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97年1月1日 元日祭のお話

   ええかん(好い加減)が
     諸事万事につけてよし

教 会 長



   ○いじめる人は心が病んでいる    ○ええかんがよし
   ○『いい加減』に生きる       ○神様は好い加減にしてくださる
   ○人間の直感や本能         ○……過ぎないように
   ○正月三が日に一年を願う      ○物事は具体的にお願いする
   ○今年一年もおかげを蒙ろう


 新年明けましておめでとうございます。おだやかな元日を迎えることができまして、ありがたいことに存じております。

  ○いじめる人は心が病んでいる

 先程、津田教監の年頭放送を聞いていただきました。このお話は先生の娘さんがいじめられている子どもと共に生きる話ですが、先生の息子さんも学校でいじめられたことがありました。そのとき、先生は神様にお願いしてから、その相手とケンカしてきなさいと言われたそうです。
 ある方も会社で自分がいじめられていると言われます。いじめる人は、どこかに寂しさを持ち、自分を持てあましている心の弱い人だと思います。ある意味では、かわいそうな人です。生きる拠り所を持ち、一生懸命に仕事をしていれば、人のことをかまう余裕はないはずです。弱い人をいじめることによって、生きる拠り所を得るわけです。こんなことを言うと、バカにされるのではないかと思って、自分の考えを言えない人もいます。他人のことをお願いしていくなかから、人間関係のおかげを蒙っていただきたいと思います。

  ○ええかんがよし

 今年のテーマは、「ええかん(好い加減)が諸事万事につけてよし」としました。「あかるね」一月号に次のように書いています。


 こんにちの社会は、一つの行き詰まり状態を迎えているようです。明治以来、西欧に学んで作られてきた社会。医療、教育、経済、政治、行政など、システムだけが残り、人間の生きる根本の思想を見失っているようです。
 明治の近代化路線が押し進められるなか、金光教祖は、人間の生きる大切なものは、この「大地と水」であると言われました。そして、何事も「過ぎる」ことは問題であると指摘されています。
「理屈があっても、みなまで言うな。理屈とくさびは八分詰め。詰め過ぎると紙袋は裂ける。あいよかけよで世は治まるのである」と。
 さらに、四代金光様は、
  度の過ぎしこころづかひは正にむだ
  こころの浪費あはれなるかも
と、お歌を詠まれています。「八分」にしても、「度が過ぎる」ことも、あとではわかります。
 今年は、神様にお願いしながら、「好い加減」を教えていただいて、「神と人、人と人、人と物とがあいよかけよで立ち行く道」を実践してまいりたいと願っています。


 「お願いしながら」ということが大切なことで、好い加減とは言葉の通り、基準はありません。とくに、お風呂の温度など、自分にとっては快適でも、人にとっては熱過ぎたり、ぬるかったりします。そのように、好い加減は人によって違います。

  ○『いい加減』に生きる
 
 作家の五木寛之氏は、「こころ・と・からだ」という本を出されています。その中に、「『いい加減』に生きることの大事さ」という章があります。その中から少し紹介してみたいと思います。
 いい加減を辞書で引くと、まず、「よい程度。よいかげん」とあります。そして二番目に、「無責任なさま」となっている。
 それが、いつの間にか、「無責任なさま」のほうが広く使われるようになってしまっているといわれます。


 そして、九州に行ったときに、よい漢方医がいると紹介されたので、電話をしたところ、「一週間ほど滞在していただきたい」と、言われたのです。それはとても無理だと答えると、「せめて三時間、それくらいは問診しないと、クスリの処方はできません」と言われました。それも、ちょっと難しいと言うと、自宅に○×式の三百十四項目も質問のある三十ページの紙が送られてきたそうです。
 それで、クスリはあきらめたそうですが、人間は一人ひとり違うのだという東洋の深い考え方の基本に感動されたそうです。

  ○神様は好い加減にしてくださる
 
 私も年末から風邪を引きましたが、今は元気な声が出るまでに回復しました。昨年の大祭の時にも風邪を引きました。そのときの方が体はしんどかったのですが、年末はそれほどでもありませんでした。同じ風邪といっても、そのときによって症状は違うのです。
 同じクスリを飲んでも、早く直るときと、直らないときがあります。クスリも人によって効いたり効かなかったりします。そのときの体調や症状が違うわけで、それに左右されているわけです。また、クスリの副作用・リスクはあります。それを恐れ過ぎるのもどうかと思います。
 金光教祖は、「祈れ薬れ、にすればおかげも早いが、薬れ祈れ、にするからおかげにならない」と、教えられています。お願いしてからクスリをいただくことが大切なことです。私どもはお願いすることによって、神様に好い加減にして治していただくのです。

  ○人間の直感や本能
 
 そして五木さんは、「百万人の人間がいれば、百万の真実があり、百万の〈いい加減〉がある。自分にとっての〈いい加減〉を発見していくきっかけとなるのは、教科書でもなければ、数字でも検査の結果でもなく、その人自身の直感です。『私のいい加減はこれなんだ』という、体験からくる本能的な感覚なのではないでしょうか」 「先端科学や数字だけに頼っているのは、じつは非常にたよりない味方に命を預けているようなものではないのか。だからこそ、直感や本能といったものが大切だと思うのです」
と言われています。
 非常に示唆に富んだ文章です。自分の好い加減を発見してまいりましょう。

  ○……過ぎないように
 
 それで、「過ぎる」ということは、わかりにくいことです。ご飯を食べ過ぎれば、胃腸を痛めるし、お酒を飲み過ぎれば、体を壊します。心を遣い過ぎたり、気を遣い過ぎると心にキズをおい、なかなか元気になれません。
 金光教祖は、明治十三年の正月に参拝した鳥越四郎吉氏に、次のように話しておられます。
「一に大食、二に腐敗物、三に大酒、この三つを慎まなければ無病長寿は保てない。大食は身に斧を打つようなもの、くさった物を食べるのは身にまさかりを打ちこむようなもの、大酒は身にかんなをかけるようなものである」
 今は飽食の時代で、食べ過ぎて病気になります。自分の体調は自分で整えていかなければなりません。天地金乃神様から、賜った生命です。大切にして世のお役に立つ生き方を進めてまいりましょう。

  ○正月三が日に一年を願う
 
 次に、お正月に関してお話申し上げます。
 皆さんの中には、もう、どこかの神社にお参りされた人もおられることでしょう。日本人のほとんどの人がお正月には、神社に参り、心を新たにお願いをします。
 その願い方についてですが、近藤藤守先生の教えの中に、
「正月はめでたいものじゃ。世の言葉に正五九ということがあろうが。この三期を縮めると、正月三が日となる。
 正月一日に神に伺えば、正、二、三、四、この四か月のことは教える。二日が五、六、七、八、三日は九、十、十一、十二と教える。
 のう近藤さん、そこで正月三が日をもって一年中のことを伺うておきさえすれば、みな、神が教えてやる。その徳を受けられよ」と、あります。
 教祖様は、四か月単位で願えと言われているのです。
 当時、金光教はいかがわしい宗教だといわれ、あちこちで先生方が逮捕されています。近藤先生は明治十五年に、拘留されています。その年の旧正月に、先生は本部に参拝され、
「近藤さん、悪いことをしていなければ、牢に入っても恥にはならない」
と教祖様から教えられています。その後、拘留されたわけですが、このみ教えを思い出されたそうです。本当に、教祖様はお正月にお願いされて、お知らせを受けておられるのです。そのような時代状況もあったことでしょうが、私ども自身も改めてこの正月三日間、皆さんのことを心に込めてお願いさせてもらいたいと思っています。

  ○物事は具体的にお願いする
 
 考えてみますと、何となしに健康のことや受験のことなどを願っているようです。日々生きるということは、ああしたいとかこうしたいとかいろいろな欲望があるわけです。そのことをお願いしていくことがいるように思うのです。
 ある方は夏になると体調をくずされるそうです。今から、夏を乗り切りる体力をいただくようにお願いをしていく、そして気づかされたことを実行していくことが大切です。
 夏の疲れが秋に出て胃腸をこわし、秋の疲れが冬に出て風邪を引き、冬の疲れが春に出て、春の疲れが夏に出て夏ばてになるそうです。体力のない人は体の中に疲れをため込んでいるのです。体質もありますので一概には言えませんが、自分のよい加減を見つけていくことを今年の目標とさせていただきましょう。
 また、一人ひとりの人間は考えも違います。その違いを認めあいながら、合意をしていく。時間はかかりますが、大切にしたい点です。
 今年も、神と人、人と人、人と物とが共に立ち行く世界を実現する御神願成就のお役に立たせていただきたいと願っています。

 
  ○今年一年もおかげを蒙ろう
 
 今年度から、新たに相談役を設けました。新しい役員の方も含めて、教会のいろんな運営、布教のあり方を共に求めさせていただきたいと思っています。


 信行期間が四日から三十一日まで設けられています。朝六時、十時、昼四時にご祈念をさせていただき、放送講話を聞かせていただきます。今年一年を乗り切る心の貯金をさせていただきましょう。


 今年も九日から二十日まで、学院生の平野和子さんが教会実習でこられます。教会行事にも参加していただきますので、よろしくお願いします。


 皆様方と共に信心のおかげを蒙らせていただきまして、今年一年の健康と願い成就のおかげを蒙られますよう、お祈り申し上げます。

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