The Hollies "Stay With The Hollies" & "In The Hollies
Style"
(1st & 2nd)
Stay
With The Hollies
ここで紹介するのは、ザ・ホリーズの1stアルバムである。発表は1964年2月で、全14曲から
構成されている。当時の多くのブリティッシュ・ビートバンドの例に漏れず、殆どがカバー曲で占められており、オリジナル作品は1曲のみである。
ホリーズの場合、日本では「バス・ストップ」以降で語られることが多いため、「白人」あるいは「洗
練された」という形容が付くことが多く、ロックンロールというよりはポップスというイメージが強い。確かに、1965年以降になると大雑把な話としてはそ
れでもいいだろう。だが、本
作はどちらかというと、ロックンロール色が強いアルバムである。もちろん、アニマルズやゼムと比べると、確かに黒くはないのだ
が。
さて、本作を聴いて真っ先に思うのは、「他
のバンドよりも上手いじゃないか」ということだと思う。
ホリーズが演奏力の高いバンドであったことは、ごく最近になって言われるようになったのだが、確かにそうである。例えば、M1やM3はストーンズもカバー
している。M1では、ストーンズが荒っぽく、ホリーズが整った演奏を聴かせてくれ、これは両バンドの資質に還元されるであろう。しかし、M3はどう聴いて
もホリーズに分があると思う。もっともM3は、そもそもストーンズの資質に合わない曲というハンディがストーンズ側にはあるが、それを割り引いてもホリー
ズに分があるのではないか。
それはM2についても同様だ。こ
ちらはビートルズのカバーが有名だが、ボーカルは引き分けでも、中間でのテンポチェンジなど、リ
ズム面ではホリーズに軍配を上げたくもなる。ただし、こういったカバー曲の演奏の
上手さ、そしてパーロフォン所属ということが、逆にホリーズを「第
2集団のバンド」にしてしまった可能性は否めない。とはいえ、パーロフォン所属であったからこそ、当時の英国随一のスタジオを使えたことで、音質の良い音
源が残せたこともまた事実だと思う。
話が飛ぶが、ホリーズがビートルズと同じパーロフォン所属であったことは、ホリーズのキャリアを大
きく左右している。不利に働いた点は、ビートルズのフォロワーという認知しかされなかったことであり、またリズム隊の素晴らしさを聞き手に認めさせること
が出来なかったことだろう。一方、有利に働いた点は、ボーカル・ハーモニーの魅力をレコードに刻めたことであると思う。特に本作では、M7のコーラスワー
クが頭抜けているし、またM6、M8におけるアラン・クラーク
のボーカルは、当時の英国にあって、ジョン・レノンに勝るとも劣らない出来である(逆に、後のクラークの洗練されたスタイルに比べると、
荒っぽいとも言える)。
さて、唯一のオリジナル曲であるM13は
どうであろうか。正直なところ、ビートルズに似過ぎという
感は否めず、オリジナリティという点では、今一歩である。ただし、ベースがメロディラインを弾いているな
ど、当時としては目新しいアレンジもなされている。それに、レーベルあるいはプロデュサーが認めた曲がこれだったという可能性もあるから、否定的
に扱うべきではないだろう。第一、デビュー当時のオリジナル曲の出来など、他のバンドだってそれほど大したことはないのではないか(キンクスの「ユー・リ
アリー・ガット・ミー」やザ・フーの「アイ・キャント・エクスプレイン」といった例外あるが)。
最後に、ドラマーのボビー・エリオットについて述べておく。M4やM11などで聴けるように、エリ
オットはもっと評価されていいドラマーだろう(それを言い出したら、ギタリストのトニー・ヒックスもそうだが)。キース・ムーン登場以前、少なくともロッ
ク・ドラムを感じさせるドラマーといったら、エリオット位ではないか。確かに、リンゴ・スターなども「プリーズ・プリーズ・ミー」のエンディングにおける
フィル・インなど、唸らされるものもあるのだが(ただし、この辺りについても、ジョージ・マーティンの志向が絡んでくるので、断定するのはまずいかもしれ
ない)。
などと書いているが、かつてベスト盤のレビューを書いた時点では、筆者にもエリオットの貢献について分かっていなかったのである。
In The Hollies Style
1. Nitty Gritty / Something's Got A Hold On Me
2. Don't You Know
(20004-1-31)