
土佐城主山内家に伝わる下帯(褌)
土佐藩主、山内一豊といえば、内助の功により関ヶ原の戦いにおいて戦功を上げ土佐の一国一城の主になった話はあまりにも有名で、以後山内家は一豊から十六代豊範(弘化3〜明治19年)までの間、土佐藩歴代藩主を勤めた。高知市には藩主山内家に伝わる数多くの資料を保存展示する「土佐山内家宝物資料館」があり、貴重な資料からは歴代藩士の生活ぶりが伺い知れる。4月から5月にかけて開催された特別展「武家の装束」(4月1日〜5月23日)は、山内家伝来の藩主装束の数々が展示され、そのなかで10代藩主豊策が持ちいた下帯(褌)が特別展示され注目された。
下帯
したおび
Loincloth owned by yamauchi Toyokazu
資料調査で発見の下帯で、土佐藩十代藩主山内豊策(とよかず・1773〜1825)の下帯。麻製で長さ161cm(五尺三寸)、幅32cm(一尺)、付け紙に「御下帯 弐筋」とあり、赤と白の二筋が発見された。資料の性格上残りにくい下帯が、しかも赤と白のセットで残っていることは、この二筋の下帯は儀礼用のものであった可能性が高い。古来、男子が一定の年齢(9歳〜15歳)になると、「褌祝い」として褌を贈る習慣があったという。(展示解説文から)
御下帯 二筋 長五尺三寸

歴史の展示物で、褌が公開展示されることは異例中の異例で、殿様の褌とあって大きな反響があり、話題にもなり、地元のテレビニュースでも取り上げられたほどだった。
豊策公は安永2年に生まれ文政8年に58才で逝去するまで土佐藩の藩主を勤めた。今回展示された褌は儀礼の装束の下着として用いられた褌で、布地は麻を使用し、長さ1メートル60センチ、幅30センチのいわゆる並幅の布を用いている。興味深いのは、六尺褌や越中褌でなく「割褌」を用いていることだ。割褌は六尺褌、越中褌が普及してゆくなかで、武家社会では多くが用いられていたという。展示物には、褌の種類、用い方、その歴史的経緯などの説明が添付してあり、褌に対しての資料的価値と褌の文化をしっかり伝承開示していたのは、高く評価できた。
なを、後日判明したのだが、この割褌の前垂れの部分の先端には、紐が縫い込んであり、前の布は下げるのではなく、紐で首から吊る、いわゆる「吊り褌」であることが分かった。
割褌
割褌は約2メートル未満の布をほぼ半分程度に二つに裂き、裂いた部分を横褌、腰まわりの紐に用い、全幅部分を股間に通して、余った布を下がりとして締めるもので、締め心地は六尺褌の感触、されど強い締め心地はなく、越中褌のごとき着用感がある褌で、残念ながら現代の日常生活には、ほとんど見ることが出来ない褌となっている。
わり‐ふんどし【割褌・割犢鼻褌】-広辞苑より−
四尺(約一・五メートル)ほどの布を、縦に二つに途中までさいて、
そのさいた部分を腰にまとうようにした下帯。割下帯。
わり‐したおび【割下帯】 「わりふんどし」に同じ。

割褌の用い方。
本ホームページでは「六越褌」という名で紹介しています。
この褌は越中褌が普及する以前から使われていたようで、むしろ割褌から越中褌が誕生したと思われます。(写真提供・褌屋)
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土佐山内家宝物資料館のご案内

高知市鷹匠町2丁目4番26号
県庁より南へ300b、鏡川沿い
TEL:088-873-0406
i入館/午前9時〜午後5時/入館料200円/休館日/12月26日〜1月T日
徳川家康公の「褌」
山内一豊の主君でもあった徳川家康の「褌」が、水戸「徳川資料館」に保存されています。普段は展示されることはありませんが、かってテレビ番組で、家康の褌として紹介されたこともあり、その実物から家康の褌を再現して紹介してみました。
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図は、保存されている家康の二枚の褌で、左の生地は絹製で綸子の模様が入っています。越中褌のようですが、紐はかなり幅広いもので、袋縫いした部分に通して結びます。興味深いのは長さが1m28cm、布幅が49cmとジャンボサイズ。特に幅広い布を用いて下半身をすっぽり覆うような着用方法です。よく時代劇映画や歌舞伎で、裾から覗く褌(下がり)が幅広い絹状なものであるところなど、武士の一部はこの「越中褌」のような褌を用いていたのかも知れません。また、この越中褌状のものは、布を多く使うため、一般の一尺程度(約30a)の幅の布に、紐を直接結び付け、長さも三尺程度(約1b前後)に短くした現在の越中褌になり、庶民の褌となったのでは・・と推察します。
右の図の家康の褌は、いわゆる「六尺褌」ですが、これもかなり大きく作られています。現存するものは、長さ7m20cm、幅34cmの麻布を用いています。色は紺で、藍染めと思われます。締めかたは前垂れの六尺褌と同じですが、残った布を、全幅に腹に巻いたものと思われます。これも時代劇や、祭の「締め込み」相撲「まわし」といったものに残っています。いずれにして家康公ご愛用の褌は、現存する最古の褌として、昔の褌事情、しいては現在の褌のルーツを知るうえで貴重な資料でありましょう。 資料・日本テレビ「TVムック・フンドシ大研究」より。
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