♪慣らし保育が始まって♪

 保育園のクラスは学校と一緒で4月の時点での年齢で分けるので、ふうちゃんは入園時既に3歳でしたが、2歳児クラスに入りました。

 保育園に入ってしばらくは“慣らし保育”です。健常児だと“慣らし保育”はほんとうにアッという間に終わってしまいます(3歳児クラスになった4月、一人新しいお友達が入ってきましたが、その子は3日目から通常保育でした)。でも予想どおり、ふうちゃんの場合はそうは行きませんでした。
 まず、S保育園がここ10年来障害児を受け入れた経験がなかった、ということで保育士さんが皆さん大変緊張していらっしゃいました。我が家としては、ふうちゃんは“つぼみの会”で単独通園に慣れているし、最初の2日を見た限り緊張はしているもののお友達とも遊んでいるし、すぐ午後まで預かってもらえるものと思っていたのですが、やはり最初の一週間は午前中のお迎えでした。

 保育園に入ってまず指摘されたのは、ふうちゃんの就寝時間が遅すぎる事でした。
 これまでふうちゃんは16時頃からお昼寝をしていたので、夜寝るのも遅く、23時頃だったのです。連絡帳に就寝時間を正直に書いたら、担任のS先生に「おかーさん、あまりにも寝るのが遅すぎるわ。21時30分には寝かせてください!」と怒られてしまいました。
 入園2日目に言われたので、保育園でお昼寝をするまで1週間ありました。他の保育園に障害児を通わせている先輩ママから「保育園から言われたことでできることは全部実行して、家庭でも努力してることをわかってもらうと、保育士さんと信頼関係が早く作れていいよ」とアドバイスされていたので、早速我が家も頑張ることにしました。
 まずその日(鬼ですが)昼寝を抜いて21時30分に寝かせ、翌日は朝7時に叩き起こしました。すると、その日ふうちゃんは家に帰るなり、13時30分頃からぐっすり眠れました。この生活をその1週間続けたところ、ふうちゃんは保育園でお昼寝が始まった日からぐっすり寝ることができたのです。
 それからの4ヶ月間は、ふうちゃんの睡眠のリズムを崩さないようにとにかく気を遣いました。病院などでお休みする日も、昼寝の時間は絶対に崩さない。眼科と心臓外科は、以前住んでいたところの大学病院に通っているので、一日がかりです。それでも、必ず実家に寄って13時からお昼寝させるようにしました。土・日も朝7時起床、夜21時30分就寝を厳守しました(辛かったけど・・・)。
 4ヶ月間生活リズムを厳しく整えたおかげで、ふうちゃんの体内時計が保育園のリズムにきっちり馴染んだようです。今はそれほど気を遣ってはいませんが、土・日などに親が生活を乱してしまっても、自分で保育園のリズムにしっかりと戻しています。やはり早寝・早起きというのは習慣なのだなぁ、と実感させられます。

 お昼寝がすぐにきちんとできたので、さらに次の週にはおやつを食べ終わるまでの15時30分まで保育時間が延びました。「保育園の生活について」のページでも書きましたが、障害児にとっての関門は食事とお昼寝です。どちらかがしっかりできれば保育園も安心するようです。
 ただ、この15時30分になって以降、保育園がなかなか保育時間を延ばしてくれず、本当に大変でした。その辺についてはまた後述したいと思います。

 12月からの途中入園だったので、障害児枠の加配の先生も当然初日からはいらっしゃいませんでした。ただ、さすが公立の保育園!2歳児は乳児クラスということで、15名の園児に担任(=公務員)の保育士3名と常勤アルバイトの保育士1名が配属されていました。保育士1人当たり4名の園児を見ればよいわけで、そういう意味では加配の先生が来なくてもこちらも恐縮しないでいられました。
 2週間くらい経った時、朝行くと40代くらいの先生がふうちゃんをサッと迎えに来られました。初めてみる顔だったので「あぁ、この方が“障害児枠”の先生なんだな」とすぐ察しがつきました。
 ところが、その後、その先生はふうちゃんに関わらないのです。まぁその先生も園に来て間もないから“研修”みたいな感じなのかな、と思っていたら、何と一週間で姿が見えなくなってしまいました。
 公務員の保育士さんにはとても質問できなかったので、クラスに入っているアルバイトの保育士さんが一人でいらしたときを見計らって、聞いてみました。すると「・・・あの先生、辞めちゃったんです。“障害児枠”なのでふうちゃんのお世話をするのだと意気込んで入って来たけど、ふうちゃんのお世話をさせてもらえなくて、“何をすればいいのかわかりません”って・・・。もともと幼稚園の教諭を長くやっておられて、クラスをまとめたこともあって経験豊富だったので、がっかりしたのかもしれませんね」ということ。
 最初の“障害児枠”の先生とはあっけない別れでした・・・。

 ここで少し補足すると、「障害児枠について」のページでも少し触れましたが、“障害児枠”の先生が障害児を担当するかどうかは、園長先生に一任されているのです。S保育園では、ふうちゃんを主に担任(=公務員)の一人であるS先生が見ることにし、S先生の補充として“障害児枠”の先生を使うという判断をしたのです。ところがその辺で多分誤解があったのでしょう。
 残念ではありましたが、ちょっとホッとしました。事情を聞くまで、もしかしたらふうちゃんに恐れをなして、“こんな子、私の手に負えません”と辞めてしまったのかなぁ、とちょっぴり心配していたからです。あ〜良かったぁ。
 その後、二人目の“障害児枠”の先生はなかなか来られず、結局来たのは2月になってからでした。今度は若くてとても美人な先生でしたが、やはりふうちゃんの担当はしないようでした。

 3月のある日、その先生が園児の一人とお話をしていました。「先生は下宿で一人暮らしなの。だから貧乏なのよ・・・」と。
 私に向かって言ったわけではなかったのですが、その言葉は引っかかりました。もし何か起こってふうちゃんが保育園を辞めることになったら、その先生は必要なくなって、“さようなら〜”ってことになってしまう。下宿で一人暮らしをしてるって事は、次の月の生活にも困ってしまうんだ・・・。こりゃ、責任重大だ。
 ところがところが、3月30日、先生がご挨拶に来られました。「私、明日で終わりなんです。あまりお世話できなかったけど、ありがとうございました」
 聞くと、アルバイトの保育士さんは、区の決まりで契約が長くて半年なのだそうです。そして年度途中から配属されても、だいたい年度末で契約終了なのだとか。
 彼女の生活まで心配してしまった私って、一体何????
 二人目の“障害児枠”の先生は爽やかに去っていったのでした。