遊竜門奉先寺        盛唐 杜甫
 
   已従招提遊    已に招提の遊びに従い
   更宿招提境    更に招提の境に宿す
   陰壑生虚籟    陰壑は虚籟を生じ
   月林散清影    月林は清影を散ず
   天闕象緯逼    天闕に象緯逼り
   雲臥衣裳冷    雲に臥すれば衣裳冷ややかなり
   欲覚聞晨鍾    覚めんと欲して晨鍾を聞く
   令人発深省    人をして深省を発せしむ
 
 
 
 
    竜門の奉先寺に遊ぶ
 
  私は今日この御寺に遊んだばかりでなく、
  更にこの御寺の境内に宿ることにした。
  山の北側の谷には、風が虚ろな響きを立てて湧き起こり、
  月下の林には清らかな光が散乱している。
  天の宮門かと怪しまれるこの山の上には、
  星の横糸が間近に垂れ下がり、
  雲の中に身を横たえていると、着物も冷ややかに感ぜられる。
  目覚めようとする頃に、朝の鐘の音が聞こえてきたが、
  それは聞く者に深い悟りの念を起こさせずにはおかない。
 
 
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