分かる。ゴール前20mで初音が手を振って近づいて来て、手をつないで一緒にゴール。これもなかなか感動的で良かった。家族連れで良かったと思える最高のシーンである。順位で言えば、昨年と変わらないが、タイムは自己記録を更新したはずだ。
○帰り道
後は大入島からフェリーで脱出し、佐伯市内に駐車している車に乗り込んで佐賀関まで走り、予約済の九四フェリーで一気に帰るはずが、時刻表にあるはずの定期便が来ない。何やらスタッフ側の思惑や手違いが色々あったらしい。しかし次のフェリーを待っていたのでは予約便に間に合わない。どうしてくれるんだと大会本部に詰め寄ると、親切なスタッフの一人が、知人の漁船をチャーターして、そこまで連れて行ってくれた。感謝。
「勝手に遅れるのが悪い」「勝手に早く帰るのが悪い」と、態度の横柄な役員等に、「もう二度と大入島なんか来るか!」と思っていたところに、最後に一人だけ親切に走り回ってくれたことで、すごく救われた気分になった。
結果として、一便遅れてしまったが、もしこの厚意がなかったらもっと遅れていたかもしれない。再感謝しながら、四国に上陸。メロディラインの海岸線も、伊予灘に落ちる夕日も、すべて美しく見えた。旅の最後を締めくくる、すばらしい風景だった。四国も、いいもんですね。
中身の濃い旅だっただけに、はやひと夏が済んだような気分だが、夏はまだまだこれからが本番です。これからも、楽しい思い出を。おしまい。