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東日本大震災、大津波の被災地の皆様、
復興に向けて奮闘されていることと存じます。全国の人々
が応援しています。必ず復興できます。神戸も全国の皆様
の支えで復興することができました。強い気持を持ち続け
てください。元気でいてください。関西の地から応援して
います。祈っています。
「経営改善へ:今週のヒント」
社員の考える力を引き出す
「考える」とはどういうことなのか、定義しにくいものです。
ですから、経営者が社員に対して、「考えろ」とか「考える習慣を身に
付けろ」とか言っても、「考えるってどうすることですか?」と切り
返されると、答に窮してしまうことでしょう。
そこで、問題を解決することに絞り込んで考えてみました。
問題を解決する際に役に立つものは、経験や知識です。多くの経験を
積んだ人たちの問題解決能力が高いのは、頭の中に多くの引き出しを
持ち、その中に豊富な経験が整理されているからです。
こうした人たちが問題に遭遇しますと、頭の中の引き出しに整理された
経験知の検索が始まります。遭遇した問題の解決に役立ちそうな経験を
見つけるためです。
こうして有効な経験知が引き出されますと、問題は効率良く解決される
訳です。このような問題解決のパターンにおいては、「考える」とは
頭の中に整理された経験知を検索することだと言えます。
過去の経験と共通性のない問題が発生した時に役立つのが知識です。
これまでに勉強したことが問題を解決する鍵になる場合です。こうした
ケースでは、問題の解決に自分の知識をどのように適用し、どのような
策を打ち出すかを考えることになります。これも、「考える」ことの
一つです。
以上のような問題解決パターンでは、一般的に問題は効率的に解決され
ます。経験知や知識が有効に機能するからです。しかし、こうした
パターンに当てはまる問題ばかりではありません。経験知や知識が、
そのまま単純な形では役に立たない問題も多いのです。

経験知や知識が役に立ちそうにない問題に遭遇した時には、やるべき
ことは唯一つです。それは、「苦しみながらも徹底的に考え抜く」と
でも表現すればよいでしょうか。
経験知や勉強した知識がそのままの形では使えませんから、問題の意味
すること、解決した状態のイメージ、集める必要がある情報、解決の
ために必要と思われる能力や知識、といったものに考えを巡らせ、
解決のための行動設計をすることになります。
こうしたことを積み重ねることによって、初めて出会うような問題、
全く新しいタイプの問題、新しいことを始めたために発生する問題、
即ち、過去の経験や知識に当てはめるだけでは解決できない問題への
対応力が高まってきます。
これが、もう一つレベルが上の「考える」ということでしょう。
経験知や知識を使った問題解決は、単に「課題をさばく」といった
ことに陥りやすい傾向にあります。こうした問題解決ばかりを繰り返し
ていますと、新しい問題に遭遇した時に戸惑うばかりで適切な解決策を
生み出すことができなくなってしまいます。
本当の意味での「考える」とは、前述しました、もう一つレベルが上の
「考える」、ということだと解釈するのが妥当でしょう。
以上のようなことを踏まえて、今回のテーマ「社員の考える力を引き
出す」ことを考えてみます。ここで言う「考える力」とは、「本当の
意味での考える力」と受け止めます。
改善や改革に取り組む、或いは新規事業に取り組む、といった際には
必ず過去に経験したことのない新しい問題が多発します。こうした問題
に適切に対応することが、改善・改革や新規事業を成功させるために
不可欠です。これからの時代、ほとんどの企業がこうした状況の下に
置かれることになるでしょう。
こうした状況下で社員に求められるものが、本当の意味での考える力
です。社員の考える力を引き出すとは、社員に本当の意味での考える力
を高める、ということです。
本当の意味での考える力(以下単に考える力と表現)を高めるには、
前述の通り、「苦しみながらも徹底的に考え抜く」ことを積み重ねる
ことが有効です。これを実行するには、経験知の封印が必要です。
若手の社員は経験も知識も少ないため、問題に遭遇した時には「苦しみ
ながらも徹底的に考え抜く」しかありません。これを傍らで見ている
ベテラン社員やマネジャーたちは、「何をまどろっこしいことをして
いるんだ。もっとさっさとやらんかい」と思うことでしょう。
こうしたベテラン社員やマネジャーたちの思いを封印するのです。相談
には乗るが答は言わない、行動を指示しない、といったことを徹底する
のです。
一時的に効率は落ちるでしょう。しかし、ここで効率一辺倒で走って
しまいますと、若手社員の考える力は高まりません。そればかりか、
ベテラン社員やマネジャーたちも、苦しみながらも徹底的に考え抜く
場面に触れることがなくなり、課題をさばくことでよしとする停滞した
雰囲気にどっぷりと浸かってしまうことになりかねません。
このようにして、若手社員の考える力が高まり、考える習慣が定着
します。そして、彼らが経験を積んで中堅社員となりミドルとなれば、
その組織は考える組織、変化対応力の高い組織となるでしょう。
若手社員もベテラン社員もマネジャーたちも、考える力と変化対応力を
持つ、という素晴らしい組織が実現することになるでしょう。
改善・改革や新規事業などから生まれてくる全く新しい問題にも、
こうした組織が適切に対応し、適切な解決策を実行することになるで
しょう。
社員の考える力は、このようにして引き出すものだと思っています。
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