退院後のふうちゃん

 これを書いているのは8月初旬、ふうちゃんが退院して一ヶ月が過ぎた頃です。

 入院中、ふうちゃんは抑制や点滴が取れても、ほとんどベッドから降りようとしませんでした。洗面台でお水遊びをするときでも、ほんの数歩だけなのにママの手を必ず借りて行きましたし、水遊びの最中もママはふうちゃんがバランスを崩して後ろにひっくり返ってしまうのではないかとハラハラしていました。
 そんなことで、家に戻ってもしばらくは歩かないんだろうな、と思っていたのですが、家に帰った途端、トコトコと廊下を1人で歩きました。
 今まではほとんど走ることをしなかったふうちゃんでしたが、最近は廊下をドタドタ走って遊ぶのを覚えてしまい、階下の方から苦情がくるのではないかと心配になるくらいです。その他にもソファーによじ登って飛び降りるなど、今までなら決してやらなかった危険な遊びをするようになり、ときどきは失敗して床に落っこちたりとすっかりお転婆になってしまいました。
 心房中隔欠損症は症状が出ないから走っても苦しくないはずだし、運動制限もありませんよ、と医師から言われていたのですが、やっぱり今までふうちゃんなりに自制していたんだなあ、と実感させられています。
 ただ、外を歩くのはすっかり嫌いになってしまって、3歳を過ぎたというのにいまだにベビーカーが大活躍です。手術前、絶好調の時は2時間くらい散歩しても平気だったのですが、今は外にベビーカーで行かないというのがわかった瞬間、玄関で大泣きします。気が向いて少し歩いてもすぐ抱っこになってしまうし、困ったものですが、また涼しくなったら少しずつお散歩に連れ出そうと思っています。

 一番気にしていた精神面ですが、やはり恐怖体験が長かったせいか、ちょっとトラウマになってしまったようです。
 怖い→すぐ泣く、イヤだ→すぐ泣く、不快だ→すぐ泣くというふうに、ちょっとしたことにも我慢が出来なくなっているように感じます。ワガママと言ってしまえばそれまでなのですが(そして入院前からもともとワガママではありましたが)、未知の事柄に対してまず恐怖から始まり、確認する間もなく泣きわめくので、周りの人間は大変です。
 また、入院中は治まっていた自傷行為(ふうちゃんの場合は自分の頭をペチペチ殴る)も再開してしまいました。
 最初の頃はエレベーターなど閉鎖された空間に知らない人が乗ってくると怯えて泣いていましたが、今はそれは治り、愛想のいいふうちゃんが戻ってきました。でもやはり人見知りはすごく激しく、気にいらない人の前ではずっと怒っていることもあります。
退院後パパの妹夫妻が遊びに来てくれた時のスナップです。ママは酔っぱらって顔が赤いのか???

 薬は、初めの頃は抗生剤を毎食後、そして利尿剤と強心剤を毎朝飲んでいました。7月の中頃の外来で、思ったより早くMRSAが消滅しそうだ、ということで、抗生剤と強心剤が終わりました。
 薬は入院中からヨーグルトに混ぜて食べさせれば全く争わずに飲んでくれました。今でもずっとそういう風にして飲ませています。
 外来も最初は週3回ほど行くことを覚悟していましたが、経過がいいので間隔がどんどん空いていき、今は3週間に1度行けばいいことになりました。
 MRSAはしつこい菌なのでぶり返すことも多々あるそうですが、その時にはまた膿が膨らんできて真っ赤になり、熱が出てくるので、そのサインが出たら病院にいらっしゃい、と言われています。

 これを撮影したのは退院して1ヶ月以上経った、8月の末でした。
 この頃はお風呂嫌いも治り、プールが禁止されていたので毎日実家の広いお風呂でじいじに水遊びをさせてもらっていました。

 手術の傷、わかります???
写真だと薄く見えますが、実際にはまだ赤くて、ムカデが身体の上に乗っているような印象です。可哀想だけど、それと引き替えに、とっても大切な“健康”を手に入れたんだもんね・・・。

 退院後しばらくはお風呂が嫌いで、お風呂に入れると大泣きして最初から最後まで泣いていました。となりのお家から幼児虐待を疑われてしまうのではないかと思うほどの激しい泣き方だったのでママもイヤになってしまいましたが、傷や身体のためには毎日お風呂に入れてきちんと洗った方がいいと言われていたので、仕方なく毎日入れていたら、いつの間にか泣かなくなりました。頭を洗うときだけはかなり文句を言っていますが、これは入院前から同じでした・・・(^_^;。

 食事面でも、入院前好きだったものを食べなくなるなど若干の変化がみられましたが、それよりも嬉しかったのは、ふうちゃんがお粥を食べるようになったことでした。
 お粥には、病院では“たいみそ”や“のり佃煮”という練り状のふりかけみたいなもの(つまりモモヤの“江戸むらさき”“ごはんですよ”系です)が必ずついていました。最初の頃はふうちゃんは全く興味を示しませんでしたが、そのうち“たいみそ”が好きになり、お粥を食べるようになったのです。これは今まで炭水化物系をいかに採らせるか困っていたママには大変嬉しいことで、ママは退院してから早速メーカーを調べて“たいみそ”をオーダーしたのでした。
 病院では幼児用のミキサー食、ということで、粒は全くない、家で食べさせているよりはるかにドロドロのものしか出てこなかったのですが、家に戻ってきてからは割と粒のあるものもときどきオエッとなりながらも平気で食べています。
 もともと機能的には問題がなく、喉が過敏なために粒状のものが喉を通るときに無意識に拒否することによって吐いてしまう、ということが言われていたので、本当は食べられるはずなんです。それに好き嫌いもけっこうあるので、今までは吐いてしまうことも多かったんですけど・・・。
 退院してから、大泣きしたせいで一度戻したことがあった以外、食事で吐いたことはこの一ヶ月間全くありません。これも正直ちょっとびっくりすることです。
 ずいぶんめざましい成長を感じます。入院が長いと成長が遅れると良く言われるけれど、ふうちゃんの場合は退院後できるようになったことがとても多いです。

 これからもこの調子で成長していって欲しいよ、ふうちゃん!