Memo sake


 酒器彩々

 (左上から)@片口 黒内朱漆塗、A杯 ガラス螺旋、Bぐい呑み信楽白釉、C杯 有田蜷唐草染付、D杯 有田染付、Eぐい呑み 焼き締め、Fぐい呑み 黒釉、G杯 色ガラス高台付、H杯 桜染付、I蕎麦猪口 染付、J茶碗 有田花柄、K徳利 有田花柄

 酒飲みで器を全く気にしない人はあまりいないでしょう。なんと言ったって「中身」が重要なのは言うまでもありませんが、中身が入ってなくったってぐい飲み、杯を手にとってココロ浮き立つのは酒徒として当然の心理です。冷酒をグラスで飲むも良し、ぬる燗をぐい飲みで飲むも良し。濃い地のぐい飲みに白い濁り酒を満たし、焼酎を蕎麦猪口ですすり、茶碗の冷や酒を呷り、薄手の杯の吟醸酒を干すも良し。酒の種類・飲み方によって器を変えるのは気分の問題だけでなく味に大きく関わってきます。口のすぼまったぐい飲みに熱燗を注ぐのは注いだ酒がすぐに冷えないための配慮であり、冷酒に薄手の磁器やグラス盃を使うのは飲みきりの口当たりを良くするためです。熱燗を敢えて口の開いた杯に入れてにわかの燗冷ましにしたり、暑い盛りにきんきんに冷えた冷酒を注いでグラスに霜を振らせることで涼を感じさせたり、土もので山廃辺りの重厚な味をじっくり味合わせたり。今更な話ですが意識してこうした事を行う事は酒をより深く感じる事に繋がります。更にはこうして、ああ、俺って酒にこだわっちゃってるなぁと勘違いした自分を肴に一杯やるというわけですね。

 上の器達は塗りの片口こそ少々高めなものの、価格的には全然大したことないものばかりです。片口の8000円(弱)から150円〜おまけまで、大体1000円前後のものが大半。何もなかった時分にスーパーでとりあえず買ったものだったり買った酒に付いてきたおまけだったり合羽橋で2往復も3往復もしたあげく手に取ったものだったり。基準としては、手にとって楽しく肉はあまり厚めにならず口取りが薄くすっきりしている事。意匠はあまりごてごてしておらずびっくりするような色を用いていない事。欲を言えば印刷でなく手書きである事。以上のことからTAZOは有田焼を気に入っておるようです。土ものは素朴で手触りが良いですが口取りはそれほどでもありません。ただB番は釉薬が良い感じに被さり口元もすっきり決まり仲々に気に入ってます。

 片口、徳利はとにもかくにも滴のキレを最重視してます。格好意匠はさておき、注いだ口から酒が垂れるのは「注ぐ」という目的を持った器としてはどうかと思いますので。正直スーパーで買った徳利の滴切れは褒められたもんじゃありませんが、片口はもうほれぼれするほどで、注ぐという行為自体が肴になり得ます。冷酒・冷や酒(常温)には片口、燗を付けるときに徳利。片口が一合二勺、徳利が二合入れ。今は薄い有田焼の量産品が気になってます。アレの一合徳利の林というやつを一編やってみたいんですが、一人でやったらまあ死にますね。

番外

利き猪口

 

 大学時代に友人から貰ったものです。これを学生時分のTAZOに寄こすに辺り、ものの分かった友人と言うべきでしょうか。ご存じでしょうが日本酒の鑑定、聞き酒を行う際に色、香り、味を一定の条件で行うための猪口です。底に色をチェックするため青い二重丸が染め付けられています。正式な鑑定を行う際は利き猪口を使用することと決まってたような。これもたくさんあると仲間内で真似事が出来て楽しいんですが流石に集めるほどのもんじゃないなーと思ってます。嗜好品ではありますが半実用品。

 番外2

汁椀 菊割銀朱漆塗

 上記の片口を買って漆塗りの魅力に取り付かれてしまい、合羽橋をうろついている内に買ってしまったものです。写真のものはきちんと日本で木を刳り塗りを施したものとしては破格の値段の1300円。×6。……ついカッとなってやってしまいましたorz。合羽橋は田中商店のオリジナルです。根来塗りのように自然に剥げちょろげてくると格好良いんですが、今の新品もほれぼれ。