Memo 酒とサカナの日々


05/10/09

 プチ宴会。

献立
先付 モロッコいんげんと菊の擂り胡麻玉味噌酢和え
刺身 本鮪生中トロ
揚物 活け鱧と茗荷(塩とレモンで)
焼物 松茸のホイル焼き(塩とスダチで)
鍋  鱧と松茸(梅ダレとぽん酢で)
強肴 いくら醤油漬け
デザート フレッシュマンゴーのムース


淡麗グリーンラベル(発泡酒)
谷桜 純米吟醸
田酒 特別純米山廃仕込み

 久々に鱧と松茸が食べたくなったところ、友人が押しかけて来るというのでちょっと気合いを入れてみました。秋も半ばとなり、梅雨入りから始まった鱧の時期もそろそろ終わりに近づいています。梅雨入り後からお盆に掛けては買おうと思っても品が回ってこなかった鱧も今時分は容易に手に入るようになりました。活けでキロ2000円。もとより脂のない魚ではありますが、この時期になると身にどっしりと旨味がのり非常に美味くなっています。目方も大きくなり大体1本当たり1キロ強。落としよりも付け焼きや鍋に向くサイズです。

 今回は面子が二人だけということもあり、鍋だけでは一キロ強のツワモノを食べきれないと踏んで骨切りした上身をさっと天ぷらにしました。刺身のツマの余りになった茗荷を一緒に添えて。知らない人も多いですが茗荷は揚げると美味しいです。揚げたての鱧に塩とレモンをふってサクリと噛むと骨切りした鱧がホロホロと脆く崩れます。新品のサラダ油を使ったので油臭さもなくコクのある白身の味が広がります。ビールに合いますね。メインの鱧と松茸に脂気を足したくて刺身は中トロにしました。贅沢かと思いましたが全面にサシの入った綺麗なサクが見つかったんで迷った末に購入。平造りにすると口の中ですじも残さずに溶けました。g800円レベルではちょっと無い良いトロです。酒はツーリング先で懇意となった山梨の酒屋でお勧めの地酒谷桜を冷やで。山田錦を58%まで磨いたすっきりくっきりメリハリのきいた味がマグロの脂を洗い流して際立ちます。

 松茸は何故か魚屋に売っていた素性のよく分からない代物。おそらく韓国産。6本入って1000円でしたが、ちょっと割れていたり虫が食ったような跡が低価格の理由でしょう。ティッシュで汚れを拭ったあと石突きを削って掃除をするとまずまずの良品だったので納得。「松茸」なる代物を100円の茶碗蒸しでしか食べたことのないと言う友人のため、鍋用に用意した中から小分けにして松茸のホイル焼きをさらに追加。酒をふりかけて蒸し焼きにしました。蒸し上がった松茸と削ったスダチの皮の香りが渾然一体となり頭がぼーっとしてきます。熱が加わってコリコリしこしことした松茸の歯ごたえと相まって最高に酒に合います。谷桜から酒を代えて田酒に。山廃仕込みと言うことですが酸味の効いたコクよりも穏やかな香りと舌の全面に行き渡る腰の強さが印象深いです。それでいて重たくないのでついつい杯を傾ける手が進みます。酒を注ぐのは勿論塗りの片口。

 酒もいくらか回ってきたところでいよいよ本命の鍋に突入。鍋の中には事前に鱧の頭と中骨を焼いたものと利尻昆布で出汁を取っています。焦げ目を付けた鱧の香ばしさが蓋を開けた中から漂います。何はさておき鱧を投入。活けの鱧が出汁の中でぎゅうっと丸くなり真っ白に開きます。皮まで火が通ったかと思うところで引き上げ梅ダレを添えてぺろりと一口。じゅわっとした出汁と白身の旨味と梅ダレが混ざり合い、ほとんど噛まずに舌と上あごで押し潰しているうちに喉の奥へ消えていきます。たまりません。松茸も忘れず投入します。香りと水気が飛ばないように丸のままだった松茸を石突きから手で裂いて鍋に放り込み、軽く火が通ったらぽん酢にスダチの皮を摺り下ろしたものにくぐらせて口の中に。噛むとしゃくっとした歯ごたえと松茸のエキスが鱧の出汁と混ざり合います。ホイル焼きとはまた別の趣。鱧を捌く時にとっておいた肝と胃、浮き袋も身とは別の食感と味で楽しいです。肝はねっとり、胃はコリコリ、浮き袋はコラーゲンのねっとりで臭みもなくそれぞれに美味い。また鍋も中程になると出しが非常に濃くなり、この出しでさっと煮た水菜を自家製のぽん酢で食べると箸が止まりません。気が付いてみたら1キロあった鱧を二人でほとんど食べ尽くしてしまいました。

 いい加減食べ過ぎたと言うことで小休止し、片口に残った酒のあてにいくらの醤油漬けを豆皿にほんの一さじすくいます。生筋子を塩水の中でばらして生醤油に15分ほど漬けました。皮が薄いので舌と上あごで押すとすぐに潰れます。この時期にたくさん作って冷凍しておくと正月まで十分に楽しめます。いくらご飯用に作っておいたんですが、もうご飯が入らずやむなく強肴として出しました。

 最後にデザートへ。デザートは友人からの持ち込みです。フレッシュマンゴーのムースということで純和食だった今日の路線からちょっと違うため、お茶もあえて緑茶にせず中国茶のジャスミンティーに変更。最後だけですが和洋中とひとそろいになって、ま、よろしかったんじゃないでしょうか。マンゴーのムースも悪くどくなく淡い甘さが締めの一品としてふさわしいものでした。

 買い出しから仕込みまで半日かかりっきりでしたが、それなりに満足できました。試しに使ってみた自家製ぽん酢も暖かい出汁が加わると単体で味わうものとは別物になることも判りましたし、これから寒くなっていよいよ美味そうなネタが増えてきますので楽しみです。機会を待ってまたやりたいと思います。


05/10/02 更新日05/10/09

 キノコ狩りに行ってきました

      

 前々から非常に楽しみにしていたキノコ狩り。今回長野の友人に声を掛けて貰ってうきうきと参加表明。見事収穫を得ることが出来ました!

今回収穫したのはまずハナイグチ、その他はアミタケ、ヌメリスギタケモドキ、ニセアブラシメジ、 クリタケなんかが取れました。参加メンバーは友人がいつも通っている居酒屋のマスター、友人の職場の方2名を合わせた計5名。ヤブこぎをしながら分け入っていく中ぴかりと光るキノコを見ると本当に楽しいものです。以前このメンバーでタケノコ取りにも行ったんですが、時期が合えば確実に採れるタケノコと違い、キノコは坊主も覚悟しなくてはならないバクチ性の高いお遊びです。正直坊主も覚悟で出かけたんですが、こんなに取れるとは思いませんでした。いやーこりゃ病みつきになりそう。誘って貰って感謝感謝です。キノコは茹でて大根おろしと合わせたり味噌汁にしたりしました。実は運搬途中で大失敗をやらかし収穫量の8割5分を無駄にしてしまったんですが、それでも十分に楽しむことが出来ました。

 ちなみに写真のうち一枚だけ毛色の違うものが混じっておりますが、これが本邦一の毒キノコドクツルタケでございます。一本で大人一人が死ねます。TAZOも初めて見つけたので嬉しくて写真を撮っちゃいましたがちょいとピンぼけでした。皆様もキノコ狩りの折にはくれぐれもご用心の程を。


05/09/30 (……くらいだったナ)更新日05/10/09

 ポン酢作ってます。(ぽん酢だけなので写真無し)

 Dancyuの連載「食の記憶」にあった一文が切っ掛けでした。閉店する金沢の小料理屋を惜しみつつ当時の味を振り返る中、筆者が最も思い出に残っていたのはなんと料理ではなく手作りのぽん酢。これを味わった後、『ぽん酢が醤油の中に柑橘酢を絞り入れ、出汁で割ったものなどと思われては困る』(……確かこんな調子だったナ)と称しています。
 これがどうも気になってしまい、それまで「ミツカン味ぽん」一辺倒だったところに俄然選択肢を模索し始めました。ヤマサ昆布ぽん酢、ミツカンゆずポン、キッコーマン高級ぽんず柚子、高知土佐ぽん酢、カボス醤油、中でも川中醤油のすだちぽん酢醤油は非常に良く出来てまして今ではこれがうちのメインです。価格にして味ぽんの3倍弱になりますが、清涼飲料水でもあるまいしぐびぐび飲むものでもないので目くじらを立てるほどではありません。食材を一級品で揃えるのはなかなか難しいものの、調味料は出来る限り奢る方向で攻めております(何が?)。値段が3倍違う材料使うんだから3倍美味しくなるいんだと言う訳にはいきませんが、同じ食材使っても調味料を変えるだけで味が段違いになりますのでここでケチるのは勿体ないと思います。

 さて、とりあえずぽん酢熱は市販品で収まっていたんですが、最近またぶり返してきました。
 TAZOの多趣味の一つに釣りがあるんですけれども、少し前に沖漬け目当てでイカ釣りに行ってきたんです。残念ながら釣果はあまり上がらず、用意していった沖漬けのタレは半分方余ってしまいました。勿体ないんでこれを料理に使ったところ、簡単便利でしかもウマイ。考えてみれば醤油とみりんに砂糖、酒を足して煮切ったものですから要は本がえしと一緒な訳です。今まで調理ごとに酒、醤油を煮切っていたんですが、一月寝かせたものと比べるとこれが全然違う。熟成というものが旨さに直結しているという好例ですね。

 これで火がついてしまいまして本返しのうまい作り方はないものかといろいろ探してみると、本返しと一緒になってぽん酢の作り方もそこかしこに見つかるじゃありませんか。合わせる柑橘酢の種類、醤油、みりんとの配合、煮切るのか煮切らないのか、柑橘酢と別にお酢(醸造酢)は入れるのか、鰹節、昆布はどの位入れるのか、火は通すのか、いつ漉すのか、熟成期間はどのくらい取るのか、調べるほどに皆バラバラで大変興味を引かれます。以前ぽん酢を手作りしなかったのはレシピを探すまで頭が回らなかったからでして、ここで一気にたががはずれてしまいました。

 で、ここまででいい加減前振りが長かったのでここでTAZOのぽん酢レシピ公開。
 材料は、

醤油1L チョーコー醤油超特選むらさき
ぽん酢1L 青取最上生橙酢(その他柑橘酢、醸造酢含む)
みりん360cc 三河本みりん
鰹節150g 枕崎本枯雄節
昆布30cm 利尻真昆布

 作業自体は単純なモンです。まず上記の材料をすべて納められるだけの容器を用意。後でふたが出来るものを用意(ラップ可)。ボールでも良いですが私は煮物用の鍋をそのまま利用しました。これに醤油、ぽん酢を合わせ、甘くならない程度にみりんを加えます。みりんの量は好みです。更に昆布を長いまま加えます。昆布の表面は付近などで軽くぬぐってゴミを取り除いておいて下さい。

 さて。何はさておき鰹節。これを削るのが一番大変です。ジップロックで密封してたもののしばらくほっぱらかしだったんでコチコチになってました。このままだと削っても粉になるだけなので蒸し器で鰹節を15分ほど蒸しました。一度蒸してしまうと保存できなくなってしまう(固くなり過ぎてしまう)ので、全量を使い切るときだけ可能な対応です。さあこれで準備万端、いそいそと鰹節を掻き始めたところ……おぉ? 確かに粉にはならないものの微妙にへろへろな鰹節削りが。固くなった鰹節ばかり削ってたせいでカンナの歯が丸くなってます。こらあきません。

 こーなってはもうしょうがないんでいったん作業を中断してカンナの歯から研ぎ直す事に。もう泥縄も良いとこですorz。1時間ほどのインターバルを経て作業再開。……よしよし、鰹箱の中をのぞいてみると鰹パックでおなじみの透明な鰹節ウェハーがちゃくちゃくとたまっています。鰹節は削るとすぐに風味が落ちるという事で、ある程度削った段階で先程醤油その他を混ぜた鍋の中に投入します。投入、投入、また投入。……正直言いまして棒のままの鰹節を全量鰹節削りにするのはえらい手間です。通常売られている鰹削り(鰹節削りに非ず)の1人前パック、これが大体多くて5g。150gだと単純に30人前。押して、引いて、1アクションで出来上がる鰹節削りは当然ながらあの薄い透き通った一枚きりです。いやはや、塵も積もればとはいえたかが150gの鰹節を削り終えるまでに1時間を要してしまいました。こうなる事は当初から分かっておりましたが、本格的にかび付けをした本枯節を削った鰹節削りなんか市場にもおいそれと置いてありません。商売屋でなく趣味の代物ですから妥協せずこだわった結果ですから……まあいいとしましょう(実は府中市場に鰹節専門の問屋があるのでそこでパックを買うといつでも削り立てorz)。とりあえず仕込みはこれで完了です。

 ここまで読んで「あれ、醤油やミリン煮切ってないじゃん」と思ったアナタは結構な料理通です。醤油やミリンは煮切って初めて味が乗ってきますので本当は火を入れた方が良いんです。ただ今回は常温での長期保存を想定していますので醤油やミリンに含まれたアルコールを飛ばしたくないという意図から敢えて火入れをしないまま調合しています。

 で、冷蔵庫の中で一週間ほど放置。先に常温云々書いていますが、仕込んだ時期は折しも残暑厳しい最中でしたので流石に心配になり冷蔵庫に入れました。冷蔵庫の中がぽん酢in鍋で占領されてしまいますが、TAZOは幸か不幸か一週間出張でございます。時期を見計らって作ったとも言いますが(笑)。一週間後、中の昆布を取りだし、鰹節を漉してひとまず完成。味を見てみましたが、まだちょっと荒いですね。ここから2〜3ヶ月ほど熟成を掛けて本当の完成になります。寒くなって鍋の頻度が上がる頃です。水炊きが楽しみになってきました。
 ぽん酢の味についてはそれまでお待ち頂くと言うところで今回のネタを締めさせて頂きます。さて、どうなることやら。


05/09/25

 花もて語れ

 勝沼の初秋

 連休中に勝沼に行って来ました。バイクで行ったのでワインも飲めず友人に葡萄を送って終わり(しかも同行の友人が事故orz)……まあ何というかとんでもない道行になってしまいました。忘れないようにメモ。みんなも気を付けて下さい。無事が一番ですorz。

 これだけだと何なんでこの道行で見つけた一番のヒット。 

 サン・スーシィ

 勝沼町営ぶどうの丘企画で、ぶどう畑を一区画買い、そこのぶどうでオリジナルワインを作るというシステムで作られた中の1瓶。かなりの洒落ものがいたと思われます。元ネタが判らないヤツはこれを買って読め。
 ぶどうの丘のカーヴ(ワインの貯蔵庫)にはこれ以外にもたくさんのオリジナルワインが展示されています(非売品)。 ここではタートヴァン(専用の試飲容器)を買うとほぼすべてのワインが無制限で試飲できます(1100円)。酒を飲まない友人をドライバーに連れて。是非。

 あと最近のご飯。

     

 左から、@回鍋肉、かぼちゃと小豆のいとこ煮、若布と茗荷のポン酢和え、くりご飯、A上海蟹(無論活け)、血鯛(活け締め)、B上海蟹(成仏)、血鯛の刺身、千秀(芋焼酎)

 市場に行ってクリが1kg300円だったので思わず衝動買いして作りました。くりご飯に作った残りは甘露煮。上海蟹と血鯛は同じく市場にて別の週に購入。カニ5ハイに血鯛0.6kgで〆1200円也。どちらも秋の食材です。いいねぇ。秋の訪れは胃袋から。


05/09/09

 サイトも包丁も研ぎ直し。

 

 長いこと放置していたサイト更新とともに包丁の研ぎ直しをしました。右から、@ペティナイフ、A大学時代から使用中の家庭用牛刀(打ち出し廉価品)、B24cm牛刀(杉本)、C活け締め用の100円ショップ雑魚包丁、D大学時代に購入した出刃(宮文)、E親戚の魚屋から貰ったお古柳刃、F大学時代の友人宅から拾って研ぎに出して復活を果たした柳刃、G Fでは刃渡りが足りずに買い足した柳刃(正本)、H二年越しでようやく買ったハモ切りまで都合9本。中くらいの牛刀と大ぶりの出刃が欲しいところですけど、ま、こういうのはきりがありませんからね。砥石は#100番の粗砥、#1000番の中仕上砥、#1200番のセラミック中仕上砥、#6000番の仕上げ砥の4つ。#3000番くらいの仕上砥が無いと鏡面に持ってくのが大変。こっちは買おうかなぁ。

 放置中のごはんネタ

    

 左から、@ハモの落とし梅ダレ添え、Aアゲマキ貝の海鮮焼き あしらい冷やしトマト、B肉まん、Cネマガリタケ瓶詰め、D鱧寿司

 まあ当然ですが鱧寿司が一番大変でした。割きから始めて骨切り、頭と中骨を焼いて醤油、酒、みりん、たまりを煮詰め、掛けダレを作り、骨切りしたハモの上身に串を打って白焼き、焦げ目が付いたらタレを3度掛け回して火から下ろし荒熱を取り、別に作っておいた酢飯を巻いて飯をなじませるまで約4時間(ハモ2本。鱧寿司4本分)。……まあたまに作る位で勘弁して貰いましょう。
 逆に肉まんは思ったよりもさっくり出来ました。種の発酵から蒸し上がるまできっかり1時間。原価1000円弱で8個分出来ました。安いし美味いし簡単だしちょっとびっくり。
 アゲマキ貝はあまり見かけない貝ですが、安くて身がたっぷりしたすこぶる美味い貝です。茹でて酢みそ和えも旨いですが、醤油と酒を半割にしたタレを掛け回して焼く海鮮焼きが香ばしくて最高。
 ネマガリタケは6月頃に友人の知り合いに山へ連れて行って貰いクーラー一杯に取ってきた戦利品。写真は茹でた保存用の瓶詰めですが、取り立てを皮ごと焼いてマヨネーズ味噌を付けたものはトウモロコシの香りにも通じた甘い味でクセもなくホントに美味いです。

 今日は冷蔵庫の残飯整理を兼ねたお好み焼き。薄力粉が途中で切れて強力粉を使ったらありえない歯ごたえに(後で山芋をすり入れて相殺)


05/04/15

 ついカッとなってやってしまった。今は反省してい下略。

 今日の酒 : 加茂五葉 なま(いただきもの) 冷や
 つまみ :  レタスの豆板醤炒め、鮠の南蛮漬け、塩鮭焼き、根菜と油揚げの白煮


05/03/30

 九州出張で昨日寿司屋に寄ってきました。特上のネタ使ってる割には安くて有名というひょうたん寿司です。ホントは博多の名居酒屋さきとに行ってきたかったんですが、花粉症のせいか最高に頭が痛く舌が荒れっぱなしだったんでこりゃあ酒は駄目だとあきらめて食いに転向した次第。

 前日入りなんで午後五時に着いた福岡空港から地下鉄で直接天神に向かいました。九州出張のおり、TAZOは何度かここひょうたん寿司に立ち寄っています。博多駅近辺でちょろっと寄った寿司屋が意外なほど旨かった経験からこりゃ九州の寿司は期待できるんじゃないかと、ちょっと気合いを入れて探して見つけたのがこの店。もっともっとランクの高い店はありますが、コストパフォーマンスで言えばTAZOが行った中じゃいまんところここが最高。他は盛岡フェザンの回転寿司清次郎、札幌回転寿司なごやか亭とかがコストパフォーマンスでは同レベル。単価設定の関係からネタはひょうたん寿司の方が全然上ですけどね。

 ここでおっくうなのが空席待ち。平日は5時開店ですが7時前なんかに行くと1時間待ちはざらです。電話予約が出来ますけど、予約だと確かテーブル席固定ですしご存じの通りTAZOは単独行。それでなくともカウンターに座りたい口なのでどうしても待つ事になります。今回は早めでしたが、ま、それでも20分待ちました。

 普段はつまみを3品ほど頼みつつ酒を飲んでいそいそと寿司に進む酒重視のスタイルですが、今回は酒は最小限にして寿司重視で行きます。カウンターのど真ん中に居座ると、目の前のショーケースにはずらりと並んだネタの数々。白身では真鯛、石鯛、平目、平目縁側、カワハギ、トラフグ、青物ではカンパチ、サヨリ、関サバ、アジ、鮪は赤身、中トロ、大トロ(すべて生)、貝類はアワビ、一口アワビ(活け)、白ミル、赤貝、鳥貝、サザエ、タイラギの貝柱、魚介類はヤリイカ、真ダコ(茹で・活け)、車エビ(茹で・活け)、ボタン海老、雲丹、他は穴子、玉子、サーモン、鯨のさえずり、佐賀牛、白菜、茄子のお新香、と覚えてる限りではこんなとこですか。

 カウンターにずらり並んだ職人さんがお客毎に殆どマンツーマンで対応してくれます。これがすごい贅沢で良い気分。人目が気になる人も声を掛けなければ職人さんは他の仕事てんこ盛りなんで無理して相手をする必要はありません。とりあえず舌に優しそうな(どーだか分かりませんが)芋焼酎のお湯割りを頼んで白身の刺し盛りを頼みます。本当はすぐに寿司に行こうと思ったんですがショーケースを見てどうにも我慢ならなくなりました。突き出しはアジの南蛮漬け。お湯割りでぽかぽかと口の中を湿しながらショーケースをうっとりと眺めているとでっかい皿にちょこんと盛られた刺身を渡されます。真鯛、石鯛、平目、カワハギ、平目縁側の5点乗って1380円。でかすぎる位の皿に乗っているんで以前はちょっと刺身が少ないんじゃないの?とか勘ぐったりしましたがさにあらず。調子こいてガンガン頼むと後でひどい目に遭います。どうもメニューの多くが複数人を想定しているらしく、価格はそれなりですが一品頼むと量は2〜3人前出てくるという寸法。単独行のTAZOにはちょっと切ないメニューの数々。いずれ3人位で来てはっちゃけてみたいものです。

 刺身は玄界灘にあがったいずれ劣らぬ逸品の数々。特に春先になって味の乗ってきた真鯛は最高です。ショーケースに並べられた切り身の大きさを見るにおそらく目周り3キロ前後の鯛だと思いますが、ふつうの寿司屋じゃとても使い切れる品物でないので目にする事もあまり無いだろうネタ。これを食べるためだけにここに来る甲斐があるってモンです。平目ももちろん天然ですが、縁側はちょっと冗談じみたでかさ。これも元はかなりの大きさだと思われますが、脂がのりすぎていてレモンで脂を殺してやらないとちょっときついほど。ふわふわでこりこりという不思議な食感ですが味が濃い事といったら。体調が万全だったらここで日本酒なんだけどナー。薄くきっ付けたのに箸に持つと身がしなるほど弾力のある石鯛も小脂がのって良い味です。真鯛、石鯛、平目は平造り、カワハギはアサツキを芯に巻き付けたふぐ仕立てでした。アワビの黄金焼き、さえずりの刺身を涙ながらに振り切りつつ、お茶を頼んで気合いを入れます。さて本番。

 まずはミル貝から行きます。本ミルではなく白ミルですが浅い香りがかえって爽やか。スタートとしては良い一品。お次は本命の真鯛を早速行く事にします。脂ののった腹身を薄く広く切っ付けてくれました。ちなみにTAZOは寿司を頼む場合出来る限り1カンづつ頼むことにしています。じゃないといろいろ試せませんしね。更にヤリイカ。これは横に切れ目を入れた身を縦に細切りにして並べて握っています。寿司を持った段階ではまとまって口の中に入れるとバラッとほぐれる工夫です。赤身は身にうっすらと脂がまわって殆ど中トロのようです。春めいてきたという事ではしりの品ですがサヨリを頼みます。この時期にしてはかなり大きいサヨリの身を職人さんが何かごそごそやってます。細長いサヨリの身を、端を残して真ん中から2つに割り、両の端からくるくると巻き付けて早春の蕨を表現した蕨造りをされた握りが出てきました。知識としては知っていましたが目にするのは初めてです。もちろん味にはあまり関係はありませんが、流石に感激。押し頂いて口に入れます。さくさくとした歯ごたえの赤貝を頼み、換えのお茶とアラ汁を追加しました。

 一息ついて久々に雲丹を頼みます。生半なところの雲丹はとろけ掛かっていてTAZOは殆ど頼みませんが、目の前のショーケースに置かれた木の船に乗った雲丹はそう悪くなさそうです。定番の軍艦巻きはまあ合格と言っていい味でした。船にはロシア産の印刷が。寿司ネタもグローバルになってきました。続いて活けの真ダコ。吸盤とまわりの皮を剥ぎ取り、中の芯の真っ白い筋肉部分だけを薄くきっ付けます。きっ付けをパシンとまな板に叩き付けるときゅうっと身が縮こまります。身が活かっている証拠です。レモンと塩で食べるとちょーっと良い味。しこしこと何ともココロが浮き立つ歯ごたえです。こういう脂気が無くあっさりとしたネタを食べるとシャリの旨味がよく分かります。おそらく昆布を炊いたんじゃないかと思いますが、あまり甘くなくあっさりとしています。シャリの大きさは親指程度。ちょっと小さめで具合が良いです。こういうシャリに合わせるようにネタも総じてそれなりの大きさ。ネタにシャリが押しつぶされたような出来損ないは出てきません。他の寿司屋で偶に見かけますが、あれはサービスのつもりでしょうか。刺身じゃなくて寿司を食いに来てるんですからそこら辺は考えてもらいたいもんです。

 更にサザエとカワハギを頼みます。サザエは磯の香りに加えてカリンコリンとかなりの歯ごたえ。海鼠に似て歯の悪い人にはちょっと辛いほど。カワハギは薄く開いた身を軍艦巻きの海苔の代わりに、上には肝と紅葉おろしを添えて登場。少しだけ醤油を付け、そのまま口に放り込んだら痺れました。同じような食感でふぐもありますけどそれよりずっと旨いと思います。職人さんに先程の赤貝のヒモはあるか聞いてみるとあるとの事なので細巻きにしてもらいました。手巻きよりも巻き簀で巻いてもらう方がやっぱり良い気分です。赤貝のヒモにキュウリの細切りを入れ、仕上げにすりゴマを一振り。先の赤貝の身より歯ごたえも磯の香りも演出もずっと上の味。細巻きを半分食べたところで穴子を頼みます。ここの穴子は大振りの穴子を煮上げたものをバーナーでちょっと焙った上に煮爪を塗ったふわふわの逸品。口の中でとろけます。更に関サバ追加。酢で締めていない生のまま。身が締まってこりこりとした歯ごたえと流石の脂。ガリを食べ、お茶を飲んで口の中を一すすぎした後、細巻きの残りを食べて中トロに行きます。先程頼んだ赤身にサシ(脂)を少し足した品。もちろん味は文句なしですが、これだったら先の赤身でもあまり変わらないと思いました。と言うかむしろ先に出た赤身にサシが入りすぎと言っていいのか。もそっと赤身はさっぱりと赤身らしい血の味重視なのが好みです。そろそろ腹もくちくなったので今回特に良かった真鯛と真ダコの活けをもう一度頼みます。真鯛は先程腹身をもらったので今度は背の方を頼みました。思った通り脂は少なめですが濃い旨味が口の中でじわっと染みてきます。締めはすっきりと真ダコ。最後のしこっとした歯ごたえを惜しみつつ席を立ちます。

 酒、つまみ、寿司合わせて6000円。安い。普段は酒の分もっと取られますが(爆)。まあ酒有り無しを考えても安いと思いますけどね。ちゅう、ちゅう、たこかいなと数えて15カン+細巻き。……TAZO的にはちょっと少ないな。勢い込んで頼んだつもりでしたがやっぱり本調子じゃなかったようです。次は20カンを目標にするとしましょう。飲みよりも食べにはしった夜でありました。

 ふと帰りがけに気が付くとなんと頭痛と舌の痛みが治まっておりました。旨いもの食って頭痛が治まるなんて現金もいいとこです。我ながらちょっと呆れ気味。


05/03/28

 お仕事が一段落しまして食い物にようやく余裕が出てきました。まあ出張中とか外食ではそれなりにやってるんですが、自分で作るのはやっぱり準備というものが掛かりますからね。今日は所用があって会社休んだんですが、用事の方は早く済みましたんで晩酌の友はちょっと豪華に。

 今日のネタは手羽先と里芋の薄煮、背黒鰯の酢締め、オクラと長芋の叩き梅和え。
 里芋はずいぶん前に買って放っていたのがここんところの陽気で芽を出してきたんで処分のつもりでとりあえず剥きました。里芋は根っこではなく塊茎、茎という扱いなので日に当たると青くなります(ジャガイモと一緒)ので、六方向きで厚く向き、水から下ゆでに。吹きこぼれないように注意して竹串が刺さるようになったらざるに空けてぬるま湯でぬめりを取ります。手羽先は1分少々湯がいた後、ぬるま湯で余分な脂や血を洗い流します。下拵えが済んだら里芋と手羽先がひたひたに収まる程度に出汁を張り、砂糖を入れて手羽と里芋を煮ます。5分程度煮たら少なめに薄口醤油を入れます。さらに5分位煮たら濃口醤油をひと垂らしして火を止めます。後は鍋ごと放置。

 今旬の背黒鰯は安くて旨いモンの一つです。生姜煮が一番楽でお勧めですが、煮物が重なるので酢締めにします。手で頭と内臓と鱗を落とし、ざっと洗った後手開きにし、海水よりちょっと濃いめの塩水に10分程度つけます。水を空けてキッチンペーパーで水気を取ります。水が残ると後で生臭くなるので丁寧に。開いた鰯を生酢に3分程度漬けたらさっと上げてふき取ったら出来上がり。尾びれを切り取って平皿に並べ、冷蔵庫にしまいます。

 冷蔵庫に梅ダレが残っていたので、和え物にします。塩ズリにしたオクラを塩を付けたままざっと茹でて冷水に取り、色を立てます。長芋は1センチ程度のさいの目に切ります。水を切ったオクラも大きさを揃えて切り、ボールに一緒に入れ、梅ダレを入れてざっと和えます。

 ざっとテーブルに並べたら今日も一献。今日はちょっと冷えたので酒はぬる燗に。うまー。しみる。明日も良い日になりますように。

 今日の酒 : 喜久泉 吟醸生 ぬる燗
 つまみ : 手羽先と里芋の薄煮、背黒鰯の酢締め、オクラと長芋の叩き梅和え


05/03/24

 怒濤の年度末進行にようやくひと区切り。……疲れました。まあ目下一番の懸念でありましたお客先での説明会が滞りなく済んで、TAZOの年度末も事無く過ごせそうです。そんなわけで今日は祝杯!と行きたいところですが、昨日半徹でレジュメ作ってたんで簡単に済ませます。

 今日は豚ロースの西京漬け(自家製)に半身で買ってきた辛塩の銀鮭のしっぽとカマを焼いて、残しておいた新タマネギと若布と茗荷の酢味噌和えを付け合わせてトマト切って終了。ま、15分てとこです。
 今日はゆっくり寝ます。

 今日の酒 : 豊盃 ひやおろし特別純米 冷や
 つまみ :  豚ロース西京漬け、銀鮭のしっぽとカマ焼き、新タマネギと若布と茗荷の酢味噌和え、トマト


05/03/08

 二月某日 出張先

 オシゴト終了後、既に行きつけとなっている盛岡の店Oに向かいます。前に一度だけ満員で入れなかった事がありまして、その後は懲りて一人でも予約を入れることにしています。日も暮れて底冷えのする街の中を一人てくてくと歩いていく頭の中は今日は何を食ってやろうかと気もそぞろ。敵は盛岡の旬を揃えた歴戦錬磨の強者です。昼飯は麺等の軽いもので押さえ空腹感は十二分。

 「こんちは〜」と声を掛けながら戸を開けると「いらっしゃいませ!」と「せ」に力の入った盛岡弁のイントネーションで恰幅の良い大将が声を合わせます。コートを掛け、10人座れば一杯のカウンター(2階3階に座敷席アリ)にもぐり込みました。顔を上げればあまり外で飲む事の無かったTAZOが「行きつけの店」を持つに至ったメニューが壁いっぱい。海鮮料理がメインです。刺身、煮物焼き物揚げ物と何でもありますがどれも一手間加わった正調割烹。「居酒屋ではありません」と「せ」に力の入った大将が一言。とりあえずのお通しと一緒に日替わりと週替わりのメニュー(壁に書いてあるものと一緒)が手書きのA4用紙で渡されます。毎日代わるこのメニューを見るのが一番の楽しみ。今日のお通しは太刀魚の磯辺揚げ。太刀魚の骨は硬い事で有名ですが、身の部分と一緒に素揚げで二度揚げしてぱりぱり食べられるよう添えてありました。揚げ物が重なってしまいますが、まずはこの時期是非とも食べておきたかった鱈きく天(白子天ぷら)を注文して酒はアサヒビール熟撰を頼みます。いつぞやこの店で居合わせた年配の方がアサヒビールの仙台支店長とかで是非飲んでみてくれとおごられて以来ご贔屓の銘柄。実際うまかったのでこの店でなくとも置いてある店に行くと頼んだりします。

 さてここの看板となる刺身。今日は北寄貝、ホタテ貝、真ツブ、殻ガキ、ホヤ、ヤリイカ、ヒラメ、イナダ、本マグロ(赤身・カマトロ)、しめ鯖(自家製)がありました。一番安いので500円。一番高いカマトロで1500円。高いか安いかは人によって受け取り方は違うでしょうが、品を見ればTAZOなら文句なしの値段。2000円から盛り合わせが頼めます。いつもはついつい白身を頼んでしまうTAZOですが、今日は気分を変えてマグロをチョイス。赤身の方です。900円。更にメニューを試すすがめつ眺めていると新松藻(初物!)と書いてあるのを見つけて追っかけでチョイス。TAZOは旬という言葉に弱く初物に目がありません。こないだはこの店で芽ワカメをさっと湯通ししたのを食べましたが、実に初めての食感。細うどん位しかない中央の茎ごと刻んだ酢の物の歯ごたえは普段とは全く異なりカリカリと感動的なまでに軽い食感でした。ワカメが大きく育つ前のほんの一時の食べ物だそうです。さて頼んだ松藻はどんなもんかいなと器を眺めると、今までに見た海藻類の中で一番細い深緑のわさっとしたものが入っていました。見た目は枝分かれしたすごく細いもずくという感じでしょうか。実は初物どころか松藻自体初めての経験。食べた感触はちょっとだけ海藻のぬめりがあるものの、結構しっかりした口触りでカリカリとした歯ごたえ。香りはほのかに海の香りがしますがとりたてて言うほどのものはなし。歯ごたえの食べ物でした。

 鱈きく天が来ました。竹のかごに盛られ彩りに獅子唐が添えられています。天つゆにさっと付けて一口。ざくっとした薄い衣の中からクリーミーな味がフワッと広がります。なんというか他に喩えようのない味です。TAZOが初めて生の白子を見た印象は「なんじゃこのぐじゃぐじゃしたけったいなものは」でしたが、今じゃこの味を思い出して魚屋でつばを飲み込む始末。鍋も良いですが天ぷらが最高。ビールを片手に揚げたてを一心不乱にやっつけていきます。そうこうしているうちに刺身が来ました。高坏に整えられた赤身と……トロの姿が。大将の顔をのぞき込むとにやっとしめた顔。前にもあったんですが、常連客というか素性の知れた客に対しては偶にありがたい悪戯を仕掛けてくるんですね。後で見た刺身の値段はもちろん注文した赤身の値段が付いておりました。刺身は赤身にしてはかなりの薄造り。赤身の血の渋みが醤油を伴って口の中にじわっと残ります。カマトロは舌の上で脂肪が溶け、余韻と共にそのまま無くなってしまいました。まだビールが瓶に3分の1がとこ残っていますがたまらず日本酒を注文。

 お任せを一合頼みます。ここの店はビール、日本酒、ワイン、ウィスキー、焼酎、カクテル、珍しいところでは紹興酒、梅酒等ひと揃い揃っていますが、日本酒の銘柄だけは「酔仙酒造」のものだけ。「酔仙」も本醸造から大吟醸まで揃っているので特に困る事はありませんが、どうしても他の銘柄じゃなきゃ嫌だという向きには残念ながらご希望に添えないとのこと。で、お任せはなんだというと、おそらく純米の生酒と思われます。アルコール度はそれほど気にならないので割水はしてあるはずですが大将が口を開かないので詳しい事は分かりません。とりあえずうまいです。吟醸香が香るほどではありませんが、キレがあり濃いめの味。刺身にも合い甘辛く煮付けた煮物にも合う万能酒。これ一本で通した事もあります。500円。ちょっと口を変えたくなったのできのこおろし和えを追加します。大根おろしに南蛮の小口切りをちらせてぴりりと辛め。ひと揃い出たので他のお客さんの話を聞いたり大将と話をしながらのんびりと酒を進めます。至福の一時。

 お客さんはTAZOのような出張族、会社帰りの同僚一連、開店と同時に入り混み合う前に帰る常連さん、カップル等さまざま。繁華街の端にあるせいか同伴のお客さんも結構居ます。TAZOは単独行の出張族なので連れはおらず大抵は大将と話しつつ一人でゆっくりと酒を進めますが、たまに気があって隣合ったお客さんと一緒に飲んだりする事もあります。二人で旅行にきた年配の夫婦や定年後に車中泊をしながら全国一周を目指す旅人(もらった名刺にそう書いてある)や仙台から若手を連れてきた土木事務所の所長さんやら思い出せばいろいろ出てきます。今日はだれと会えるのかと思いながら飲み屋に行くのはなかなか良いモンです。今回は特に誰と袖すりあわせる事もありませんでしたが、カウンターの奥にいたお客さんがなんと今飲んでる酒を造ってる酔仙酒造の社長だと後で大将から聞かされました。うーん、一言感想を言いたかった……。まあ、こういう巡り合わせもあります。

 鮪を食べ終えてしまったもののまだ刺身を食べたりず、どうしようか迷ったあげくに平目を注文します(TAZOにしてはかなりゼイタク)。更にここでは珍しい鳥のメニューを見つけ、大将に聞いてみるとちょっと実験的に置いてみたとの事。本当の地鶏で肉質はしっかり固く一皿で酒が2杯飲めると聞いて思わず追加します。酒も切れたので、さてどうしたものかと壁をぐるりと見渡すと「どぶろく」の一行。以前にやにやしながら口の広い湯飲みを渡され、「何これ?」と聞いても「良いから試してみて」と言うばかりで、ばかに薄いおかゆだなあと箸を付けたら「違う違う!すするの」と言われたのがこれ。……確かどぶろく特区が出来る前のことだったような。まあこれも話の種と頼んでみると、以前飲んだものとはまた違ったものが出てきました。しかももろみを荒く漉してあります。酒類には厳密な規定がありまして、どぶろくと称されるものはもろみやおり等を漉してはいけない事になってます。従ってこの代物は酒類的には「濁り酒」と言う扱いになるはずです。見た目は米の濃いとぎ汁のようですが、とりあえず口を付けると爽やかな酸味ととろっとした口当たりで味はまさに辛口の日本酒。以前とのあまりの違いに「これは?」と大将に聞くと、引退した杜氏さんが小遣い稼ぎに造っているそうです。……うーん、それは聞いて良かったのか。何はともあれアルコール度は通常の酒より少し低めでかなりいける口でした。磨かれた吟醸酒とは対照的なほっとする一杯。

 薄くそぎ切りにされた地鶏の塩焼きを受け取りつつ、名残の若布酢を頼みます。地鶏は事前に脅されていた通り驚くほど固いものでした。通常の焼き鳥とは似て非なるものですが、これはこれでアリでしょうか。半ばスルメを食べるような気分でじっくりと噛んでいるとじわじわ良い味がしみ出てきます。うまいものですが歯の弱い人にはあまりお勧めできかねる代物です。確かにこれは酒が進みます。昔の鶏はみんなこんなものだったのかなぁと思いつつ杯を傾けます。続いて平目の刺身と若布酢が出てきました。両者ともそろそろ時期をはずれる名残の品ですが、活け締めにされた平目にはうっすらと脂がのり、厚みを増した若布は以前とはまた別の歯ごたえとなっています。平目は薄造りに加え、いつも一緒に乗っている縁側の代わりに塩雲丹を巻いたものが出てきました。何度か平目を頼んだ事のあるTAZOもこれは初めて。巻いた刺身の筒先にほんの少しだけ醤油を付け口に運ぶと、雲丹の塩気と旨味の強い平目が口の中で合わさりえらい事になりました。肴としては最高のものですが、ちょっとゼイタクというか旨すぎる味ですね。TAZO的にはかなり禁じ手。どぶろくの二杯目を追加します。

 この辺になるとカウンターの客は入れ替わってきますが、長っ尻のTAZOは基本的にお腹いっぱいになるまで動かない質です。しかし流石に今日は普段よりたくさん頼んだため、そろそろ締めの品を注文することに。塩雲丹入りおにぎりと初物の新岩海苔入りみそ汁。いつもはみそ汁を注文しませんが、隣のお客さんが頼んでえらい良い匂いをさせていたので便乗しました。定番のおにぎりは海苔を巻かれたかなり大きめのが一つ。締めに位置づけられているようでかなりのサービス品。150円。みそ汁200円でした。みそ汁に入れられた新海苔の鮮烈な海の香りが酒の霧を吹き飛ばすようですが、実際にはもう良い感じの酔い加減。ゆっくりと口に運んだおにぎりの最後の欠片を口に放り込み、みそ汁をすすって勘定を済ませます。今回は7千円とちょっと。TAZOにしては出費ですが、コストパフォーマンスとしては十二分に満足のいく金額です。堪能致しました。

 今日は道すがら今日は煮物を頼まなかったなあと反省。ブリ大根やら本マグロのスペアリブ煮やらカジキマグロのあら揚げ煮やらいろいろあるんですが、量が多くてソレだけで満足してしまうのであえて頼まなかったんです。食べ逃すとこれがまた気になりますね。はち切れそうな腹をさすりながらTAZOは次の出張はいつかいなと指折り数えて待つのでありました。


05/02/27

 この程TAZOの日本酒所有高が今までの最高値に。ラインナップは以下の通り。

9本。買いすぎ。

かりかりウナギに青ネギとポン酢

花の舞 純米しぼりたて生原酒
花の舞 純米吟醸手作り限定酒
桃川 杉玉 吟醸純米生
宗玄 特吟壱 大吟醸
田酒 山廃特別純米
喜久泉 吟醸生
豊盃 ひやおろし 特別純米酒
初孫 雄町 純米吟醸
山法師 純米吟醸

マヨネーズ和えだと明日葉のクセが気にならない

しめ鯖。自家製。

 自分で言うのも何ですがこれはちょっと買いすぎ。そのうち何本かはもう無くなっちゃいますが幾らなんでもなぁ……。ラインナップの通り、今月は東北方面に縁があり山形方面&青森方面の酒屋さんを覗いてみました。山形と青森以外の酒は地元&もらい物です。上の名前だけでどれがどこのお酒か分かる人間は相当な日本酒通です(笑)。

 田酒は知る人ぞ知る銘柄で以前友人がしきりに美味いと言うのでTAZOも折を見て探していたんですが、今回ちょっとつてがあって買うことが出来ました。熱心な酒屋さんに話を伺うと、田酒は人気あるんだけど数がないモノだからあんまり手広くはやれないと言うことでした。田酒も良いが今イチオシなのが豊盃という銘柄で青森でもブレイク中とのこと。しきりに進めるんでものは試しにTAZOも一本買ってみたんですが、後で調べてみたら次期十四代とも言われる有力銘柄だそうです。全然知らんかったわ。

 以前はそれほど日本酒に傾倒しているって程でもなかったんですが、片口を買ってから晩酌の日本酒率が異様に増えてます。今まではコップに注いだり徳利に入れたりしてたのが片口になって手返しが良くなったのが原因なのかもしれんです。何せ注いでて気持ちが良いのでついつい日本酒にしちゃうんだなぁ。今日もまた一献。

 今日の酒 : 花の舞 純米しぼりたて原酒、宗玄 特吟
 つまみ : うざくねぎポン、明日葉とシーチキンのマヨネーズ和え、しめ鯖


05/02/20

 ついカッとなってやってしまった。今は反省している。大変なのでもうやりません。

 今日の酒 : 花の舞 純米吟醸
 つまみ : サワラの刺身、サワラの塩焼き、ほうれん草のごま和え(残り)


05/02/19

 旅先で念願の片口を買ってほくそ笑む。徳利も良いけど冷や酒飲むんだったら片口が気が利いていると思います。一升瓶から杯へ直接注ぐわけにはいかないし、吟醸酒をコップ酒で飲むのは野暮ったい。四合瓶なら何とかなるけど注ぐたびに口から垂れる雫が酒飲みとしては気になって仕方がない。そんなとき片口が大変重宝します。分量も量れるし何より注いでいて気持ちが良い。材質もいろいろあって焼き物が多いですが今回は特に谷崎潤一郎に敬意を表して漆塗り。なんで漆塗りで谷崎が出てきたか分かった貴方はエライです。まあそれはともかく奮発して本漆の良いヤツを買ってしまったんで酒も気張って良いヤツを。もらいもの(笑)の宗玄・特吟を片口に八割方注ぎます。大体一合二勺(しゃく)。晩酌時のTAZOの定量です。飲む時はもちろんこれ以上飲むんですが翌日に残ってしまうのでこれくらいが懐的にもちょうど良いんです。ぐい飲みや猪口は趣味で集めているのが7,8個ほどあるのでその中から桜の絵付けがされたお気に入りをチョイス。土もののちょっと厚手のやつです。

 つまみの方は深夜のスーパーでべらぼうに安かったなめたガレイをこんにゃくと厚揚げと一緒に煮ました。なめたガレイは一度霜降りにしてぬめりと鱗を取ると生臭くなりません。厚揚げは油抜きをし、こんにゃくは手でちぎって一度熱湯でゆでると臭みが取れます。後は醤油、酒、みりんをちょっと多めに煮きって沸騰しているところに薄切りにした皮付きショウガとカレイ投入。落としぶたの代わりにアルミホイルをかぶせて中火で10分。本当はカレイが煮上がった後でカレイだけ取りだしてあしらいを煮るとカレイも型くずれせず、厚揚げとこんにゃくにもカレイの出汁が入るので格好が付きますが今回はメンドイのでカレイに日が入った時点で厚揚げとこんにゃくも投入。10分経った時点で火から下ろして味を落ち着かせます。

 カレイを煮てる間にもう一品。ほうれん草のごま和えを作ります。前回書いてませんがうちはガスコンロが1口しかないんで、カレイを煮てる間にごまダレを作ります。すり鉢にごま大さじ二杯を入れてすります。ごまの油がにじんできたら大さじ1.5杯の醤油と1杯の砂糖を入れてさらにすります。ほうれん草はたっぷりのお湯で根本からゆで、葉っぱまで入れて再度沸騰したらザルに上げて水にさらします。今日のほうれん草は霜があたってちぢれたとかでえらくゴワゴワしてみっとも良くないですが、肉厚で美味そうなのでちょっと買ってみました。水から上げて絞り、3センチ位に切ってまとめてもう一度絞ります。すり鉢の中でほうれん草をほぐし、手でざっと和えます。箸とか使うより手が一番楽です。全体に味がまわったら器にとってできあがり。このころにはカレイの味も落ち着いていますので、カレイも深皿に盛っていっちょあがりです。実はなめたガレイなるものを初めて食べるのでかなりわくわくでした。脂がのってますがくどくなく、皮のゼラチンがとろっとして美味いです。この味だったらもうちょっと甘めに砂糖をたした方が美味かったか。うーん。

 今日の酒 : 宗玄 特吟
 つまみ : なめたガレイの煮付け(こんにゃく、厚揚げつき)、ほうれん草のごま和え


05/02/14

 半年ぶりに更新しようかなと気の迷いを起こしましたがネタがない。さりとて何故か更新もしないままに閲覧数が増えていくプレッシャーにも耐えきれずひねり出したのがこのネタ。ついに大台を超えてしまったTAZOがリハビリがてらに酒とサカナの日々を更新。っていうかそろそろここ見てる人たちはこんなサイト見限ってボクの事を忘れて下さると助かります。日々とか書いてますけど日々じゃないです。不定期更新。

 

 今日の酒 : ハイボール NIKKA 70th Anniversary Malt 100 ANNIVERSATY
 つまみ : 豚肉と菜花の味噌炒め、たらこ

 

 ニッカにはまって久しいTAZO。開高健が居たサントリーは会社としては大好きだし山崎も好きなんだけど何故かニッカ。まあ会社はともかく70周年で記念ボトルが出たんで買ってみる。ストレートでも悪くないけど近頃めっきり弱いんでハイボール。ハイボールうまいです。モルトがふわっと香ります。新規顧客開拓を考えたのかライトタイプで飲みやすい。こないだ空けちゃった竹鶴17年の方がうまいナーと思ったけど値段差で3倍以上違うからこれはしゃーないね。安いしウイスキーを始めたい人にお勧め。シングルモルトとかシングルカスクとか個性第一で買いあさった時期もあったけど、ブレンドのすごさってのをここ最近感じてます。ブレンダーってすごいな。

 で、TAZOのつまみはご飯のおかず兼用。飯のおかずになるのはつまみにしてもうまいし逆もしかりです。うちのガスは業務用の鋳物コンロなんで火力だけは天井が焦げるほどすごいです。9700Kカロリー。全開にする事はあんま無いけどね。腕はともかく手早く炒めるとソレなりのものに仕上がり、炒め物にはかなり恵まれてると自画自賛。中華鍋万歳。煙が出るまで熱した鍋に胡麻油を回して六白豚の細切れ投入、8割方炒まったらざく切りにした菜花の太いところ投入、菜花の色が変わったら残りの葉っぱ投入、ざっと鍋を回したら酒で溶いておいた味噌&砂糖少々を鍋肌で焦げるように入れて更にざっと回し、最後に入れた葉っぱがちょっとへたったら皿に空けて完了。手早さが命。野菜から水が出る前にさっさと食べてしまいます。味噌は味が強いんで味付けはこれで十分。

 こんな感じで続ける予定。前に仲間うちでやって好評だったバラ寿司のレシピは近日公開予定。


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