威風堂々、謎のセレブリティ「姉妹」が日本を魅惑




(東京 2月16日)

踊らない、歌わない、映画スターでもない。いわゆる従来のモデルでもない。
しかしながら、「叶姉妹」として知られるめったにないほどの豊かな胸元 を誇る二人の美女たち―叶恭子・美香は日本のトップ女性セレブとして話題の存在だ。 彼女たちの活躍の場はいまや日本国内だけではない。
昨年のカンヌ映画祭でのオープニングパーティでは盛大な歓迎を受け、最近では20世紀フォックスエンタ ーテイメントから「日本のボンドガール」の称号を授けられた。 そして現在、二人はマーケティング会社「IMG」と契約し、世界にはばたこうとしているのだ。

正確には、やや人工的と思われないこともない外見の美しさのほかに何がそれほど魅力なのかというのを 定義づけるのは難しい。姉妹は自らをマーサスチュワートと比較し「ライフスタイルコンサルタント」 と言っているが、マーサのように料理やガーデニング、もてなしについての助言をしているわけでもなく、 シーツタオル類を販売しているわけでもない。「私たちは、朝起きてからベッドに入ってよく寝るまでの 生活すべてのアドバイスをしているのです。」実年齢は明らかにされていないが、叶姉妹の「姉」恭子は こう答える。

どちらかといえば、彼女たちは華やかな生活を送り、美容・旅・食事・そしてエクササイズにいたるまで 彼女達の生活を通して得た経験をもとにアドバイスをしているわけである。巷ではもっぱら、 きらめくシースルーの衣装を身にまとった写真で週刊誌を賑わし、またエクササイズビデオや、 「家では裸」をも彷彿とさせるような、ソフトフォーカスで撮影されたカレンダーの販売等で活発な ビジネス活動を展開してきた。

「私達の趣味が、ビジネスになるのです。」「私達が人生をエンジョイする姿をみてみなさんがハッピー になる、そしてこれがお金になる。結果的に、とても恵まれていると思います」恭子は語る。

叶姉妹からは自信がみなぎっている。 それは10年以上続く経済衰退と劣等感とに悩まされている日本においては珍しいものだ。

朝日新聞社会文化面担当のシノハラヨシノリ氏はこう語る。
「彼女たちのスタイルは10年前のバブル経済の頃の「うわべだけ」スタイル、誰もが「我こそは」と 欲望をみなぎらせていた。おそらく経済的に恵まれていたあの時代を彷彿とさせるところに魅力があるんでしょうね。」

うわべだけに見えるとはいえ、実際ドレスや輝く宝石類を披露し、ジェットセット族ばりの旅をし、 美しくあろうと多くの時間を割く。叶姉妹はどこまでも謎の香りを漂わせているのだ。

有名音楽プロデューサー酒井政利氏は、スターや有名人たちの姿を追いながらこう語っている。 「日本では週刊誌やテレビが芸能人の秘密を暴こうとしてやっきになっている。そして スターや有名人はそれに助長する傾向がある。それに対して叶姉妹は彼女達の謎を謎のままにすること によってかえって存在をアピールした。これが成功の大きな要因ではないでしょうか。」

スキャンダルを暴くのに貪欲な週刊誌が、なぜ叶姉妹を生温く扱っているのか多くの人が疑問を抱いていた。 昨年一時期、いくつかの週刊誌が叶恭子の元夫と名乗る人物について取りあげ、また数誌で恭子と美香が 本当の姉妹なのかという疑惑について取りあげた。彼女達は姉妹には見えない。しかし、ゴシップは 見事に消え去り、別の噂も立つことにより結果姉妹の人気をしぼませるにはいたらなかった。
「やむを得ない場合には法的手段も利用します」叶恭子は言う。

恭子はまた執筆活動もし、この本の目玉でもある、あるニューヨークの不動産王(D.T.とだけ明記されて いる)がアレンジしたパリの城での高齢の石油王との見合いのいきさつなど、すべてを赤裸々に綴っている。 しかし、「蜜の味」と題するこの本は、「場合によってフィクションにしたケースもありました」という オチがついている。

叶姉妹はとらえどころがない。恭子は美香とは本当の姉妹なのかどうかという質問をさらりとかわし、 美香は、姉妹のスケジュールおよびビジネスについて管理しているようだが、インタビューでは話をしない。

なぜ質問に答えないのかという疑問を直接投げかけると、美香はやさしく微笑み、恭子が答えた。
「私達は15年以上一緒に住んでいます。ですから多少のことには意見の食い違いがあります。 おそらく妹は恋愛に関して私と少し違う意見をもっているでしょう。といっても大体のことについては 私達の理想と考えは一致しているんです。」

ことのはじまりは1997年、まだ無名の叶恭子が日本の富裕層をターゲット にした女性雑誌「ヴァンサンカン」に読者モデルとして紹介されたことにある。彼女の登場は 爆発的な話題を呼んだ。まもなくしてヴァンサンカンは妹美香を登場させ、「叶姉妹」として口紅、歯磨きなど、彼女 たちが使用していて推薦するものを雑誌で紹介するようになった。これが、爆発的売上をもたらしたのである。

 恭子は言う。「私達がテレビ番組に出ると、視聴率が上がります。ある雑誌では私達が表紙になった 号は96%売れたそうです。日本のメディアビジネスには大反響、私達は彼らのビジネスにはいい存在 なのです。」

前出朝日新聞の篠原氏はしかしながら、姉妹の人気は下がり始めていると示唆している。
「端的に言って、彼女達はものめずらしくてアヤシイものが人気になるというのと同じ類。世間は すぐにそういうものには飽きてくる。」

しかしながら、普段は人気のない朝日新聞のビル9階フロアが、最近行われた姉妹のインタビュー時には 大賑わいだったことから察するに、叶姉妹にはまだまだ勝ち目がある。姉恭子が質問をさばいている 間、妹美香は、姉妹を一目みようと追いかける若い女性に手を振るので大忙しなのだ。

男性達が姉妹を明らかにゴージャスだと認める一方、恭子は彼女達のファンの大半が女性だろうと 推測している。自分にはとてもありえない叶姉妹の悠悠自適な生活ぶりが、ファンにとっての叶姉妹の魅力 なのだろうか。彼女達はエージェントやマネージャーの手を借りずに自分たちで大手との商談をしてきた。 人の知る限りにおいては、彼女達は写真撮影やビジネスを自ら手がけているらしい。

経済的に独立しているかどうかというのもまた、彼女達に関して話題になるところである。

「基本的にタレントで、どこかプロダクションとかタレントエージェンシーに属しているんじゃないか と思う」叶姉妹にちょっと興味ある24歳、ハヤカワトモミさん。

「男たちからお金もらってるんじゃないの」「金銭的な面でゴージャス」と姉妹を評するカワハラフサエ さん、20歳学生。

しかし、前出の音楽プロデューサー、酒井氏は、調べたところによるとまったくフリーランスで活動 しているのではないかとコメントしている。
「あんまり賢く見えないのも才能のひとつ。はじめは誰か第三者がマネージメントについているんじゃ ないかと思っていたけれど、編集者やプロデューサーの話をきいて、自分たちで活動しているんだと 私は確信しましたね。」

THE NEW YORK TIMES FEB.20,2001
Confident and Racy,Mysterious Celebrity 'Sisters'Hypnotize Japan
original article written by STEPHANIE STROM
翻訳:きうぴい