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ふうちゃんは、お散歩が大好きです。毎日2回、3時間くらいママと外を歩くのを日課としています。
これはママにとってはとてもストレスの溜まる仕事でもあります。なぜかというと、ふうちゃんは自分のやりたい放題なのですが、ママがやりたいことはひとつもさせてくれないからです。
例えばふうちゃんは駅が大好きなので、よく駅前に出ます。鳩を追っかけ回したり、バスや電車が行ったり来たりするのを眺めたり、特急電車がたまたま通って狂喜乱舞したり。でも、ママが駅前のイトーヨーカドーに寄ろうとすると、「ぎゃー!」と大声を挙げて阻止します。ママが強行突撃(ふうちゃんを抱っこしてイトーヨーカドーに走り込むこと)すると、「ひー」と目から大粒の涙をぼろぼろ。オイオイ、ちょっとくらいママだって自分のこと、やりたいよ。
でも、結局ママは負けて、何にもさせてもらえないのでした。
ふうちゃんは何度か同じ道を通ると、“お仕事”を作ります。
例えば実家から駅までの道では、道路に書かれた「止まれ」のサインをなぞる、マンホールに乗って身体をよじる(回転盤のつもりか?)、Gさんの家の柊の葉をいじくる、ポストを叩く、遊歩道の脇の花壇の端にのぼって歩く、薬局に寄ってサトちゃん(某製薬会社のマスコットのゾウの人形)に可愛い可愛いをする、写真屋さんの赤色の電光掲示板を叩く、Y銀行に行って自動ドアを踏む、その前の税務署の中に入ってホールを一回りする、イトーヨーカドーのシースルーエレベーターを下から見上げる・・・・その他数え切れないほどの“お仕事”を持っています。
ある日、ふうちゃんはいつものようにお散歩に行き、いつものように税務署の中に入っていきました。
ホールを一回りしようとすると、「びゅーん、びゅーん」の声。4歳くらいの男の子がウルトラマン(ティガか?)の人形を持って、飛ばしたりキックさせたりしていました。
ふうちゃんは満面の笑みを浮かべると、男の子ににじりより始めました。最近ふうちゃんは年齢の近いお友達が大好きなんです。でも、男の子はウルトラマンを止めて、びっくりしたようにふうちゃんを見ると、なんと後ずさりをはじめたのでした。
ママは、男の子に「怪獣(=ふうちゃんのこと)倒しちゃえー!」とエールを送ろうかと思ったくらいだったのですが、あまりの迷場面に声を出しそびれてしまいました。
ふうちゃんは男の子が“恐れている”ことに全く気がつきません。じりじりと近づき、男の子は後ずさりし、なんと壁際まで追いつめられてしまったのです。
ふうちゃんはニコニコしながら男の子の手を取りました。5秒くらい握っていたでしょうか。それから“もうあんたに用はないわ”とばかり、ママの方へ戻ってきて、ママの手をむんずと掴み、税務署の外へ。あとにはあっけに取られた男の子が、謝罪の言葉もないまま残されたのでした。
ああ、ウルトラマンすらふうちゃんには勝てないのだ(ToT) ・・・・・
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