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「経営改善へ:今週のヒント」
変革に踏み出す第一歩は仮説から
変革とは何らかの方法で今の状態を変えることです。それは新しい
商品の開発であったり、新規事業の立ち上げであったり、既存事業の
運営を新しい仕組みで行うことであったりします。
こうした変革が提案された時や、提案が採用されて実行段階に移る
時には、多くの人々は勉強に取り組みます。勉強とは、関連の技術を
学んだり、関連する分野のこれまでの経過を調べたり、類似の事例や
実績を調べたりすることです。
このような勉強に取り組むことは大切なことです。変革の可否を判断
したり、変革を進めたりするために役に立つ知識や情報が得られるから
です。こうした知識や情報の質と量が変革の成否を左右する訳です。
変革に関するレビューやヒアリングの場で、関係者を充分に納得させる
ような報告ができない時、「勉強不足」と言われます。技術の理解度が
足りない、市場を掴む上で必要な調査が不充分だ、事業収益を上げる
方策が練られていない、等々がその内容です。
このように、変革に取り組むに当って勉強する必要があることは、
誰もが認めるところだと思います。そして誰もが実際に勉強します。
ところが、この勉強に思わぬ落とし穴があるのです。
勉強とは既存の事柄を学ぶことです。未だ存在していないものを勉強
することはできません。未だ存在していないものに関しましては、
自分の思考や行動を通して創造するしかないのです。
そして変革に際しては、未だ存在していないものを追究することが求め
られるのです。則ち、創造が求められるのです。そのような変革に取り
組むに当っての勉強とは、ただ既存の事柄を学ぶだけでよいはずはあり
ません。

よく勉強した者が変革の抵抗勢力になってしまうことがあります。
このような人たちは恐らく、ただ既存の事柄を学ぶだけだったのだろう
と考えられます。既存の事柄で構成された世界の中から見れば、変革は
基盤の安定しない危ういものに映るからです。
変革に取り組むという視点から見ますと、このような人たちは勉強の
方向付けや仕方を過っているのです。既存の事柄を学ぶ前にやるべき
ことをしていないのです。
変革に取り組むに当って先ずやるべきことは「始めに創造ありき」の
思考と行動の基盤の上に勉強を方向付けることです。即ち、先ず仮説を
立ててみることです。全知全能を賭けて仮説づくりをしてみるのです。
変革の成功の仮説をあらゆる側面から創ってみるのです。恐らく完全な
ものはできないでしょう。仮説を創りながら何かが欠けているのを
感じることでしょう。確かめなければならないことが幾つも見えてくる
でしょう。
こうして、調べることや検証すべきことがはっきりしてくるのです。
ここからが勉強の始まりです。既存の事柄を学ぶという面では前述の
勉強と同じですが、前提や基盤が全く違います。勉強という行動が
創造に向かって方向付けられているからです。
このように、仮説こそが創造の始まりなのです。自然科学の法則の
探究においても、仮説を生み出すことに知的エネルギーの大部分が注ぎ
込まれているのです。仮説創りは、未知の事柄を解明したり、未だ存在
していないものを追究したりする際の第一歩なのです。
この考え方は、セブンイレブンの鈴木敏文会長の言葉から学びました。
次のような内容だったと思います。
「新しいことを始めようとする時、多くの人は勉強しようとするが、
必要なことは勉強ではなく、仮説を創ることだ」。
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