退院まで・2

 6月25日からの週は、医師はまだ口には出さないものの、多分退院が近いんだろうな、と感じられる希望に満ちた日々になりました。
 ここで熱など出されると大変なのですが、梅雨の真っ最中でムシムシと暑かったので、部屋の(ものすごーく汚い)冷房をつけたり消したりしてこまめに温度調節していました。

 6月28日、ふうちゃんはほぼ一ヶ月ぶりにお風呂を許されました。
 といっても全く普通に、というわけではなく、病院関係者が手指を消毒するときに使う消毒殺菌剤を石鹸代わりにして身体を洗うのです。ママは傷を見るのも久しぶりなのでビビッてしまい、看護婦さんにほとんどやってもらいましたが、直径1.5センチくらいの膿の固まり(その真ん中にはご丁寧に目のようなものまでついている)が、ウルトラマンのピコピコマークみたいに傷の中心に盛り上がっていてビックリしてしまいました。
 この日以降は毎日このようにしてお風呂に入れてもらいました。

 同日、S先生から血液検査の結果がすごく良かったとの嬉しい知らせがありました。炎症反応は何と0.3、普通の人と同じ値です。そして、白血球はまだやや多いものの、貧血状態も改善して、栄養状態はむしろ普通のお子さんよりはるかに良いです、といわれました。
 ブロイラー作戦の成果が出たー!!!

 翌日の6月29日、ふうちゃんはCTと心電図を撮りました。退院に向けた検査であることは十分わかったので、ママは頑張ってふうちゃんを眠らせ、検査に送り出しました。

 そして、6月30日。
とうとう、次の日、7月1日の退院が決まりました。
といっても最初のうちは週3回くらい外来に行かなければならず、心臓血管外科の外来は恐ろしく混むということなのでまだまだ前途多難なのですが、でもやっぱりやっと、やっとの退院、とても嬉しかったです。

 ふうちゃんは家で傷(というかMRSAの膿の部分)の消毒をしなければなりません。消毒は滅菌綿棒(普通の薬局には“抗菌”しか売っていなくて、病院に行かなければ買うことができなかったので焦ったことがありました。たかが綿棒なんだけど、一本20円以上もするのです!)にイソジンを含ませて患部に塗り、その後滅菌ガーゼを当てるだけです。原則として一日一回、お風呂に入ったあと。
 お風呂は前にも書いたように消毒殺菌剤を石鹸代わりにして全身を洗い、出るときに“アクア酸化水”という、病院からもらった酸性の水を患部にスプレーでかけます。MRSAは酸性に弱いことからこのような処置をするのだそうです。

 そして、とうとう退院の日がやってきました。

 土曜日なのでパパが車で迎えにきてくれましたが、荷物が・・・!
入院の時はスポーツバッグ一つだったのですが、その後ばあばに持ってきてもらったり、ママがちょこちょこ持ち込んだりしたものが積もりに積もって、ものすごいことになっていました。
 ふうちゃんが寝たきりだった時の心の綱、ビデオもありましたし、お見舞いに来て下さった方からの戴きものも多く、まるで小さな引越みたいでした。
 ま、ふうちゃんとママが二人で1ヶ月以上暮らしたのですから、やっぱり“生活”していたんですよね。
 入院した時(5/22)はふうちゃんもママも長袖だったんですが、さすがに暑いのでパパにふうちゃんの半袖のワンピースをもってきてもらいました。
 会計を済ませ(育成医療のおかげで個室代以外は自己負担額しか請求されなかったので助かりました)、お世話になった先生や看護婦さんに挨拶をして、車に乗り込みます(看護婦さんには本当にお世話になったのですが、土曜日だったのでお別れを言えた人が少なかったのはとても残念でした)。
 ふうちゃんにとっては1ヶ月半ぶりのシャバ。5月22日に入院して以来、本当に一歩も病院の建物から出なかったんです。まぶしそうに目を細めていました。

 そして、車は久しぶりの我が家に向け、走り出しました・・・・。