六尺褌の締め方です。  


六尺褌はまず、全幅布で締めてみましょう。
        

若い褌愛好者(六尺)の方々にはファッション性を重視するあまり、
六尺褌を半幅や2/3の布幅で締める場合もありますが、褌の基本は下着です。
下着としての機能性を持たす意味で、まず始めに全幅布できちんと締めることをお勧めします。
私には全幅で締めた姿が最も六尺褌が美しく見えます。

褌の各部名称
前から見て、男性の大切な部分を覆う布を前褌(みつ)または前袋といい、
横の紐を横褌(みつ)または横廻し、前に垂らした布を前垂れ、または下がりといいます。
後ろから見てT字形の縦の部分を縦褌(たてみつ)または縦廻しと呼びます。

  

褌の各部の一般的な呼び方です。

                  

最も一般的な六尺褌の締め方です。鏡の前で実践してみて下さい。
この六尺褌は前袋の部分を二重にして締める方法を解説しています。
この褌は水泳、お祭りなどで使われる六尺褌で、下着としては別の締め方(前垂れ方式)もあります。

六尺褌の長さは、鯨尺の六尺。 これは締める人の体格、
褌の種類によつても異なります。

大体2メートル前後が適当と思われますが、その人の体に合った計り方に、

両手を大きく広げた長さ(ひとひろといいます)と、
その半分が締める人の体に合った寸法として、
この採寸方法が昔から用いられてきました。つまり「ひとひろ半)ということです。
六尺(約1.8m)に裁断した布をもちいます。適当な長さを(ほぼ1/2の部分が股間にくるように)当てがい、前垂の部分を肩にかけて、そのまま股間に通します。大切なモノはしっかり整えて下さい。(上向きとか、下向きとか・・)
股間に通した布をそのまま、後ろから腰に巻きつけ体を一周させます。この横に巻いた布を横褌(みつ)といいます。
腰を巻いた布を、股間に通した布(縦褌(みつ))に鋏みこんでゆきます。
このときしっかりと引っ張って締め込んで下さい。
このときに、肩にかけた布を前に垂らしておきます。

横褌にあたる布を縦褌に挟んでから、横褌に何回も挟み込みます。
前袋を二重にする六尺褌は、前垂れ布を長めにとります。
ここで、前袋にあたる部分の形を整えます。全幅の布よりも若干
狭めにするときれいに見えるでしょう。これはお好み次第です。
前袋の部分が二重(ふたえ)になりますが、前垂れの長い布をそのまま股間に通して後ろに回します。
股間を通すときに、縦褌にねじり込むと、しっかりと締まり緩みませんし、締まり具合がよくなります。
股間に通した布を横褌に挟み、褌にねじり込みながら締めてゆきます。
この時、縦褌と横褌の交差した部分がコブのような結びめになります。
この結び目をなくしたのが「博多締め」といわれるもので、別項にその締め方を解説してありますから、参考にして下さい。

後ろから見た締め上がった六尺褌です。
この六尺褌は、お祭りなどに用いる褌で、
人に見られますから前袋の形などしっかり整えておくといいでしよう。
締める位置は臍下、大体写真の位置が適当で、あまり上だと、
前袋の形が間延びしたように見えてしまいます。
前から見た締めあがった六尺褌です。
布は半幅、2/3幅で締める方法もありますが、

まず全幅で締めることを お勧めします。
全幅の布で締めて、しっかりと形を整えるのが、六尺褌が

もつとも粋に見えると、私は思うのです。


前垂れの六尺褌の締め方

これまで紹介した六尺褌は前袋を二重にする、いわゆる水泳などの用途に用いる六尺褌です。
下着としての機能的六尺褌は前袋を二重にせず、前布を垂らす方法が一般的で昔から締められてきました。

古くから一般の六尺褌として用いられてきました。
布の長さは先ほどの前袋を二重にする六尺褌と同じでも構いませんが、
少し短めの布を使ってもよいでしょう。





 
ここまでは、先に説明した六尺褌の締め方と大差がありません。
後ろの縦褌(みつ)から横みつへと布を腰に巻いてゆきます。
横褌を縦褌に交差するとき、右手の親指を縦褌に鋏込み、横褌を親指で案内するように
鋏込むと楽に通ります。通した横褌はしっかりと締め上げてください。
   前垂れにあたる布は、お好みの長さに調整しますが、おおよそ膝のやや上が
適当かと思われます。
腰から巻いた布はしっかりと前布の上を巻いて後ろに持ってゆくきます。
  腰から巻いた布はお尻の縦みつに挟みこみます。
六尺褌では、この部分をしっかり締め上げるようにします。
挟んだ布は横みつに挟みこんでゆきますが、この余った布が多いとあまり
きれいに仕上がりませんから、後ろ腰のあたりで終わるようにして、
前に持ってこないようにあらかじめ布の長さを調整してください。
後ろの部分は、挟みこむほかに結ぶ方法もあります。
しっかりと結ぶことにより、緩みは生じませんが、洋服には向かないようです。
昔の文献などを見ると、後ろを結んでいたものをよく見かけます。
それは、着物生活だったからだと思われます。この結ぶ方法は、職人などが主に
用いていたようです。



前に垂れた布の長さはお好みです。
私は大体ひざ上にくる程度の長さで締めることが多いようです。



六尺褌の「博多締め」の締め方

これまで紹介した六尺褌の締め方は、まず前から股間に通す方法でしたが、この博多締めでは布の先端を後ろから通すもので、結び目が比較的小さいことと、布の長ささえ決めておけばいつでも同じ形で締められる特徴があります。一度試してみてください。

この博多締めに関しては、九州在住のAkiさんのアドバイスを受けました。

この六尺褌はまず、後ろから締めてゆきます。布の先端を腰に当てます。
そこを基準に締める位置を決めます。
後ろの縦褌の位置を決めて、横褌を締めます。博多締めは後から多少緩む
のでこの段階からしっかりと締めましょう。
縦褌は横褌の下から出した方が結び目がきれいに見えます。
縦褌を前に廻す前に、褌の端の布を横褌に挟みこんで固定しておきます。
縦褌を股間に通して前褌に通します。ここは越中褌のスタイルですね。
前に通した布は再び股間に通して、前袋の部分を二重にします。
この時に前袋の形をしっかり整えておいてください。
股を通した布はそのまま後ろに持ってゆき、そのまま上に引き上げます。
ここからが少しややこしいですが、右往左往しながら締めてみてください。
真っ直ぐに引き上げた布を横褌の上から、結び目の右側(本人からみて)
で横褌の下に入れます。そしてしっかり縦褌を締めます。
これから以後、縦褌の調整はできません。
今度は褌の端を左に強く引きます。その時縦褌の下を通さず、縦褌の上を
通します。続いて、結び目の左脇で横褌の下に入れて後は横褌にねじ込む
ように鋏みます。
これで出来あがりです。
見ておわかりのように結び目がコンパクトになつています。



 前垂れ布を折りたたむ方法

昔の下着としての六尺褌は前垂れ布を四角や三角、山形に折っていました。
この締め方は江戸っ子のお気に入りらしく、江戸前の締め方などと呼ばれていました。
昔は町人、籠かき、職人がこの締め方をしていました。

      
写真左から、三角形に折るにはまず前布の先端をつまみ、片手で互い違いの布片の中央をつまみます。
そのまま前ミツに挟み込めば三角形になります。
この場合前垂れ布が長いと三角形がふたつできる「山形」になります。きれいな三角形を作るには前垂れ布の長さを調節して下さい。
写真左から3番目から、形を四角に整える。まず前垂れ布の先端と同じ布片の中央部をつまみ、そのまま前ミツに挟み込みます。
この時前ミツへは下から挟み込んで下さい。四角の前布の形を整えます。
この場合も、前垂れ布の長さによって前垂部分の巾が代わってきます。おおよそ、写真の巾が適当です。

前垂れ布を「山形」に折る。

     
左から、普段の六尺褌と同じくらいの前垂れ布をとる。

中の写真、先端とその反対の布の中ほどをつまんで折って、
横みつに挟みこむと、前垂れ布が山形になります。
最後に形をしっかり整えてできあがりです。


後ろを結ぶ

 近所のおばあさんから、六尺褌の後ろの部分を横褌(みつ)に鋏み込まずに、そのまま縦褌の部分に結ぶ方法を教えていただきました。おばあさんのお父さんは明治時代の初期生まれの大工さんだったそうで、昔の職人は、写真のようにほとんどの人が切りっぱなしの晒木綿を、結んで締めていたそうです。写真でもわかるように硬結びではなく「蝶結び」で結ぶそうで、この締め方は、動きのある職人の褌が緩まないことと、蝶結びの一方の結び布を引っ張れば、すぐに外せる・・などの利便性があるからと言われています。そう言えば浮世絵の春画で見られる褌や、江戸後期の飛脚の写真に見られる褌では、この結び目のある六尺褌が見られます。また、刺青を見せるためのモデルの六尺褌も、結び目のある締め方が多いようで、おばあさんに言わせればこの締め方が「粋」だったんだよ・・とのことでした。なを前の部分は三角に折るのが定番だったようで、後ろの結び目もゆったりと布をとって結ぶのがいいそうです。晒は両端を縫わずに「切りっぱなし」が粋ということも付け加えていました。


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