変わり者相手の商売? 

 10年以上前のことになるが、とあるテレビ・ショッピングで、コンパクト・カメラのおまけがやはりコンパクト・カメラ、という宣伝があったことを覚えている。「こら、コンパクト・カメラは入門者向けだろうが。そんな物を一人で2台持ってどうするんだ」と、突っ込みたくなるような内容であった(おまけは友人にプレゼントしろとでも言うのだろうか)

 そして今では、時代を反映してか、テレビ・ショッピングで一番笑えるのは「パソコン」であろう。
 私は、テレビを点けっ放しにしておくのは嫌いだし、通信販売も滅多に利用しないので、この手の番組を見ることはまずない。しかし、チャンネルを切り替えている途中で偶然目にしたり、理容店などで見てしまうことがある。つい先日も自宅で偶然見てしまった。そして吹き出さずにはいられなかったのである。
 まず、ゲストの芸能人による素人芝居のような反応については触れない。これは他の製品でも似たようなものだと推測されるからである。それよりも、パソコン特有のことについて書くことにする。
 パソコン特有のこととは何か。人によって挙げることは様々だろうが、以下の何点が代表的だと言えるであろう。

(1)頻繁(4ヶ月!)にモデル・チェンジを繰り返す。
(2)メーカ間格差よりも、同一メーカ内のラインナップ間における仕様の差が大きく、しかも細かく設定されている。
(3)各仕様の意味が専門的で、初心者にとってはさっぱり分からない項目が多い。
(4)ノートがデスクトップより価格が一般に高め(初心者には理由が分からないのでは)。

 考えてみれば、パソコンは、カタログだけ見て買うにはリスクが高い代物ということになる。知人に相談したり、信頼できる店(これが難しいけども)で相談したりして、あれこれ悩んでから買うべき物であろう(どうでもいいや、という人は別だが)。それに対し、テレビ・ショッピングとは本来即決を要するものであるからして、パソコンを買う側からして最も相応しくないメディアだということになる。実際、この前偶然見た番組では、「20台限定」などと煽っていたが、この煽りこそが通販のテクニックだとは言え、パソコンとは不釣合いである。

 私は、そのコーナーを途中から見たので、パソコンの仕様、搭載OSについての説明は一切聞けなかった。最後にまとめて言うのだろうと思い、見続けたが、結局一言も言ってくれなかった。その一方で、値段が安いことを強調したり(これは多くの通販で共通だと思うが)、設定や操作が楽であることを強調するばかりであった。
 もちろん、そういった仕様が説明されたとしても、大半の視聴者にとっては、大した意味を持たないとは思う。(3)に書いたように、CPUのクロック周波数を言われたところで、それが現時点でどの程度のグレードなのか、分からないのではないか。逆に、分かる人は、テレビ・ショッピングでパソコンを買おうなどとは思わないだろう。

 話が少々飛躍するが、テレビ・ショッピングにパソコン購入を申し込む人というのは、余程の変わり者としか思えない。例えば、カネをドブに捨てたがっている人などである。はっきり言って、今すぐにやめたとしても、誰も困らないのである。番組制作側は、そのあたりを認識しているのだろうか。それから、ゲストとして出演している芸能人は、自分の価値を落としていることに気付いているだろうか。もっとも、あれほど笑いを誘う内容も他に少ないから、ある種のお笑い番組として続けてくれてもいいけども。

 

 

(2001-12-29)

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