レビューの名に値せず! 

 "amazon.co.jp"(以下アマゾンと記す)という書籍やDVDなどをオンライン販売しているサイトがある。インターネットをしょっちゅう利用している人なら、大抵は存在くらいは知っていることであろう。ちなみに、私はまだ購入目的で利用したことはないが、本の検索には利用させてもらっている。
 つい先日、「ザ・フー・ファイル」という本が発売され、当日に購入したことは、このウェブサイトの他ページに書いている通りである。私は試しにこの本を検索してみた。すると、カスタマー・レビューが1件載っているではないか。しかも、おすすめ度として☆が五つ付いている。ほほう、ザ・フーの知名度も上がったものだ、と妙な感慨に浸りながらも、肝心のレビューを読んでみた。

 待ちに待った、待望の単行本「THE WHO FILE」。 来日してくれなくても、新作がなくても、いつまでもどこまでもフーを愛するファンには必携の書!
インタビューやディスコグラフィでたどるザ・フーの歴史を中心に、ソロ活動やレア盤、当時の目撃談なども含めた、骨の髄まで徹底的に研究しまくった一冊!!

 待てよ、何処かで読んだことがあるぞ、と思いながら、この前買った「ザ・フー・ファイル」を本棚から取り出して、帯に目を落した。すると、そこには以下のことが書かれていた。

 隅から隅までとことんザ・フー!
 来日してくれなくても、新作がなくても、いつまでもどこまでもフーを愛してる
 インタビュー/ディスコグラフィでたどるザ・フーの歴史。
 ソロ活動やレア盤、当時の目撃談なども含め
 骨の髄まで徹底的に研究しまくった一冊!!

 どうだろう。本の帯に書かれた文章と、このカスタマー・レビューの内容との間に本質的な差異があるだろうか。私は、全くないと断言する。
はっきり言って、こんなのはレビューの名に値しない。

 そもそもレビューという冠を付けるならば、自分なりに考えたことを書くべきである。その場合、ミーハー的文章に終始せず、他人が読者であることを想定した文章が書かれていることが望ましい、と私は考える。そこまで要求せずとも、「私はこう思った」は、最低限必要であろう。

 しかるに、かのレビューは、その最低限のレベルにまで達していない。帯の文章を適当に組替え、「必携の書」を追加しただけなのである。これでは、中身など全く読まずに書いていると疑われても仕方がない。

 実は、アマゾンのカスタマー・レビューのシステムによれば、個々の本のレビューを最初に書いた人の中から抽選で(何名か不明だが)3000円をプレゼントしているそうである。一番名乗りつまりは3000円を頂戴したいがために、こんな文章を載せたであろうことは、容易に想像がつく。
 なるほど、アマゾンは膨大なデータを扱うため、こういったふざけたレビューでも、一番は一番として扱われてしまうであろう。しかし、これでいいのだろうか。

 別に私は賞金のことを問題にしたいのではない。アマゾンのようなある程度公益性が要求されているサイトで、このようなことがまかり通る危険性を指摘したかったまでである。

 
 そういえば、その昔、「FMステーション」という雑誌があって、そこにザ・キュアーの「ウィッシュ」というアルバムの読者レビューが載ったことがある。これが何とライナー・ノーツの丸写しのような内容であったことを、よーく覚えているぞ、私は。

 
 

 

 

 

(2002-4-28)

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