何度も失敗してますよ〜

 前のページのようにまとめて書いてみると上手にできたことだらけですが、この間失敗もいくつかありました。そのうち大きなものを2つ、紹介しようと思います。

 まず一つは、退院後ずいぶん変化が見られたので、ママが張り切ってしまって、いきなり形態を進めすぎてふうちゃんのストライキに遭ったことでした。


 また、たまたまふうちゃんが蒸しパンを食べだした時期に、タイヘイ(食材宅配サービスの会社です。有名ですよね)さんから、“はつらつ御膳”という、介護食が発売されたんです。老人向けではありますが、見た目は普通食と一緒の形、でもとても柔らかく作られていてスプーンでも潰せる、というので、これは今のふうちゃんにピッタリ、と思って何食か頼んでみたんです。
 味はとても美味しく作られていました。でも、ふうちゃんはダメでした。柔らかいのですが、目の前に形のあるものが迫ってくるだけでも恐怖を感じるらしく、目に大粒の涙を溜めて、口を絶対に開けません。さらに頭を振りたくって髪の毛にソースをつけてしまったり、手(ママに食べさせてもらっているので、自分の手は遊んでいるのです)でママが運んでくるスプーンを強く押し返し、食材を床に飛び散らかしたり・・・。そうするとママも頭に来てしまってふうちゃんに怖い顔をしたり、怒ってしまったり。そしてとうとうストライキ(好きなものさえ全く食べない)に陥りました。
 数日後にはふうちゃんはストライキを止め、以前と同じような状況に戻りましたが、やはりハンストはママの精神状態にかなりの打撃を与えました。
 通っている摂食指導の先生に相談したところ、「“順番どおり”に進めようとするお母さんって多いですよね。でも、“順番どおり”が上手くいかないことも数多くありますよ。今は、お菓子でも何でもいいから、噛んで食べることのできるものの数を一つでも多く増やしていった方がいいと思う。食事は今まで通りミキサー食のままの方がいいでしょう」と言われました。
 確かに、ママはふうちゃんが蒸しパンを食べられた時、もうこれで大丈夫、と思ってしまったのです。それで突っ走ってしまいました。
 来年、同じ年の子は幼稚園の年少さんです。最近は障害児でも受け入れてくれる園が多くなってきて、ふうちゃんも食事さえ問題がなければ幼稚園に行けるはずなんです。食事が全介助だと先生を独占することはできませんから、やはり無理。食事さえなぁ〜、という気持ちがママの心の底にあって、つい焦ってしまったこともあります。

 もう一つは、通っている音楽療法の教室の先生がある日立ったまま食べているふうちゃんを厳しく叱ったことで、その次の日からふうちゃんがまたハンストを始めたことでした。
 その音楽療法の教室は歴史があり、主宰の先生を始めとても熱心に指導してくださいます。音楽だけでなく、生活全般にわたって3時間半みっちりグループ指導があり、お弁当の時間もあります。母子分離なのですが、療育を受けているなかでふうちゃんだけが小さいこともあり、また食事の形態にも問題があるので、お弁当の時間だけはママが戻って食べさせていました。そこで事件は起こりました。
 その日先生からやんわりと2回ほど「座って食べさせてくださいね」と言われていたのですが、ふうちゃんは言うことを聞きません。私も食事の時間は楽しく、ということを基本としているので、仕方ないなあと思いながらも立ったまま食べさせていました。すると先生もとうとう怒ってしまったのでしょう、「お母さん、座らせてください!お母さんの膝で双葉ちゃんの膝を押さえつければ立てないでしょ」と厳しい口調で言われてしまったのです。
 そこまで言われてやらないわけには行きません。私は仕方なくふうちゃんの膝を私の膝にはさんで、怒りまくるふうちゃんの口に無理矢理ご飯を突っ込みました。
 家での態度とその時の態度があまりにも違ったので、ふうちゃんもビックリしたのでしょう。その日の夜から食事を嫌がり出しました。次の日から、朝食は普通に食べるのですが、昼食・夕食はストライキ、という状況になってしまいました。これにはママも精神的に参りました。
 結局次の週から、教室でお昼ご飯を食べさせに帰るのをやめさせてもらうことにしました。“家と違う場所”で、“ママがいつもと違う態度を取る”ことがストライキの原因だと考えたからです。すると、ストライキはその日を境にだんだん治ってきました。

 その事件からもう既に1ヶ月以上経ちました。音楽療法の教室では私がお昼に帰らなくなって、担当の先生が食べさせてはくれるのですが、結局ほとんど食べないという状態が続いています。
 でも、ふうちゃんとママと二人だけの家で毎日ご飯を食べさせるのに格闘したり、お互いに不愉快な思いをするよりは、土曜日のお昼抜いた方がはるかにマシ。心臓の手術が終わって体重管理に気をあまり遣わなくて良くなったこともありますけど・・。

 ふうちゃんの食事については、今まで色々な人から色々なことを言われてきました。でも、OTさんなどふうちゃんを治すことに責任のある立場の人は“自分には面倒見きれない”と逃げてしまい、責任のない立場の人はいい加減なことを“アドバイス”するので、正直かなり傷つけられてきました。ふうちゃんの食事のことについて(向こうは軽い気持ちで言うのでしょうが)批判されたりすると、私は精神的にすごいダメージを受けてしまうんです。
 アドバイスするんだったら、一日だけでも面倒を見てみて。作るところから食べさせるところまで、3回だけでもやってみて。それをやった上でのアドバイスなら聞きたいけど、傍目から見て適当に批判するのはやめておいて。
 私たち親子には私たち流の食事のやり方がある。それが正しいのか、間違っているのかはわからないけれど、助けてくれないなら、いい加減なことは言わないで。
 ・・・頑なかもしれないけど、食事については、今はこんな心境なんです。