|
つい最近、流産をしてしまいました。
先日2日間入院して、簡単な手術を受けてきたところです。
2週間前の診察で赤ちゃんが週数より小さかったことで何となく予感はしていましたし、まだ9週だったので、残念でしたが精神的にはあまりダメージはありませんでした。
ただ、身体の方は、というとやはり大変でした。
今回の妊娠は最初からあまり順調でなかったらしく、ふうちゃんの時にはほとんどなかったつわりが激しくなにも食べられなくなってしまうし、スーパーに行くと気持ちが悪くなってしまうので、買い物すらできなくなってしまっていました。
私の場合は稽留流産、といって、赤ちゃんがお腹の中で死んでしまい、そのままお腹の中に留まっていたので、全身麻酔で子宮内容を除去する手術をしました。手術当日に帰宅できるほど簡単な手術ではありますが、やはりお腹がパンパンに張るし、痛いし、気分は悪いし。
手術から数日経った現在はだいぶ通常の平和な生活に戻りつつありますが、やはり女性をやっていくのは大変だ、と改めて実感しました。
今回の入院では、ふうちゃんと夜離れることが実は大変心配でした。
ふうちゃんは食事に問題があり、ミキサー食の全介助なので、私以外の人の手からあまり食べないのです。流産が判明して2日後の入院だったので、パパも仕事の調整が大変・・・。でも実家からはるか遠くに引っ越してしまったので、パパ以外頼れる人はなく、仕事を早く切り上げて保育園のお迎えからお風呂、夕食と、パパは私の入院中、フル回転してくれました。でもやっぱり夜電話してみると夕食はほとんど食べず、ママがいないなー、何か変だなー、と思っているようで、落ちつきがなかったとのことでした。
退院した次の日は金曜日。まだお腹はパンパンに張っていて、まっすぐ背筋を伸ばして立てないような感じでした。保育園は歩いて5分の距離なのですが、ふうちゃんは朝は絶対歩かないのです。5分の距離だし、朝から機嫌を損ねて連れていくのもイヤなので、毎日抱っこして通っていました。たまに途中から歩いてくれる日もあるのですが、滅多にないので期待もできず、保育園までどうやって連れていこうか、真剣に悩みました。もう半年使っていなくてホコリをかぶっているベビーカーに乗せるということも考えましたが、外に置いてあったためホコリを払うのが本当に大変そうなので断念しました。
出発30分前。やはり抱っこはどうしても無理そうでした。引っ越してから半年しか経っていないので、緊急の時頼れるような親しい人は近所に誰もいないのです。休ませようか。でも身体はとてもしんどいので、一日中このエネルギーを持て余したお嬢さんにつきあっているのも辛い。ここは何とか保育園に行ってもらって、一人で寝ている方がはるかに良さそう・・・。
ダメとは知りつつ、言ってみました。
「ふうちゃん。ママねー、昨日手術したんだ。今日は身体がとっても辛いの。ふうちゃんを抱っこして保育園まで連れて行けないんだ。だからふうちゃん、今日はなるべく歩いて保育園まで行ってくれないかな?」
出発の10分前にも、もう一度繰り返して言ってみました。
ふうちゃんは日常生活の中で私の言うことは割とわかっている、と思うのですが、上記のようなことを理解できるとは正直全く思えませんでした。それでも言ってみたのは気持ちは通じるかな、と思ったからなのですが、当の本人はどこふく風、という感じで遊びに熱中していました。
辛くなったら降ろそう、泣き喚いても仕方ないや。そう思って、出発。ふうちゃんを先にドアの外に出し、ドアを締めてカギをかけて振り向くと、いつもは階段の前で待っているふうちゃんがいません。何と6段下の踊り場からニコニコ笑顔を向けてきました。今まで保育園に朝行くとき一度としてしなかった行動です。
ビックリしながらも、「えー、ふうちゃん、自分で階段降りたの、エライねー」と誉めると、さらに気を良くしたふうちゃんはひとりで階段を降りていきました。1階まで降りて調子に乗っているようなので、このまま行っちゃえ、と思いそしらぬ顔をして歩かせると、何とスタスタ歩くではありませんか。
結局この日の朝、ふうちゃんは保育園まで一人で歩きました。そして、一度も「抱っこ」と言わなかったのです。
・・・この子はちゃんとわかっているんだ。
ママが一昨日の夜、いなかったこと。ママは何か病気をして抱っこができないのだ、ということ。だから今日は抱っこって言ってはいけないこと。歩いて保育園まで行かなければいけないこと。
ごめんね。ママはふうちゃんのことを過小評価してた。
赤ちゃんがいる、ってわかったとき、ママはふうちゃんのことを一番先に心配した。いいお姉ちゃんになれるだろうか、赤ちゃんが産まれたらママの関心が赤ちゃんに多く行ってしまうことを理解できるだろうかって。だから何回もふうちゃんに話しかけた。「ママのお腹の中に赤ちゃんがいるんだー。ふうちゃんはいいお姉ちゃんになってくれるかな?」って。
ふうちゃんはちゃんとお姉ちゃんになる準備が出来ていたんだね。
そして、ママも手術したことで新しい発見がいくつもあった。
すごく簡単な手術だったけれど、全身麻酔は初めてだった。大学病院の手術室も初めてだった。
手術室へ向かう時、ストレッチャーに載せられて天井と看護婦さんの背中しか見えない中、右へ左へウナギの寝床のような病院内を引きずり回される不安さ。壁も天井も緑色に塗られた手術室の異様な雰囲気。
自分が手術する、っていうことすらわからないふうちゃんが、どんなに心細い思いでストレッチャーに載せられていたか、今やっとわかったような気がする。
こんなにスゴイことを乗り越えてきたふうちゃんを、ママは誇りに思わなくちゃいけないね。
この次はきっといいお姉ちゃんになってね、ふうちゃん。
|