変過ぎるぞ

 3月17日付の朝日新聞夕刊に「日本ゴールドディスク大賞」の結果の一部が載っていた。「様々なる位相」にも書いた通り、 この賞は2重の意味で問題な代物だと思う。その根拠は、
(1)個人的に、新人賞以外の賞は無用だと思っている、
(2)CDを多く売ったということは、それだけで称賛されているのであり、それに対して更に賞を授ける必要はない、
からである。もちろん、この賞が創設された意義を、私が全く理解していないわけではない。それは、レコード大賞などが、極く少数の審査員による密室談義により決定されていることや、裏で金が飛び交っている可能性があるからであろう。それに対し売上枚数と言うのは、無名の一般人が作り上げるものであり、そこに何らかのメディアによる操作が働いたとしても、少なくともレコード大賞などに比べて「フェア」と判断できそうだからである。よって、もしも賞金や賞品を無しとするならば、私としても妥協できなくはない。現に江戸川乱歩賞のように、出版印税を以って賞金に換えるという賞もあるではないか。
 だが、仮にそうなったとしても、まだまだ可笑しな面はあるのであって、それを以下に書くことにする。価値を否定しながら書くというのも、愚かなことに違いないけれども。

その1:賞の名称
 新聞を見ると、賞の名称は英語のようだ。「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」、「ソング・オブ・ザ・イヤー」などである。日本の市場内での動向に関する賞でありながら、何故わざわざ英語の名称を付けているのだろう。上記などそれぞれ「新人賞」、「楽曲賞」で良いではないか。いや、それでもまだ変だ。ディスクの売上げ枚数に対する賞なのだから、楽曲に対して賞を授けるということがちぐはぐである。素直に「シングル賞」と称すればいいものを。

その2:部門名
 ロック部門、ポップス・歌謡曲部門という分け方がなされているのだが、受賞者を見ると、何故この人がロック部門で、何故この人がポップス部門なのか、さっぱり分からなくなってくる。そもそも、ロックとポップスを分けることが現在の視点として妥当なのだろうか。
 いや、そんなことは本質的には大したことではない。問題なのは、この受賞結果を知った人達が、「あの人達はロックで、あの人達はポップスなんだ」、と思い込んでしまうことである。「そんなこと無いよ」、と主張する人もいるだろうが、そういう人達は、こういった賞に初めから関心がないか、多少あっても斜に構えているはずだ。逆に多いに関心がある人こそ、メディアにコントロールされる危険性を持っているのである。

(2001-4-14)

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