面接試験対策
は じ め に
一生懸命に資料請求をし、セミナーを受けて、エントリーシートを頑張って書いたことにより、ようやくめぐってきた面接を受けるチャンス。不況の中、そこまでたどり着けない会社もたくさんあるのに、せっかくの面接を受ける機会を無駄にしたくないのは、誰にとっても同じであろう。
しかし、面接試験対策として何をすれば良いのか迷っている学生が多いのも事実である。本屋などに行っても、就職コーナーの中でも面接試験対策の書籍が目立つのもこの影響であろう。そこで、今回は発想を変えて、「ゴールからの視点で考える」ということで、面接試験で何が評価され、何が評価されないかを順番に分析していくことにしよう。
面接試験の基礎知識
まだ、面接試験の実態をつかめていない人のために、とりあえず面接試験に関する基礎知識をまず解説しよう。
面接試験には主として、①一次面接、②二次面接、③三次面接(最終面接)がある。それぞれの内容については、表1で確認すると良いであろう。

表1 面接試験の種類
その中でも、今回採り上げるテーマの上で重要なのが、「見られているポイント」の欄である。そこで、この部分についてもう少し詳しく見ていくことにしよう。
(1) 一次面接対策
まず、一次面接では自分の人柄や性格、態度などが見られている。皆さんが会社の人事課に配属され、新しい人を採用する側になって面接に臨む場合も、明るく、清潔感があって、積極的な態度の人を採りたいなあと思うでしょう。まさにその発想で、イメージと雰囲気作り、あとは自分のやる気をアピールすることが重要である。形式としては集団面接(図1参照)である場合が多い。

図1 集団面接
一次面接を行っている人は皆さんと比較的年齢が近いし、中には始めて面接をするという人もたくさんいる。皆さんは最初の関門だからといって緊張するかもしれないが、向こうだって同じぐらい緊張していることが多いであろう。また、向こうの人だって同じように面接を受けてその会社に入社してきたわけであり、面接の時の学生の心境がある意味一番分かっている人たちである。困った時には助け船を出してくれることも多いであろう。
質問の内容としては、「志望動機」「学生時代に打ち込んだこと」「自己PR」「入社後の抱負」「他社の併願状況」など、どの企業も一般的なことが多い。あくまでも自分の人物像を見られているということを自覚した上で、これらに関しては完璧に答えられるように準備をした上で、さらにその答えをいかに上手に言うかという点を工夫することが大切である。
(2) 二次面接対策
二次面接では通常は個別面接(図2参照)が行われ、会社によっては集団討議(図3参照)のようなものを課す場合もある。ここでの面接官は、将来的に自分の直属の上司となるような人物、すなわち係長や課長クラスの人が多い。こういった人は現場での仕事を良く知っている分、逆にどのような人物が今必要とされているかという点についても、かなり熟知しているのが特徴である。

図2 個人面接

図3 集団討論
こうした人を納得させ、「この人ならばうちの会社に是非欲しい」と思わせるためには、やはり自分のやる気を最大限示すことである。その中でも、近年は自分の積極性や協調性などが見られる場合が多い。集団討議(図3参照)はまさにこれを見分けるための試験である。一次面接と違い、イメージを大切にするよりもむしろ自分が目立つようにすることが肝要であろう。
この二次面接で質問される内容としては、「志望動機」「入社後の抱負」という点が中心となってくる。また、その仕事上必要となる特殊な資格や技術をもっているとアピールになることは間違いない。二次面接は、面接試験の中でも大きなヤマ場であり、事実上採用の可否がここで決まるという重要なポイントである。
(3) 三次(最終)面接対策
三次(最終)面接では、社長をはじめとする重役と面接をすることになる。緊張するかもしれないが、この三次面接は形式的なものである場合が多く、事実上は二次面接までの結果で採否が決まっているという場合がほとんどである。三次面接は最終的な確認・チェックとしての役割が大きいので、自分の思うことをはっきりと答えるということが最も重要であろう。質問の内容も一次面接や二次面接で問われたことと重複するものが多く、前夜に一度自分の就職活動用ノートを見直しておけば特に大きな問題はないであろう。
企業の着眼点
そこで、皆さんがもっとも気になるのは、企業の面接官たちはいったいどこを見ているのであろうか、という点であろう。そこで、ある大手企業の人事担当者が、実際の面接の時に使っている採点シートを参考にして、面接でどういう姿勢が望まれているのかということを考えてみることにしよう。
一般に、面接の時にチェックされる事項としては、以下のようなことが挙げられる。前述のように、どの点が中心的に見られるかについては一次面接から三次面接まででそれぞれ異なるが、面接を受ける者にとっては常に注意しておかなければならない点ばかりである。
1 容姿・態度(挨拶・服装・姿勢)
2 表現力(プレゼンテーション能力)
3 判断力(決断力・迅速性)
4 積極性・意欲(活気・強い精神力)
5 堅実性・信頼性(責任感・目的意識)
6 指導性・協調性(リーダーシップ)
7 論理性・思考能力(論旨の理解力)
8 創造性・個性(フロンティアシップ)
例えば、一次面接では①②③④⑤が主として問われるのに対して、集団討議型の二次面接では、③④⑥などが中心となってくるのである。また、三次(最終)面接では③④⑤⑦⑧の各点に特に注意が必要である。
実際の面接では、面接官は下記のような面接シートを持って、採点を行うのである。このシートは各会社によって項目が少々異なるが、大枠はこれと同じものであると思ってよい。

企業の面接シートの例
ということで、面接を受ける者は、このシートで良い評価をされるように、質問に答えれば良いわけである。これこそが、企業の着眼点を逆利用した面接試験における必勝法であろう。具体的な質問の答えは面接を受ける人一人一人で異なるであろうが、それをどのように評価するかという点は実は同じなのである。
そこで、面接対策として皆さんに事前にやっておいて欲しいことは、面接でよく問われる典型的な質問に答えられるように準備をすることである。その際に、先述のどの点に企業が着眼しているかを考えた上で、自分の解答を用意する必要がある。また、実際の面接においてそれがスムーズに言えるようになっていなければ、積極性・判断力があると評価されないし、覚えてきた答えをただ機械的に読み上げたとしても、表現力・協調性が欠けると評価されてしまう。従って、自分の志望動機を答えること一つをとっても、結構気を使うものである。
事 前 の 準 備
そこで、面接を受ける前には事前に想定される質問について答えられるように準備しておかなければならないわけであるが、どのような質問が一般的に想定されるのであろうか。
まず、一次面接であるが、これは先述のように一般的な人柄が見られるわけであるから、それに沿った質問がなされる。多くの人がすでに就職ノートなどをつけて、しっかりと自己分析・企業分析をしているであろうが、それをそのまま口頭で述べれば良いわけではなく、やはり先述の企業の着眼点を考慮に入れた上で検討しなければならない。エントリーシートを提出した企業については、そこで書いた内容を考慮しつつ再検討してもらいたい。履歴書持参などで直接面接を受けることになった企業については、履歴書で書いていることと矛盾しないように、もう一度作戦を練る必要があり、場合によっては履歴書そのものを書き直した方が良いかもしれない。
特に、どこの企業でも問われるのが「志望動機」と「入社後の抱負」である。なぜなら、これこそが「積極性」「表現力」などさまざまな項目を判断するのに最も適切な質問だからである。これは、一次・二次・三次面接とも共通である。

その他、想定される質問としてはさまざまなものがあるが、自分なりにもう一度上記のような表にまとめてみた上で、面接前夜の練習用として、または面接当日の確認用として準備しておくと良いであろう。
ま と め
以上のように述べてきたが、最後にこの場を借りて、皆さんに面接試験に向けて、私から言葉を贈りましょう。
(1) 面接に王道なし
よく、「面接に王道なし」といわれる。面接を受けるに当たっては、模範解答など実はない。書店に行けばマニュアル本などが販売されているが、単純にこれを模倣することは致命傷になってしまうでしょう。
面接試験で問われているのは、質問に対してどのようなことを答えるかという回答の内容自体ではなく、むしろその回答をする際の姿勢・態度や、その回答を導くためにどの程度考えたかという過程である。要は、面接試験という競争の中で皆さんが拠り所にすべきなのは、皆さんの個性、自分らしさであって、それを堂々と表現できるかどうかで勝敗が決まってくるのある。
(2) 面接試験は主観的
皆さんは面接試験を自分の採否を決める決定的試験であると思っていると思うが、現実はそうではないと思う。不況の中、一部の幸運な人を除き、これから皆さんは面接試験を受ければ受けるほど重い現実を知らされていくと思う。しかし、そこでへこたれてはいつまでたっても成功はやってこないであろう。
面接試験というのは、一定の組織(通常は会社)とそこに応募する皆さんの出会いの場にすぎない。同じ応答をしたとしても、その組織によって、また同じ組織の中でも面接をする人によってそれをどのように受けとめるかは全く異なるのである。即ち、一つの言葉が時にはプラスに、時にはマイナスに評価され得るのである。このあたりは筆記試験と異なるところであろう。
これらのことを踏まえた上で、あまり深刻に考えず、一つの面接が自分の事をよりよく知るための絶好の機会だと考えられるようになると、内定が近いのかもしれない。つまり、前向きな姿勢こそが成功の素であろう。
(3) 会社も試されている
不況の中、面接試験ではいくつもの挫折を経験しなければならないというのが現実である。結局のところ、会社はコネがある人、外見のいい人を採用したがる傾向があり、そうでない多くの学生はその現実を早かれ遅かれ突き付けられるようになる。
しかし、そんな会社に苦しんだ上で就職したとしても、末永くうまくやっていこうという気が起きないであろう。面接試験というのは何も企業が学生を選ぶ試験というだけではなく、学生の側が企業を評価する試験でもある。十分な企業分析を行ったとしても、実際にそこで働いている人の話を聞いて見なければ現実は分かりにくいものである。
確かに、採用側と被採用側では立場に大きな違いがあることは否定できない。しかし、いやいや大きな会社に入るよりは、中小企業であったとしても自分を必要としてくれる会社、自分が一生懸命にやろうという気になれる会社に入った方が、後々幸せではないだろうか。
面接試験というのは、本当の意味での自己分析・企業分析ができるいい機会である。最初の二、三回うまく行かないことがあったとしても、それをバネにして、自分の道を精一杯、しっかりと自信を持って歩いていってほしいと思う。