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大失恋を経験した我が家。その日はすごく落ち込みましたし、電話を掛けてきてくれた担任のD先生にも涙声を出してしまったりした程ショックだったのですが、神様は見捨てないものです。
ちょうど大失恋のすぐ後に、公立のR小学校の学校見学がありました。今までの物見遊山の態度とは打って変わって、真剣〜!に臨んだ私。そこで新たな恋が生まれようとは(爆)!
その心障級は、何よりクラス全体がとてもまとまっているのが印象的でした。みんな先生の指示に自主的にキビキビ動いています。きちんとしたコミュニケーションではないにしても(笑)、うるさいくらい言葉が飛び交い、みんなニコニコ笑顔で楽しそうに授業を受けています。
そして、授業や指導方針、講師の先生をも含むティームティーチングがとてもしっかりしているのに驚きました。
3名の担任の先生方は障害児のことを本当にきちんと理解し、特殊教育の専門家として対応されていました。公立小学校の心障級は障害の知識もなく、障害児と接した経験もなく配属されてくる先生もいるとウワサに聞いていたので、正直、とてもプロフェッショナルな指導をしているのにビックリしました。
そして、もちろん個人個人の能力に合わせてですが、「さんすう」「こくご」など「学科」の指導がきちんとなされていることも大変魅力的でした。
実はふうちゃんは、6月の初め頃、数字にいきなり興味を持ち、10日も経たないうちに1から10まで憶え、並んでいるものを数えられるようになったのです。
幼稚園での指導や生活の至るところにさりげなく数字が組み込まれているので、それがある日いきなり実を結んだ・・・という感じなのだと思うのですが、ビックリしたのは、たかだか1から10までの数字を憶えただけで、ふうちゃんの世界が拡がり、ふうちゃんと私のコミュニケーションの質がとても向上したことでした。
今まではスーパーに行っても、ふうちゃんは黙って私についてくるだけでしたが、数字を憶えたことで、値札などの数字を読みまくります。ふうちゃんが読んだ数字を見つけて復唱してあげなければならない(←強制されます)ので、私はとっても疲れるのですが、ふうちゃんは得意そのもの。数字が読めることが嬉しくて積極的に私に話しかけてきます。
一緒に電車に乗っていても、町を歩いていても、看板など至る所に電話番号などの数字があります。気づくとずーっと二人でお喋りしていたな、なんていうことがあるようになりました。といっても中身は「ハチ!」「そうだね、“はち”だね。スゴーイ」「ロク!」「“ろく”だねー」という単純な繰り返しなのですが、「会話のない状態」もしくは「私が一方的に話しかけている状態」に慣れている私たちとしては、画期的な大変革だったのです。
親というのはそうなると欲をかくもので、もっともっとふうちゃんの世界を拡げてやりたい、もっと深いコミュニケーションがしたい・・・と思うんですよね。
・・・こういう心障級で個人のレベルに合わせてきちんと学科の勉強が出来たら、6年後にはふうちゃんはどんな子供になっているだろう、ふうちゃんと私はどんな話をしているんだろう・・・と思わず想像してしまった私でした。
ただ、ハッキリ言って、この心障級は能力的にはふうちゃんのレベルでは厳しいかな〜という感じも受けました。
例えば廊下にみんなの描いた自画像が展示してありましたが、ふうちゃんは「絵」なんてまだまだとても書ける状態ではないのです。また、休憩時間に見ていると、トイレもみんな一人で行って用を済ませて、一人で帰って来ています。完全な「自立」です。それが当然のことになっているので、先生達はトイレの方に行きもしません。ふうちゃんはオムツは外れていて失敗もないけれど、「行きたいときに、自ら、一人でトイレに行って用を済ませて帰ってくる」というのはまだとても無理です。
以前に見学した心障級は(正直全然感動しなかったし、行きたいとも思わなかったのですが)ここならふうちゃんでも大丈夫だなぁ〜、と思ったりしたのですが、このR小学校の心障級は全然レベルが違いました。とっても魅力的だけれど、ふうちゃんが入学してついていけるのかしら・・・。
・・・でも、この学校に入学して6年間過ごしたふうちゃんを見てみたい。
見学を終えて小学校を後にする時には、その思いは確信に変わっていました。
このR小学校には、ふうちゃんの幼稚園の先輩が2名、上がっていました。そこで早速お母さんに電話して、学校のことや生活のことなど、色々教えてもらいました。そのお二人が口を揃えて「この学校に上がって本当に良かった」「(お子さんが)先生や学校が大好きで毎日楽しんで生活している」「(もともとふうちゃんより能力的に高いお子さん達でしたが)この学校に上がってからすごく成長した」というのを聞いて、ますます「この学校に入学させたい!」という思いは強くなりました。
「新たな恋」の誕生です。
・・・・ところが。
R小見学から数日経ったある日。
ふうちゃんの通っている養護学校の校長先生から、「現在在籍している児童についてはエスカレーター式を認めて、無条件で小学部に上がれることとする」旨、前回の話の変更を知らされました。
「小学部に進学できない」ということを知った日には我が家もショックだったのですが、中には“この学校でずっと高等部まで”と思い詰めていたご家族もいて、校長先生に直談判しに行ったらしいのです。そこで学校側は“こんなに真剣に小学部に上がりたいと考えている親御さんもいるのか!”とビックリしたらしく(爆)、“そんなにこの学校が好きなら、今在籍している児童に限ってはエスカレーター式を認めてあげようよ”みたいに方針転換したらしいのです。
・・・ったく、鈍いねぇ(笑)。
で、我が家はどうしようか。考えました。
恋い焦がれていた人から一度振られて落ち込んでいたけれど、やっと新しい恋を見つけたところに、好きだった人から「やっぱり好きだった」と告白されたみたいな状況(笑)です。
新しい恋はまだ“見つけた”だけで始まってもいない。好意的に受け入れてくれるかどうかもわからないし、この先幸せになれるかどうかもわからない。やっぱり好きだった人のところに戻ろうか。とっても包容力があって温かくて優しいから、ずっと穏やかに幸せに過ごせそう。
・・・「成長」にはどうしたって限界がある。ずっと「障害」と向き合って生きていくのなら、幸せでいつも笑っていてくれればそれでいい。それは、我が家がずっと考えてきたことでした。
ふうちゃんが通っていた養護学校は、生徒はもちろんのこと、保護者のことも本当に大事にしてくれて、私自身、温かい気持ちをたくさん貰っていました。先生方は熱意があって優しい先生ばかりで、高等部を卒業するまでずっと幸せに過ごせることは確実でした。
反面、公立小学校の心障級は特別支援教育への過渡期で、まだどうなるかわからない状況です。自分のレベルより高いことをたくさん要求されて、ふうちゃんがプレッシャーから笑顔が少なくなってしまったり、劣等感の固まりになってしまったり、ストレスが溜まって辛くなってしまうことだって考えられます。今はとても良い学級でも、担任の先生の異動でクラスの雰囲気がガラッと変わってしまうこともあり得ます。不安な要素を数えたらキリがないくらいありました。
でも・・・。
新しい恋を知ってしまったら、前に好きだった人が何となく色あせて見えました。
前の恋にはもう戻れない。R小に行かせたい。気持ちは決まりました。
不思議ですよね。
数週間前の大失恋さえなければ、ふうちゃんは迷うことなく小学部に上がっていたはずなんです。
心障級に行く気は全くなく、エスカレーター式で上げてくれるのであれば、(「ことちゃん」もいて大変なので)就学相談も受けずに済まそうかと思っていたくらいでした。
あの大失恋があったために、新しい恋を見つけ、前の人から「やっぱり好きだ」と言われても、もう心は動かなかった。
ま、本当の恋愛でも、この手の話はたくさんあるんでしょうけど。。。(笑)
幼稚園の同じ学年のお母さん達と以前就学について話していた時、「小学部に行きたい!絶対上がる!」と何度も言っていたのですが、大嘘つきになってしまいました。
仕事をバリバリやっていた20代、「結婚なんて絶対しない!子供なんていらない!」と断言していた以来の大嘘です(笑)。
人生に“絶対”なんてないんだなぁ。恐れ入りました。。。
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